お盆とはそもそも何ですか?お盆の由来や行事について解説します

お盆とはそもそも何ですか?お盆の由来や行事について解説します

夏になると毎年やってくるお盆ですが、本来お盆とは浄土から地上に帰ってきた先祖を供養しお迎えするための期間です。地域や宗派によって、お盆の期間や風習も変わります。ここでは、お盆の由来や行事、お供えするものについてご説明します。

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  1. 1お盆とは?
  2. 1.1お盆の由来
  3. 2お盆と日本の仏教の関係
  4. 2.1お盆のお供え物は?
  5. 3お盆は地域によって風習や期間が異なる
  6. 4お盆の代表的な行事【迎え火/送り火/盆踊り】
  7. 4.1盆踊りは仏教行事
  8. 4.2「迎え火」と「送り火」

お盆とは?

お盆とは?
フリー写真素材ぱくたそ

お盆の時期になると先祖たちの霊が浄土からこの世へ帰ってくると考えられています。一年に一回、地上に帰ってきた先祖たちを家にお迎えし供養する時期のことをお盆と呼びます。お盆には、墓参りをしたりお供え物をしたりとさまざまな風習がありますが、地域や宗派によっても違いがあります。

お盆の由来

お盆の正式名称は盂蘭盆会(うらぼんえ)と言い、仏教にある盂蘭盆経(うらぼんきょう)というお経が由来だとされています。この盂蘭盆経の元になったお話がお盆の習わしと深い関わりがあります。

昔、お釈迦様に仕える弟子の目連尊者(もくれんそんじゃ)という者がいました。目連は、自分の亡くなった母が地獄で逆さ吊りの刑を受け苦しんでいることを神通力によって知ります。なんとか母を救いたいと考えた目連がお釈迦様に助けを求めたところ、お釈迦様は「7月15日(現在の8月中旬)に修業を終えた多くの僧侶たちを心から供養すれば、苦しみから救えるでしょう」と教えます。この言葉を聞いた目連は、その教えを実践し、母を苦しみから無事救い出すことができました。このお話がお盆の習わしの由来だと言われています。

お盆と日本の仏教の関係

お盆と日本の仏教の関係
Photo byAlexis

日本には、仏教が広まる前に神道の教えが広まっていました。この神道の考え方ですと、人は死ぬと霊になり子孫を見守ってくれる存在となります。そして、その先祖の霊が一年に一度地上に帰ってくると信じられていました。そこに仏教の教えである盂蘭盆経の考えが混ざり、現在のお盆の形になったとされています。

インドにおける本来の仏教の教えには輪廻転生というものがあり、人は死ぬと霊になるのではなく、生まれ変わるとされています。そのため、日本に伝わる先祖崇拝の考え方はありません。お盆は仏教と神道が混じり合った独自の文化だと言えます。

お盆のお供え物は?

お盆のお供え物は?

お盆のお供え物は、宗派によっても違いますが五供と言われる香・花・灯明・浄水・飲食が一般的とされています。地域によっては、ナスやキュウリで作った精霊馬や精霊牛を飾るところもありますが、ここでは一般的なお供え物を見ていきましょう。

香

線香の事です。線香の香りがお参りする者の心身を清めてくれると言われています。仏壇と同じようにお盆にも線香をたいて先祖を供養しましょう。

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花

供花は、いつも見守ってくれている先祖への感謝の気持ちを表しています。お盆期間中には、盆花とされるホオズキを供える地域が多いです。お花を供えるときは生花をお供えするようにしてください。

灯明

灯明

ご先祖さまが迷わず帰ってこれるよう、目印に明かりを灯します。蝋燭だけではなく、盆提灯と呼ばれる提灯を灯す地域もあります。

浄水

浄水とは、先祖に供えるお水の事です。昔は、自然の水を供えるのが良いとされていましたが、今は水道水を供えるところがほとんどです。お盆期間中は、毎日新しいお水に変えることを意識しましょう。

飲食

お供えする食べ物のことです。これも地域によってさまざまで、精進料理を作って供えるところや先祖の好物を供えるところなどがあります。お盆期間中は、家族と同じ食べ物を供えることが良いとされていますので、食事の前に供えてお下がりとして頂くのが良いでしょう。

お盆は地域によって風習や期間が異なる

お盆は地域によって風習や期間が異なる

お盆は一般的には8月に行われ13日~16日までの地域が多く、これを「旧盆」と言います。しかし、東京では「新盆」と呼ばれる7月に行われるお盆が大半です。

昔のお盆は8月だったのですが、明治6年に暦が切り替わったことでお盆の時期が7月になったことが関係していると言われています。暦が変わる前の「旧盆」を使用している地域と、変わった後の「新盆」を使用している地域があることで、お盆の期間に差が出ているのです。

また、宗派によっても風習が異なります。精霊棚を設けてお供え物を置くことが一般的ですが、宗派によって精霊棚に置くものが違ったり配置が変わったりします。ご自分の宗派を知り、各宗派にあったお盆を迎える準備をしましょう。

お盆の代表的な行事【迎え火/送り火/盆踊り】

お盆の代表的な行事【迎え火/送り火/盆踊り】

お盆にやることとしてお墓参りや精霊棚の設置などいろいろありますが、代表的な行事として迎え火・送り火・盆踊りがあります。現在では夏休みが終わる前のイベントのひとつで、お祭り的な要素が強いように感じますが、本来は歴とした仏教行事なのです。

盆踊りは仏教行事

盆踊りは仏教行事

盆踊りは、先祖を供養するために念仏を唱えながら踊る念仏踊りが元になっていると考えられています。鎌倉時代になって全国に広がっていくなかで民俗芸能としての意味合いが強くなり、衣装や振り付け、音楽などが華やかになっていったとされています。現在では、地域活性化や地域のふれあいとして盆踊りが行われることが多いですが、本来は先祖を供養するために踊られたものです。

「迎え火」と「送り火」

「迎え火」と「送り火」

迎え火とは、その名の通り先祖をお迎えするときに行う行事です。13日の夜に帰ってくる先祖が迷わず帰ってこれるように目印として火を灯します。最近では、火災の心配から提灯を使用するところも多いです。

送り火とは先祖の霊を送る時に灯すもので、先祖が浄土へ帰る道を明るく照らし迷わず帰れるようにという願いが込められています。送り火の行事として有名なのが、京都の五山の送り火です。大文字山に灯される大の文字から別名大文字の送り火とも呼ばれています。

お盆の由来や行事のまとめ

  • お盆とは、浄土から地上に帰ってくる先祖を供養し迎えるための期間である
  • お盆は、仏教と神道が混ざり合った日本独自の文化である
  • お盆には「新盆」と「旧盆」があり、東京では新盆の7月、それ以外の地域では主に旧盆の8月が使われている
  • 地域や宗派によって、期間や風習が異なる

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