本来のお盆の過ごし方
ここでは、お盆の過ごし方について、昔から行われてきた一般的な風習をいくつか紹介します。
祖先を供養する
精霊棚・迎え火の準備
まずは盆の入りとなる13日に、お供え物を置くための精霊棚を仏壇に設置します。設置方法は地域や宗派によって異なるものの、「真菰(まこも)と呼ばれる草で編んだむしろを棚の下に敷く」「仏壇から取り出したお位牌を棚の中央に置く」といった手順が基本の流れです。また、ご先祖様があの世から帰ってくるときに迷わずまっすぐに帰って来られるように目印として迎え火を焚きます。
お墓参りと送り火
精霊棚の準備が終わったら墓所に出向いてお墓の掃除を済ませ、2日目以降に家族や親族らとお墓参りをします。そのほか、お盆期間中には精霊棚で僧侶に読経してもらう「棚経参り」(たなぎょうまいり)を執り行うほか、水やお供え物を毎日交換することも大切です。
お盆の終わりには、ご先祖様が迷わず無事にあの世に戻ることができるようにとの願いを込めて送り火を焚く風習もあります。
よしえママ
「迎え火」「送り火」の風習の意味や方法などについては、下の記事を参考にしてくださいね。
「盆踊り」や「花火大会」を楽しむ
お盆の時期には花火大会など様々な祭りを楽しめますが、こうした祭りの場に露店が多く立ち並ぶさま、いわゆる「縁日」にもれっきとした宗教上の意味があります。縁日とは神仏との縁(ゆかり)がある日のことを指し、この日にお供えやお祭りを行うことでより大きなご利益があると信じられています。
また寺社の祭りでよく見かける「盆踊り」は地獄を免れた亡者が喜ぶ様子を模しているといわれ、これも祖先の供養の一環として定着した行事です。つまり、お盆に法要や墓参りをしない人でも、その時々の夏祭りを楽しむことで知らずのうちに祖先を供養していることになります。
2020年のお盆の過ごし方は?
お盆休みといえば旅行や帰省など、数日間にわたる外出がメジャーな過ごし方ですが、オリンピックイヤーの2020年は会場である東京など首都圏への集中が予想されています。そこで気をつけるべきなのが、交通機関や高速道路の混雑です。
「◯◯新幹線で乗車率130%」「☓☓高速道路で40キロの渋滞」といったニュースは今やお盆休み期間の風物詩ですが、2020年のお盆はオリンピック開催の影響もあって首都圏を中心に高速道路・交通機関の規制や需要も跳ね上がります。泊りがけの計画であれば、前夜に家を出るなど早めの出発を心掛けましょう。オリンピックの閉会式が9日ですから、前半(8月8日~10日)の3連休は外出を避けてテレビ観戦などにあて、後半のお盆休みに出かけるというプランもおススメです。連休終盤には必然的にUターンラッシュが発生するので、混雑に巻き込まれたくない人は早めの帰宅はいうまでもありません。
また、訪日外国人などの増加で例年より首都圏のホテル・旅館などは取りにくいうえ、ツアーを利用する場合など料金が高騰することも予想されます。これからお盆休みの旅行計画を立てる方は、時間配分だけでなく費用面も十分に考慮した上で早めにプランニングすることが肝心です。
お盆の時期と過ごし方のまとめ
- お盆とは祖先を祀る伝統行事であり昔は7月13日~16日に催されていたが、明治時代の新暦採用に伴って全国のほとんどの地域で8月に変更された。2020年のお盆は8月13日(木曜日)から。
- お盆の過ごし方としては法要や墓参りによって祖先の供養に努めるほか、祭りの縁日や盆踊りを通じてご利益を願うのもおすすめ。
- 2020年のお盆休みは8月13日(木曜日)~16日(日曜日)の4日間が多いと予想されるが、お盆直前にも3連休がある。五輪開催などの影響で特に東京など首都圏では交通機関の混雑や旅行費用の高騰が予想される。
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