忍者は実在した?
昔の日本を舞台にした映画や小説の中では、よく忍者たちが登場します。ずば抜けた身体能力を持ち、陰で活躍する忍者の姿はとても素敵で憧れる人も多いでしょう。そんな、架空の物語の中の忍者ですが、実は昔の日本には忍者が実在していました。ここでは、日本の各地に実在したとされる忍者たちをご紹介します。
実在した忍者の流派
忍者には、どこかの流派に所属し、集団で活動する者と単独で活動する者がいたようです。ここでは、集団で活動していた忍者が所属していた流派をいくつかご紹介します。
伊賀衆
伊賀国の忍術流派で現在の三重県伊賀市に実在していたと言われています。敵に己が忍者であることを悟られることがないよう、普段は農民や行商人の姿をして各地の情報を探りながら、指令に備えていたと言われています。
甲賀衆
忍者の流派では、伊賀と並び有名な甲賀衆です。近江国甲賀の忍術流派で現在の滋賀県に実在していた流派であると言われています。現存する資料から解明されている情報では、江戸時代に活動をしていたとされる流派です。
風魔党
風魔党は、風魔小太郎を筆頭に活動していた実在する忍者流派のひとつです。戦国時代後期に北条氏に仕えており、伊賀や甲賀と戦いながら北条氏を支える影の存在でした。北条氏が没落した後、江戸で盗賊として活動していたようです。
黒脛巾組(くろはばきぐみ)
今の宮城県で活動していたとされる実在した忍者流派で、伊達政宗が創立したと言われています。所属する忍者が黒い脛当てを装着していたことがこの流派名の由来だと言われています。
軒猿(のきざる)
新潟・富山に実在していた忍者の流派で、上杉謙信の下で活動していました。他の忍者を殺すことを得意とし、敵対していた風魔の忍者たちも軒猿に多く殺されたとされています。
饗談(きょうだん)
饗談は、織田信長が使用していたとされる実在する忍者流派です。主な仕事は、酒の席などで相手をもてなし情報を聞き出すことでした。饗談を使い、相手の動向を陰で探り先手を打つことで、勝利につながることも多くあったようです。
実在した忍者5選をランキングで紹介【伝説/身体能力】
ここからは、実在した忍者たちをランキングでご紹介します。忍者たちの持つ身体能力やエピソードなど、あわせてご覧ください。
第1位.最強の忍者「服部半蔵」
日本人なら一度は耳にしたことがある伝説の忍者・服部半蔵です。服部半蔵は伊賀衆の筆頭であり、伝説の忍者であると語り継がれてきました。しかし実際は服部半蔵の名前は服部家の当主となった者が名乗るための名前であり、個人名ではありません。
代々続く、服部半蔵を名乗った筆頭の中でも最強と恐れられたのが二代目の服部正成です。正成は16歳の若さで60人の忍者集団を作り、徳川家康に仕えたとされています。このような集団を作ったのは、世界初と言われており、この集団のおかげで徳川家は天下統一を果たすことができたと言われています。
第2位.武闘派「風魔小太郎」
風魔小太郎とは、風魔党の党首を務める者が代々受け継ぐ名前であり、個人名ではありません。その中でも最強の忍者とされるのが5代目の風魔小太郎です。5代目風魔小太郎は、2m16cmもの大男で黒ひげに高い鼻と4本の牙を持つ変わった風貌だったと言われており、山賊や盗賊顔負けのゲリラ戦を得意とする人並外れた身体能力を持つ忍者として恐れられていました。
武力はもちろんですが、統率力にも優れていた風魔小太郎は、山賊や海賊などの荒くれ者の集まりである風魔党をしっかりとまとめ、団結力の強い集団にしていったと言われています。しかし、仕えていた北条氏が滅びた後、風魔党は盗賊に成り下がり徳川家に処刑されてしまいました。
第3位.イリュージョニスト「加藤段蔵」
加藤段蔵(別表記では加当段蔵)も実在する有名な忍者の一人です。「飛び加藤」の異名の通り飛翔術に優れた忍者でした。また、今の時代でいう手品のようなトリックを使うことでも有名でした。
優れた身体能力と不思議な能力を武器とする段蔵は、自ら仕えたいと望んだ上杉謙信にすら恐れられる存在となり、暗殺されそうになりました。上杉家に勤めることが出来なくなった段蔵は武田信玄に仕えることを望みますが、武田信玄も同じ理由で段蔵を恐れ、部下に段蔵を殺させたと言われています。
第4位.天下の大泥棒「石川五右衛門」
大泥棒として有名な石川五右衛門も実は、実在していた忍者の一人だったと言われています。盗賊になる前の石川五右衛門は、石川文吾という名前を使い、忍者の活動していました。
忍びとしての実力は確かなもので、豊臣秀吉の暗殺まであと一歩だったと言われています。大泥棒となってからも盗みを働く相手は、権力をふりかざす豪族のみであったことから庶民の間ではヒーロー的な存在として知られていました。
しかし秀吉の命令によって、石川五右衛門は強盗の罪で我が子と共に処刑されることとなりました。これが有名な釜茹の刑です。
第5位.くノ一「望月千代女」
望月千代女は、実在する女忍者の一人です。武田信玄の甥である望月盛時に嫁いだ女性であり、盛時の死後、武田信玄の命令により女の忍者「くノ一」のリーダーとして活躍したと言われています。
歩き巫女と呼ばれる集団を作り、巫女として各地を回りながら敵地の動向を探る役割をしていました。この巫女集団は、孤児となった少女たちで構成されており、どの子も美しい容姿だったと言われています。
実在した有名な忍者のまとめ
- 最強の忍者と呼ばれた服部半蔵。この男の働きが徳川家の天下統一へと導いた。
- ゲリラ戦を得意とした恐ろしい大男、風魔小太郎。
- 上杉謙信・武田信玄にも恐れられる実力を持っていた加藤段蔵。
- 天下の大泥棒、石川五右衛門は実は優れた忍者の一人だった。
- 武田信玄に仕えた望月千代女は、今も語られる伝説のくノ一。