忍者の服装・忍者装束について
忍者の服装・忍者装束とは忍装束とも呼び、忍者が身につける衣服のことを指します。忍者の歴史は、古くは日本の飛鳥時代にまで遡ると言われています。忍者は主に室町時代から江戸時代において、大名や領主の元に仕えて「スパイ」のような役割を果たしていました。
忍者はスパイと言う役割柄、なるべく人目につかないような服装をする必要があったため、夜の闇に紛れられるよう「忍者装束」を身につけて行動をしていました。この「忍者装束」は「黒装束」であると思われがちですが、実は本物の忍者は「真っ黒」ではなく「濃紺色」の忍装束でした。
その理由は、夜の闇は月明かりなどの影響により実際には「真っ暗闇」ではなかったため、真っ黒の衣服では逆に姿が目立ってしまうことから濃紺色の忍者装束となったといわれています。
また、忍者装束を濃紺色に染める際に使われる塗料は「クレ染め」と言われる伊賀・甲賀地方独特のもので、虫や毒ヘビ(マムシ)避けに効果があるものでした。
忍者装束の名前/特徴/構造を部位ごとに説明
忍者装束は8つの部位に分かれており、それぞれに名前があります。どのような部位に着用するものかを表にまとめました。
上衣(うわぎ) | 上半身 |
手甲(てこう) | 手の甲から肘付近 |
頭巾(ずきん) | 顔や頭部 |
袴(はかま) | 下半身 |
脚絆(きゃはん) | すね |
褌(ふんどし) | 下着 |
草鞋(わらじ) | 足(足袋の上に履く) |
足袋(たび) | 足(わらじの下に履く) |
忍者装束のアイテムは特徴や構造もそれぞれ違うので、各部位ごとに詳しく説明をしていきます。
上衣(うわぎ)
上衣は「うわぎ」と読み、その名の通り忍装束の上体部分になります。着方は一般的な着物と似ており、下前と上前を重ね合わせて着用します。
また、上衣には武器や薬・縄など忍者に必要な道具が入れられるよう内側にポケットがたくさん付いており、左前には銅や鉄の鏡を入れて心臓を守ったそうです。袖は「手甲」と留めて一体化する格好になっています。
猫叉
忍者のカッコいい道具について興味がある人は、下の記事も読むといいにゃー。
手甲(てこう)
この手甲かっこいいでしょー!
— 忍者茶房KUNOICHI (@ninja__kunoichi) January 9, 2018
個人的にお気に入り🙋♀️
忍者は身につけるものが多いぞよ卍#忍者カフェ #忍者 #渋谷 #tokyo #sibuya #和カフェ pic.twitter.com/Y81U4R22l6
手甲とは「てこう」と読み、アームカバーに似た形をしています。手〜腕部分の肌の色を隠す効果や手を守る効果、虫除け・保温などの効果もあります。また、手の甲部分には手裏剣などを入れられるポケットが備え付けられています。
蜘蛛の丞
腕の外側部分に棒手裏剣などの武器を隠したんだって。さすが細工がたくさんあるんだね!
頭巾(ずきん)
頭巾(ずきん)は、顔と頭を隠すための忍装束です。幅が30cm、長さは200cmほどの布でできており、顔と頭に巻きつけて装着します。頭巾は主に顔を見られないように隠すための物ですが、顔や頭を守る防着としての役割も担っています。
クワ
頭巾は今でも「おこそ頭巾」と呼ばれ、日本舞踊などで被ることもあるよ! 忍者は三尺手ぬぐいをこのおこそ頭巾の巻き方で巻いて使用することもあったみたいだよ。
袴(はかま)
袴は「はかま」と読み、下半身に履く「ズボン」のようなものです。現代の着物の袴とは異なり、忍者装束の袴は動きやすいよう裾部分が詰まった仕様になっています。
オタクくん
忍装束は、動きやすい野良着が原型と言われているぞ。