松尾芭蕉「奥の細道 平泉」の現代語訳(口語訳)を解説!

松尾芭蕉「奥の細道 平泉」の現代語訳(口語訳)を解説!

有名な俳人である松尾芭蕉による奥の細道の平泉の現代語訳を今回はご紹介します。奥の細道は紀行ですが、平泉はその行程の中間地点にあたり、多くの有名な俳句を輩出しました。その俳句の意味や芭蕉の思い、平泉の歴史的背景について知っていきましょう。

松尾芭蕉の奥の細道『平泉』とは?

フリー写真素材ぱくたそ

奥の細道は、江戸時代に活躍した俳諧師である松尾芭蕉による紀行です。芭蕉が敬愛する西京の500回忌の1689年に河合曾良を連れて江戸を出発し、関東や北陸などを旅行しました。その行程の折り返し地点が今回ご紹介する平泉です。平泉は地図上では、現在の岩手県西磐井郡の平泉町にあたります。

奥の細道の完成は芭蕉の死後の1703年に、何度も推敲を重ねられようやく完成しました。以後、奥の細道は松尾芭蕉の代表作として知られています。

奥の細道『平泉』を現代語訳(口語訳)で解説すると?

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それでは、平泉の原文と現代訳、俳句の意味と読み方について解説していきます。原文の分かりずらい部分には読み仮名も書いています。また実際に芭蕉と曾良が歩いた経路も現代の地図で確認できますので、地図も一緒に見ると平泉はより分かりやすくなります。


【奥の細道 平泉】

   えいよう    うち
三代の栄耀一睡の中にして、大門の跡は一里此方に有。

奥州藤原氏の清衡、基衡、秀衡の三代の栄光も一睡(正しくは一炊であり、飯を炊くほどのわずかな時間のこと。故事にちなむ)のように消え、平泉館の大門の跡はここから約一里の距離だ。

ひでひら    でんや        きんけいざん
秀衡が跡は田野に成りて、金鶏山のみ形を残す。

藤原秀衡が住んでいた館の跡は田んぼや草原になっていて、(平泉の守護のため金で作った鳥を秀衡が山頂に埋めた)金鶏山だけがそのままの形である。

 
先づ高館に登れば北上川、南部より流るる大河なり。衣川は和泉ヶ城を巡りて、高館の下にて大河に落ち入。
まず(藤原秀衡に)匿われた義経が身を隠した高館に登ると、そこから見えるのは北上川である。この川は、南方から流れる大河だ。衣川は、秀衡の三男の和泉の城を囲むように流れ、高館の下で北上川と合流する。


泰衡等が旧跡は、衣ヶ関をへだてて南部口をさし固め夷を防ぐと見えたり。
秀衡の嫡男である泰衡の居城跡は、衣が関で南と平泉を隔て、厳夷からの侵入を防いでいたようだ。


さても、義臣すぐつて此城にこもり、功名一時の叢となる。
それにしても、義経は忠義を誓った家臣を選び抜きこの城に立てこもり戦ったのだが、彼らの名声は一時であり、城跡は今は草むらである。
 

「国破れて山河あり、城春にして草青みたり」と、笠うち敷きて時の移るまで泪を落とし侍りぬ。
戦で一国が破壊されても山河は昔のようにあり、滅ぼされた城跡にも春がきて草木が青々と繁っていると杜甫がかつて詠んだ春望の詩が思いだされ、笠を敷いて時の経過を忘れて涙を流したものだ。


夏草や兵どもが夢の跡
藤原氏や義経たちが勝利を求めて戦ったこの地には、青々とした夏草ばかりがあたり一面に生えている。兵士達の思いは一瞬の夢のように消え去ってしまった。


卯の花に兼房見ゆる白毛かな 曾良
真っ白な卯の花を見ていると、勇敢であった義経の家臣である兼房の白髪が彷彿される。曾良(芭蕉の同行者)


兼ねて耳驚かしたる二堂開帳す。
以前よりその評判を聞き、驚いていた中尊寺の二堂が開いていた。(二堂とは中尊寺の経堂と光堂)

           ひかりどう
経堂は三将の像をのこし、光堂は三代のひつぎを納め、三尊の仏を安置す。
経堂には清衡、基衡、秀衡の三人の像が残されている。光堂には三人の棺と阿弥陀三尊像が置かれている。

               こがね そうせつ          たいはいくうきょ
七宝散り失せて珠の扉風に破れ、金の柱霜雪に朽ちて、既に頽廃空虚の叢となるべきを、四面あらたに囲みて、いらかを覆ひて風雨をしのぐ。

光堂にあった七宝は散って行方不明になり、珠宝が装飾された扉は風雨でボロボロだ。金の柱は霜や雪の影響で朽ちており、もう少しで光堂は崩れ、荒れた草むらとなるところだったが(後世の人たちが)二堂の四方を補強し、屋根瓦を覆って雨や風を防いでいる。

しばら せんざいのかたみ
暫く千歳の記念とはなれり。

永劫の時の中では本当にわずかだが、千年程度は新しい屋根や囲いは保たれるだろう。


五月雨の降り残してや光堂
すべてを朽ちさせるさみだれの中で、この光堂だけは今もなお輝いている。あたかも五月雨が光堂の気高さに圧倒され、濡らさなかったかのように。


 

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