椿と似ている花「山茶花」とは?
椿は冬から春にかけての季節に咲く花で、ピンクや白といった映える色で咲くのが大きな特徴。山茶花(サザンカ)は、大変椿に似た花として知られています。
せっかく花を愛でるのであれば、画像を通してもそれぞれ花を見分けられるようにしたいものです。今回は椿とサザンカの見分け方を紹介していきます。
椿と山茶花ってどのくらい似ているの?
椿と山茶花は同じように色がピンクや白であったり、植物の分類でも両方ともツバキ科ツバキ属であったりするため、見分けがつきにくいことで知られています。
それに加えて、両方とも華やかで芳醇な香りを放つためなおさら似ています。その類似点の多さゆえ椿と山茶花や見分けがつきにくく、プロの園芸業者でも間違えるケースすらあると言われているのです。
山茶花とはどんな花?
山茶花は「サザンカ」という読み方をする花で、童謡の「たき火」の2番にも登場することで有名。民家の生垣に使われるケースも多く、古くから観賞用として育てられていました。
山茶花が歴史上初めて登場したのは室町時代のことで、江戸時代には品種改良まで行われました。17世紀後半になると、ドイツ人医師のケンペルが紹介したことにより国外にも伝えられるようになったのです。
椿と山茶花の違いはどこにあるの?
椿と山茶花は類似点が多いため、判別しにくいと言われている花。しかし両者は違いさえ押さえておけばきちんと見分けられます。
椿と山茶花を見分け方
椿と山茶花の見分け方のポイントとして、花の咲き方や散り方、葉の外見、開花時期の違いが挙げられます。まず咲き方ですが、椿の場合は中心にあるおしべやめしべを優しく包むようにカップ型に咲くのが特徴。これに対し、山茶花はおしべやめしべがあらわになるように完全に開いたように咲きます。
次に、散り方も両者の違いを見分ける際に大切なポイントです。椿の場合は花ごと落ちますが、山茶花の場合は花びらが落ちていきます。それゆえに、武士にとって首が落ちるイメージがあるとして、江戸時代まで椿は縁起が悪い花とされていました。
また、葉の外見や大きさも重要です。椿の葉の方が一回り大きいうえ、葉の中心を通る脈が透明で、裏に毛がありません。山茶花の方は中心を通る脈が黒っぽく、裏に毛があるのが特徴です。
最後に開花時期ですが、椿は12月から4月に咲くのに対し、山茶花は11月に咲きます。つまり山茶花は秋に、椿は冬から春に咲くというように、咲く季節の違いに注目するといいでしょう。
椿や山茶花を観察するときの注意点!
椿と山茶花はよく似ているので、判別のポイントを押さえて観察しないと判別しにくい花。ただどちらの種類も身近で咲いているため、毎日を楽しく過ごすうえでも両方の違いがわかるのはとても大切です。
原種であれば上記のような見分け方が使えますが、園芸品種の場合はより違いがわかりにくい場合もあるため注意が必要。たとえば、椿の園芸品種は原種と異なり花びらが散りますので、花ごと落ちる=椿だと思っていると山茶花と見分けがつかなくなってしまいます。この点も画像で花の特徴を見る際に一緒に押さえておくといいでしょう。
ちなみに椿に似た花の種類には、山茶花のほかにも牡丹が知られています。ただし、牡丹は椿と違って春から夏に花を咲かせる点や、葉が椿に比べると薄めである点が特徴的なので見分けやすいです。
椿と山茶花の見分け方と違いのまとめ
- 椿と山茶花は、ピンクや白の花をつける点や芳醇な香りを放つ点、学名が同じ点などがあるために非常に似通っている。山茶花は生垣でよく用いられる花で、童謡にも登場することで知られている。
- 椿と山茶花は、花の咲き方や散り方、葉の特徴、開花時期で見分けがつきやすい。
- 椿や山茶花を見分ける際は、園芸品種の場合は見分け方に注意が必要である。