椿の特徴とは?
椿の特徴とは、他の花が咲かない冬に綺麗な花を咲かせること。椿は日本を代表する花としても知られ、海外でも人気の高い庭木です。椿の木の歴史は古いですが、現在でも品種改良が盛んに行われています。
他にも以下のような特徴があります。
- 開花時期:1月から4月の間、もしくは11月から12月の間の冬に咲きます。
- 耐性:耐寒性、耐暑性、耐陰性に強いと言われています。
- 花の色:白やピンク、赤、褐色や混色などの種類があります。
- 樹の高さ:5~20Mほどです。
- ジャンル:庭木であり、常緑高木に分類されます。
花自体も有名な椿ですが、椿油も同じように人気があり、特に熟年層の女性に人気です。椿の木自体も木材として使われており、印鑑などの材料にも多用されています。今回は、椿の育て方のポイントなど解説します。
椿の上手な育て方で知っておきたい基本情報
椿の上手な育て方で知っておきたい基本情報として、まず苗の選定から始める必要があります。育て方をいくら頑張っても、最初の苗選びで失敗するとしっかりと育ちません。まずは良質な苗を選ぶことから始めましょう。
苗選びのポイントは、以下に記載しています。
椿の栽培に適した環境
椿の栽培に適した環境は、鉢植えタイプであっても、庭に植えるタイプであっても同じ。日当たりが良い所でも悪い所でも花を咲かせるのが椿の人気の秘密です。ただ、日当たりが良い所でも、西日が当たらない場所が望ましく、日陰でもなるべく明るい場所の方が栽培には適しています。
また冬の冷たい風が吹く場所での栽培は、蕾が落ちたり枯れたりする原因になります。冬に咲く花であっても、直接風に当たらない場所で栽培するのが育て方のポイントです。
椿の苗の選び方
椿の苗の選び方のポイントは、主に3つあります。
- 苗の品種名がラベルに書かれているか
- 苗の品種説明がラベルに記載されているか
- 開花時期がラベルに書かれているか
また、苗が黄色くなり枯れている場合は肥料が少ないこと原因であることも。蕾が多すぎるタイプの苗も選ばないのが賢明です。育て方を間違えないためにも、まずは苗をしっかりと選ぶことが大切です。
椿を上手に育てるポイントは?
椿を上手に育てるポイントは、前述もしましたが「栽培環境」「水やり」「肥料のやり方」「病気や害虫に気を付ける」「鉢植えの際の用土」「植え替えや植え付け」などがあります。以下に、育て方を詳しく解説していますので参考にしてください。
育て方のポイント1.水やり
水やりにおいては、鉢植えで育てる場合も、庭植えで育てる場合も、育て始めて2年未満の椿には沢山の水が必要です。特に開花時期に当たる期間は、花を咲かせるために水やりが欠かせません。
育て始めてから2年以上が経過した椿の花には、水やりの必要はありません。ただし、雨の量が足りなくなり土が乾燥している場合は、枯れる心配がありますので適度な水やりが必要となります。
育て方のポイント2.肥料
肥料の与え方には、鉢植えと庭植えとで違いがあります。
- 庭植えの場合の肥料の与え方: 有機質肥料を使い、寒肥として株の近くに与える必要があります。年二回の肥料が目安となります。
- 鉢植えの場合の肥料の与え方:三月になりましたら、化学肥料を追肥という形で与えます。もしすでに椿の花が咲いているようなら、花が咲き終わってから追肥するのがポイントです。
どちらにしても、アルカリ性が強い土の場合には、葉っぱの色が黄色く変色し生育を阻害されることもあります。その場合は生理的酸性肥料を使い、少し土自体の酸性度を上げることも大切です。市販されている培養土なども上手く使い、肥料の助けにしてあげましょう。
育て方のポイント3.病気や害虫の対策
病気や害虫の対策において、特に気を付けたい害虫に「チャドクガ」がいます。別名「兵隊虫」とも呼ばれますが、この虫が椿の木についてしまうと、葉っぱが黄色く変色し、枯れることもあります。チャドクガに触れてしまうと、手がかぶれることがありますので、絶対に手で触らないように注意して下さい。害虫退治の方法としては、スプレー式の殺虫剤を散布するのがおすすめです。
椿の木がかかりやすい病気には「花腐菌核病」や「すす病」などがあります。「花腐菌核病」では、花弁に斑点ができたり、病気にかかると地面に花や葉っぱが落ちたりすることもあります。 対策としては、水やりの際に花弁に直接水がかからないようにするといった工夫が必要です。
他にも、すす病にかかるとすす状のカビが発生し、光合成を阻害することもあります。植物の病気は育て方にも原因がありますので、水やりには特に注意して下さい。
椿の育て方の流れと時期
椿の育て方の流れと時期は、以下のような手順が必要です。
- 「種まき」
- 「植え付け」
- 「植え替え」
- 「株を増やす」
- 「椿の木の剪定」
- 「肥料を与える」
育て方の時期を守れば、開花時期には綺麗な花が咲くでしょう。
椿の種まき・肥料の散布の時期
椿の種まき・肥料の散布の時期ですが、まずは種まきに適した時期は9月から10月の間になります。花と一緒に落ちることで種があることが失念されがちですが、椿にもちゃんと種はあります。
また、土に落ちてしまった種は乾燥していますので、種は木になっている状態で採取するのが良いとされます。種から育てると株を沢山増やせるので、おすすめの育て方です。
肥料の散布の時期ですが、こちらは2月から3月の間が良いとされています。寒肥として与えますが、その後花が咲き終わってから、お礼肥という形で「緩効性肥料」などを与えます。
椿の植え付け植え替えの時期
椿の植え付け・植え替えの時期についてですが、まずは植え付けの時期をご紹介します。植え付けの時期は3月から4月の間が良いとされます。庭に植える場合も鉢に植える場合でも、土に肥料が必要です。植え付けのポイントは土の酸性度。弱酸性の土が椿に適していますので、綺麗に花を咲かせたいのでしたら、アルカリ性にならないように有機物質を使う必要があります。
植え替えの時期も、植え付けの時期と同じように3月から4月の間が適しています。まず鉢を傷めないように注意しながら、大き目の穴を掘りましょう。植え替えた後の鉢は、日陰に置いておき土を養生させてください。この時に少しだけ葉を落としておくようにすると、根がしっかりと張るようになります。
椿の剪定
椿の剪定の時期は、3月から4月の間です。剪定で枝を間引くことで、成長速度を速めることができます。また、木が高くなりすぎると後になって剪定が出来なくなることもありますので、頂点の部分の剪定も忘れずに行ってください。
剪定は木の形を揃えることや高さの調節などの他にも、花が落ちないようにするための方法でもあります。ただし、剪定をし過ぎてしまうと株が弱ってしまいますので、適度に剪定するようにしてください。
椿の増やし方と時期
椿の増やし方と時期は6月から7月の間が最適。椿を増やす時には、枝を挿し木する必要があります。一応時期は決まっていますが、室内で椿の木を育てている場合は、周年単位で挿し木も可能です。
- 育って間もない若い枝を、10cmから20cmほどに切り、大きな葉っぱは切り取ってしまいましょう。
- 鉢には、赤玉土を入れ、しっかりと給水させます。その後、枝を水揚げしてから挿すようにします。
- 鉢を丸ごとビニール袋で包み、空気穴をあけ、ちょうど良い湿度を保ちましょう。
挿し木の他にも「株分け」や「葉挿し」などの方法もあります。また、枝を切らないで増やす「とり木」など、増やし方の種類は沢山。なお、椿の育て方の中でも挿し木は基本のやり方なので、しっかりと覚えておきましょう。
椿の育て方のまとめ
- 椿の育て方は、時期が大切
- 椿の育て方の鉢植えと庭植えの違い
- 椿の育て方では、土の酸性度などが影響