カムイ外伝の主人公も抜け忍
白土三平のマンガ「カムイ外伝」は、抜け忍となった主人公が追っ手と戦いながら旅を続ける物語です。主人公のカムイは元々は非人の出身で、自由を求めて忍者を目指します。しかし忍者の世界独特の掟になじめず抜け忍となったのです。
なおこのマンガは1960年代に誕生したのですが、時代のためかかなり残虐なシーンが多く、大人向けの仕上がりになっています。
抜け忍への罰とは?
忍術書「万川集海」には、抜け忍に対する罰はあるようですが、どんな罰を科すかまでは記述がありません。抜け忍に対する罰の内容よりも、いかに抜け忍を出さないかに重点が置かれています。
忍者の組織は、古参、新兵合わせて5人を基本にくみ上げて15000人を一軍としていたようです。その「五人組の掟」は以下のようになっています。
五人組の掟は厳格に運用する。怪しい者を見たり怪しい事を聞いたりすると、些細なことでも絶対に報告することが第一の命令である。もし他の五人組が身内五人組の不審者を見つけたなら、身内五人組は一蓮托生で罪科とする。
厨二くん
5人のうち1人でも裏切り者が出れば、全員処罰される。忍びの道はなかなか厳しいぜ……。
裏切りを密告してきた者には褒美を出し、とにかく裏切り者を出さないようにすること、裏切りの兆候は早く見つけて摘み取ることを徹底していたようです。
抜け忍は実在した?抜け忍の例・逸話
忍者に関する情報はとにかく少なく、なかなか実態を知ることはできません。なぜなら優秀な忍者ほど、情報を一切残さないからです。万川集海の中にも、「知られた達人は中吉の忍で、あまり良くない」と書かれています。
そんな中でも抜け忍ではないかと言われている人物に石川五右衛門がいます。彼は安土桃山時代の盗賊で、最後は豊臣秀吉に捕らえられて家族もろとも京都三条河原で処刑されます。
石川五右衛門は、かつてはその存在さえ疑われていましたが、イエズス会宣教師の日記に五右衛門に関する記述が見つかったことから、実在していると考えられています。
まとめ
忍者は未だ謎に包まれている部分が多いのですが、忍者の裏切り行為に対して、いかに目を光らせていたのがうかがえます。
忍者の一生は、主君に捧げようとも裏切ろうとも、なかなか過酷なものだったことは確かなようです。
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