若手社員
ガネーシャ
全然ちがーう!! これは仏教の僧侶が使う隠語じゃ。では「般若湯」について教えてあげるから、しっかり聞いておくのじゃぞ。
「般若湯」とは?
「般若湯」は「はんにゃとう」と読み、僧侶の間で使われる隠語で「お酒」(日本酒)のことを指します。
「般若」と聞くと仏教の経典『般若心経』や恐ろしい鬼のお面を思い浮かべる方が多いかも知れませんが、「般若湯」の「般若」は、鬼とは全く違う意味を表しています。
「般若」の意味
「般若」には2つの意味があります。
1つ目は、「女の鬼」という意味です。伝統芸能である能で用いられる般若のお面は「般若面」といい、憤慨や嫉妬などを表現しており、見た目も恐ろしいお面です。
若手社員
般若って、ただ「鬼」のことだと思っていたけど「女の鬼」だったんですね! よけいに怖くなりました。
「般若」の2つ目の意味は、「智慧(ちえ)・叡智(えいち)」です。
「知恵」という言葉と読みは同じですが「智慧」は仏教の教えのもとで修行を積んで煩悩を消し去り、悟りを開く働きを示しています。「叡智」は深く優れた知恵という意味です。
「般若湯」の「般若」はこちらの意味になります。
「般若湯」と仏教の五戒
「般若湯」を語る上で欠かせないのは「五戒」です。「五戒」とは、「仏教徒が守るべき5つの戒め」のことを指します。
仏教の五戒
- 不殺生戒(ふせっしょうかい)
「生き物を殺してはならない」 - 不偸盗戒(ふちゅうとうかい)
「盗みをはたらいてはいけない」 - 不邪淫戒(ふかいんかい)
「不貞行為を行ってはいけない」 - 不妄語戒(ふもうごかい)
「嘘をついてはいけない」 - 不飲酒戒(ふおんじゅかい)
「酒を飲んではならない」
ガネーシャ
ここで、注目して欲しいのは5つ目の不飲酒戒じゃ。
「不飲酒戒」では、お酒を飲んではならないとありますが、これは飲酒そのものを禁じているのではなく、飲酒によって、前の4つの戒めを守れなくなるという理由で定められました。
様々な仏典の中でも飲酒を厳しく禁じている記述が見られます。
ガネーシャ
飲酒によって興奮状態になってしまうと、修行にも身が入らなくなりそうじゃな。
若手社員
僧侶じゃなくても、勤務中にお酒なんて飲んでいたら仕事にならないですよね。
「般若湯」って何っすか? 何だか怖そうな…鬼の温泉とか!?