梵天（ぼんてん）の意味についてご紹介！梵天とは何？

梵天とは、古代インドのバラモン教における最高神の事です。読み方は「ぼんてん」です。
インド哲学・ヒンドゥー教における宇宙の根源であるブラフマン（ブラフマー）を神格化したものです。ブラフマンとは、サンスクリットで「力」を意味します。

梵天は、天界に住む仏教の守護神（天部）です。
天部には、吉祥天・弁財天・鬼子母神などの神々が存在しますが、梵天は特に帝釈天と一緒に祀られることが多く、天部の中で最高位の存在です。天部は、天上界のことで、仏教世界の中心である須弥山の頂上にあります。梵天の隣には帝釈天が存在し、その下に四天王・夜叉神・二竜王が住んでいます。

また、宇宙の守護神ヴィシュヌ・破壊神シヴァと共にトリムルティ（三神一体）の一柱でもあります。

仏教では、仏法の守護神として「梵釈」と称され、釈迦の悟りの内容を万人に伝えるように諭したのが梵天だと言われています。また、釈迦の最後の日（入滅）には、釈迦を迎えに来た守護神です。目立つ神様ではなく、釈迦を陰からサポートした存在です。

ちなみに、サンスクリット語は漢字表記は「梵語」であり、この「梵」は梵天に由来するとされています。

天部の最高神・梵天ですが、どのようなご利益があるのでしょうか？

一般的には…

・仏や仏法の守護
・国家鎮護
・立身出世

とされています。

なお、梵天の真言（マントラ）は、
「ナウマク・サマンダ・ボダナン・ボラカンマネイ・ソワカ」となり、ご利益を願って唱えると一層の効果が期待できます。
また、梵天は心を安定させ、静寂の中に導いてくれる存在なので、瞑想や禅を組む際に梵天を思い出すと良いですね。

万物の根源である梵天ですが、梵天の仏像を作る時は、セットで帝釈天も作られてきました。
梵天と帝釈天の関係とは、いかなるものなのでしょうか？

梵天と帝釈天は、どちらも天界に住む天部のメンバーです。
帝釈天とは、ヒンドゥー教の神である強力な英雄神インドラが、仏教に取り込まれたもので、仏教の守護神、十二天の一つです。有名な映画「男はつらいよ」でも、寅さんの口上の中に「私、生まれも育ちも葛飾柴又です。帝釈天で産湯を使い～」とありますね。

帝釈天は、釈迦の修業時代から梵天と一緒にいて、悟りを開くことをサポートしました。そして、釈迦が悟りを開いたときに、教えを万人に広めた時に梵天と一緒にいたので、セットにされています。また、梵天と共に仏法を守る役割を担っています。
 

国土安穏や立身出世のご利益がある梵天ですが、どこに行ったら梵天像を見ることができるのでしょうか？

梵天像が見られる有名寺院

• 奈良県、東大寺法華堂 http://www.todaiji.or.jp/contents/guidance/guidance5.html
• 奈良県、唐招提寺金堂 http://www.toshodaiji.jp/about_kondoh.html
• 奈良県、法隆寺旧食堂 https://xn----kx8a55x5zdu8lppiv89e.jinja-tera-gosyuin-meguri.com/category/%E6%B3%95%E9%9A%86%E5%AF%BA%EF%BC%88%E6%97%A7%E9%A3%9F%E5%A0%82%E3%83%BB%E5%A4%A7%E5%AE%9D%E8%94%B5%E9%99%A2%EF%BC%89%E3%83%BB%E3%80%8C%E6%A2%B5%E5%A4%A9%E5%83%8F%E3%83%BB%E5%B8%9D%E9%87%88%E5%A4%A9
• 京都府、東寺講堂 http://toji.or.jp/guide/kodo/

世界的に有名な梵天ですが、英語で何というのでしょうか？
梵天は英語で「Brahma-Deva」となり、読み方は「ブラフマーディーヴァ」です。
もしくは「Brahma」、読み方は「ブラフマー」となります。
単に「Brahman」、読み方は「ブラフマン」とされることもあります。