時候の挨拶とは?
時候の挨拶とは、四季折々それぞれの季節に沿って作られた挨拶で、挨拶文、お礼状、招待状やビジネス文の文頭や文末に置かれます。今回は2月の季語を用いて時候の挨拶をみていきます。
季語は、春夏秋冬と大まかに別れているわけではなく、各月、さらにはその月の上旬・中旬・下旬でも使われる季語が異なります。2月の季語だけでも沢山ありますが、ここではよく活用できるものに絞ってご紹介します。
季節を表わす言葉や季語を使う
季節を表わす言葉や季語を使う表現を実際に見ていきましょう。
2月の季語には、「春は近いけれども、まだ寒さに耐える時期」と表現するものが多いです。
例えば
- 「寒さの一番厳しい時期、春の便りが待ち遠しいですね。」
2月の季語を活用し、手紙、招待状、お礼状、または俳句を手紙に添えることで、読み手にも季節の移り変わりを感じることができます。
俳句でも使われる2月の季語
俳句でも使われる2月の季語、特に春の訪れを待ち遠しく思う表現には、
- 「春寒(しゅんかん)」
- 「遅春(ちしゅん)」
- 「春隣(はるとなり)」
- 「初春(しょしゅん)」
他にも植物や動物の季語には
- 「梅」
- 「ミモザ」
- 「白魚」
- 「鶯笛」
2月の手紙で書き出しに使える季語と例文
2月の手紙で書き出しに使える季語と例文をご紹介します。
- 2月上旬は「晩冬(ばんとう)」
- 2月中旬は「立春」「春寒(しゅんかん)」
- 2月下旬以降は「向春(こうしゅん)」「余寒(よかん)」
こう見ても、やはり2月の季語は春の訪れを予感するものが多くあります。
2月の季語を使った書き出し例文
2月の季語を使った書き出し例文をご紹介します。
- 「立春とは名のみの寒さ、皆さんお変わりはございませんでしょうか。」
- 「余寒厳しき折から、いかがお過ごしでしょうか。」
ビジネスなどでも使える2月の時候の挨拶(漢語調)
ビジネスなどでも使える2月の時候の挨拶(漢語調)では俳句のような文は不要です。しかし季語の後に
- 「の候(こう)」
- 「のみぎり」
- 「の折(おり)」
2月全般で使える書き出し
2月全般で使える書き出しの代表といえば「向春(こうしゅん)」です。
例文はこちらです。
- 「向春の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。」
2月初旬から中旬の書き出し
2月初旬から中旬の枕詞に使える季語は
- 「晩冬(ばんとう)」
- 「立春」
- 「春寒(しゅんかん)」
「晩冬」は冬の終わり、「春寒」は未だ残る寒さを意味し、どちらも冬と春の間の時期である2月中旬頃を表現しています。先述の通り、2月の旬な季語に定型文を加えれば完成です。
例文はこちらです。
- 「春寒のみぎり、平素は一方ならぬご厚情を賜り誠にありがとうございます。」
2月中旬・下旬・3月全般で使える書き出し
2月中旬・下旬・3月全般で使える書き出し季語には、先の「向春」だけでなく、「梅花(ばいか)」や「早春」のように、より一層春が近づいてきたことをあらわす季語が使われます。
例文はこちらです。
- 「梅花の折、日頃は格別のお引き立てを頂き感謝いたしております。」
【シーン別】2月の時候の挨拶例文
シーン別2月の時候の挨拶例文を見ていきましょう。
ここでは、ビジネス、お礼状、招待状、とシーン別で使える、2月の季語を使った時候の挨拶例文をご紹介していきます。
2月は寒いというイメージがあるかもしれませんが、季語を使うことで春の訪れをグッと感じられるようになります。
ビジネスの挨拶例文
ビジネスの挨拶例文は先にも何点かご紹介していますが、2月の季語を使ったビジネスの挨拶例文をご紹介します。
ビジネス文では、2月の季語の次に「の候」「のみぎり」「の折」、そして後にビジネス文の文頭でよく使われる定型文を記載するだけなので、最も時候の挨拶が作りやすい印象を持たれる方も多いのではないでしょうか。
例えば、
- 「拝啓 立春の折、貴社ますますご隆盛(りゅうせい)のこととお慶び申し上げます。」
お礼状の挨拶例文
お礼状の挨拶例文に2月の季語を使ったお礼状をご紹介します。
お礼状では、2月の季語を使った時候の挨拶に加えて、安否のご挨拶やお尋ねを足すのが一般的です。
例えば、
- 「春寒ややゆるみ、貴殿にはご健康でお過ごしとのこと、心より御喜び申し上げます。」
招待状の挨拶例文
招待状の挨拶例文に2月の季語を使用した招待状をご紹介します。
例えば
- 「拝啓 まだまだ厳しい寒さが続きそうですが、貴殿におかれましてはお健やかにお過ごしとのこと存じます。」
この他に、ビジネス文の時と同様、2月の季語に「の候」等を続けるだけでも問題ございません。また加えて、安否を尋ねる文を添えます。
例えば、
- 「拝啓 余寒の候、〇〇様にはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。」
2月の季語と時候の挨拶文例のまとめ
- 季語の後に「の候」「のみぎり」「の折(おり)」を加えるだけでも良いです。
- 2月の季語は上旬と下旬で、春がより訪れたことの違いを表せます。
- 2月はまだ寒いので、枕詞の後に安否を尋ねる文を加えるとより良いです。
時候の挨拶は、日本の美しい文化の一つです。