時候の挨拶とは?
「時候の挨拶」とは、四季の変化や風物を織り込んだ「季節の挨拶」のことです。手紙を書くとき、「前略」「拝啓」などの頭語(とうご)の後にくるのが「時候の挨拶」で、天候や風物詩など季節を表す言葉を用いた挨拶文のことです。手紙を時候の挨拶で始めるのは、四季折々の季節感を大切にする日本人ならではの書信の文化と言えるでしょう。
近年、メールの普及などで手紙を書く機会は減ってきましたが、ビジネスの場やフォーマルなシーンにおいて手紙は今でも大切な通信手段です。
社会人の教養の一つとして、正しい「時候の挨拶」の書き方を覚えておくと必ず役に立ちます。
時候の挨拶でも使える季語一覧
ここでは時候の挨拶として使える季語の一覧と、季語を用いた用例をご紹介します。ビジネス以外でも、さまざまなシーンで手紙を書く際に活用できますので参考になさってください。
1月の季語
【季語】
・時候……大寒・寒の入り・冬深し・寒土用・厳寒
・天文……八日吹き・氷晶・樹氷
・動植物…寒すずめ・白鳥・水仙・葉牡丹
・その他…雪見・雪山・氷柱
【用例】
・新春の候
・厳冬の候
・寒冷の候
・大寒の折、貴社ますますご繁栄のことと心からお慶び申し上げます。
2月の季語
【季語】
・時候……立春・初春・早春・針供養
・天文……雪解け・残雪・余寒
・動植物…ワカサギ・サヨリ・紅梅
・その他…春を待つ・豆まき・節分
【用例】
・立春の候
・春寒の候
・梅花の候
・向春のみぎり、日頃は格別のお引き立てを頂き感謝いたしております。
3月の季語
【季語】
・時候……春分・陽春・桃の節句・雛祭り・菱餅
・天文……春の雨・春めく・伊勢参り
・動植物…蜆・若鮎・彼岸桜・牡丹の芽・鰆
・その他…卒業・お彼岸・弥生
【用例】
・萌芽の候
・春分の候
・春寒の季節
・早春の候、いかがお過ごしでしょうか。