風神雷神とは?
風神雷神とは風を司る神と雷や水を司る神であり、風神の名前を日本書紀ではシナトベノミコト、雷神の名前をホノイカヅチノオオカミといい、雷神は雨乞いの神や稲作の神ともいわれています。
「風神雷神」は、日本神話において、風と雷を司る神々を指します。
風を司る神は「フツボシ」または「カミ」と呼ばれ、風を起こして天気を変えたり、空を舞い上がったりする力を持っています。
一方、雷を司る神は「イツキ」または「ラジャ」と呼ばれ、雷を引き起こして破壊力をもった力を持っています。このように、「風神雷神」は、自然界の2つの重要な力を指し、それらを統制する力を持った神々を意味します。
風神は風の神や風伯ともいい、古事記ではシナツヒコノカミとも呼びます。
また雷神は雷様や鳴神、雷公などともいい、別の名前をヤクサイカヅチノカミやイカヅチノカミなどと呼びます。
今回は風神雷神の意味や由来、ご利益や風神雷神像を実際に見る際にオススメの京都府にある三十三間堂、風神雷神を英語で言った場合などをご紹介します。画像を参考に知識を深めてください。
風神が意味するものとは?
風神雷神の風神であるシナトベノミコトが意味するものとは何でしょうか。
風神はイザナギとイザナミの間に誕生した神様で名前をシナトベノミコトといいます。
風袋を持ち、これにより雨や風を起こすといわれ、農業の守護神とされています。
台風などの大きな自然災害が起きないようにという意味で現代では風祭りを行うなどして、風神であるシナトベノミコトを祀る神社などが存在しています。
古事記ではイザナミが朝霧に向かって吹いた息からシナトベノミコト別の名をシナツヒコと呼ぶ風の神が誕生したと記述があります。
また日本書紀ではシナトベノミコトは女神であるとされ、シナツヒコの妻や姉とされることもあります。
雷神が意味するものとは?
風神雷神の雷神であるホノイカヅチノオオカミが意味するものとは何でしょうか。
雷神はイザナミの身体から出現したものであると言い伝えられています。
イザナミは火の神であるヒノヤギハヤヲノカミを出産したことによって亡くなり、死後、黄泉国(よみのくに)でイザナミの身体8か所から出現した神々をまとめて雷神といい、名前をホノイカヅチノオオカミと呼びます。
身体8か所の神々にはそれぞれに名前があります。画像を参考にどうぞ。
頭:マサカヤマツミ、胸:オドヤマツミ、腹:オクヤマツミ、陰部:クラヤマツミ、左手:シギヤマツミ、右手:ハヤマツミ、左足:ハラヤマツミ、右足:トヤマツミ
雷や水災害が起こらないように祈ることや、農作物の豊かな収穫を意味して雷神を祀る神社も多く、社名に雷神と入っているところもあります。
風神雷神のご利益は?
風神雷神とは風神のシナトベノミコトから「風邪を引く」や雷神のホノイカヅチノオオカミから「雷にへそを取られる」などと怖い言い伝えもあり、嫌な印象を受ける方もいるのではないでしょうか。
初めは悪神ともいわれていた風神雷神ですが、実は多くのご利益が受けられる神として知られており、様々な神社などで祀られています。
そのご利益の代表的なものを5つご紹介します。
風神雷神に由来するもの
風神雷神は風神を風や雨、雷神を稲光や雷鳴の自然現象を神格化したことが由来です。
そこから江戸時代初期の画家である俵屋宗達著「風神雷神図」を書いたことが有名で、風袋から風をもたらす風神のお姿や太鼓をたたいて稲光と雷鳴をならす雷神のお姿はとても迫力あるものです。
画像に見るこの俵屋宗達著「風神雷神図」では雷神が鬼のような顔立ちや格好で、虎の皮でできたふんどしを締め、牛の角と太鼓を持っています。
方角を表す際に12干支が用いられますが、この丑寅の位置が鬼門と呼ばれることに由来しているといわれています。
世界にも風神雷神を由来する像や図が存在しており、2世紀に出来たギリシャの風神像や7世紀に出来た中国の風神の石窟像、ローマ神話のユーピテル像や北欧神話のトールの図なども有名です。