着物ちゃん
神主さん
「おみくじ」を引くのは、運で決まる「くじの結果」の中に神様の意思が現れると神道では考えられていたからです。
「おみくじ」とは?
おみくじとは、運気の吉凶禍福を神様の意思(神意)によって知るための卜術(うらない)のことです。
現在は、神社仏閣などで自分自身の運気を見るために引く運勢占いをおみくじと呼んでいます。気軽に占えて安価ということもあり、「凶が出たからもう一回引きたい」などとついつい考えてしまいがちです。
昨今おみくじの種類や行い方はいろいろありますが、昔はいくつもの選択項目などを紙に書き、神前で御祈願をした後にその中から1枚を選択して答えを導き出していました。
おみくじの由来は?
おみくじはお神籤(神社)、お仏籤(お寺)、御神籤、御神鬮など、様々な漢字が当てられていますが、一般的に使われているのは御神籤かお御籤になります。
その昔、位の高い方々は物事を決める際に「神様の御心を伺いたい」「重要な事柄を公平に決めたい」という願いを持っていました。とくに政治(まつりごと)などの重大な決定事項があるときに神聖なものとして行われていたのがこの籤(くじ)で、現在のおみくじの起源と言われています。
平安時代には比叡山の良源(りょうげん)上人がそれまでの籤から運気を占う「おみくじ」の形に発展させたとされ、鎌倉時代になるとおみくじで個人の吉凶を占うようになりました。しかし現在、神社などで行われているような「おみくじ」が全国に広まったのはずっと後のことです。
神社などで見られる一般的なおみくじは、くじを選ぶと運勢が書かれた御籤(神籤)箋(みくじせん)と呼ばれるものを授与されます。現在この御籤箋は、神社で独自に作られているものもありますが、約7割を山口県周南市にある「女子道社」という会社が製作しているそうです。「女子道社」は二所山田神社によって女性の自立のために設立された会社で、明治時代にはおみくじの自動領布機(自動販売機)も開発しました。このおみくじ販売機は現在も全国の神社などに置かれています。
着物ちゃん
昔は大切なことは神様にご祈願してから「くじ」で決定していたのね。
神主さん
おみくじの引き方ですが、参拝した後に引くのが良いとされています。理由は神様からの神意を問い、そして知ることができるからです。
おみくじは何回引いてもいい?
着物ちゃん
おみくじを引いたのだけど、なんと凶! もう一回引き直していいですか?
神主さん
おみくじを何回も引くのは基本的に良くない行為です。おみくじを引くのは神様の神意を知りアドバイスを頂くことですから、続けて何度もおみくじを引くのは神様からのメッセージを信じていないことになります。
おみくじで凶や大凶を引いてしまう場合もありますが「縁起が悪い」「もう一回」「仕切り直し」とばかりに、再度おみくじを引くのは、神様からのメッセージを信用していないとも取れる失礼な行為でしょう。
ではそんな時はどうしたら良いのか、説明していきます。
別の神社で引いたり、違うお願いについて引きなおすのはアリ!?
実は願い事が異なる場合は何回おみくじを引いてもOKなのです。おみくじを引くときには何をお願いしたいかを具体的に絞り込んでおきましょう。もし、おみくじを引いて凶が出たとしても、違う願い事であれば再度おみくじを引くことができます。
もし、おみくじで凶や大凶を引いてしまったとしても、別の願い事であればもう一回引いても大丈夫です。ただ本来は、
・別の神社に行っておみくじを引く
・日にちを改めておみくじを引く
方が良いとされています。
とかく人はおみくじの吉凶に一喜一憂してしまいがちですが、大切なのは自分が引いたおみくじの内容を細部まで丁寧に読むことです。そこには神様からのメッセージが込められていて、困難に打ち勝つための対処法が散りばめられています。大吉であっても奢ることのないように、そして凶であっても誠実・慎重であれば神様からのご加護があることを肝に銘じてください。
現在おみくじには様々な形態のものがありますが、見た目が楽しい物はそれだけで嬉しい気持ちになれそうです。
そもそもどうして「おみくじ」を引くようになったのかしら?