消費者心理をモデル化した「AIDMA(アイドマ)の法則」
商品のマーケティングに欠かせない「AIDMA(アイドマ)の法則」とは、消費者が商品を知り、購入するまでの一連の流れを示した購買行動モデルのいことを意味しています。
このAIDMA(アイドマ)の法則は消費者の心理を5つの要素に分けています。
・Attention(注意)
・Interest(関心)
・Desire(欲求)
・Memory(記憶)
・Action(行動)
商品を販売する戦略に必要不可欠な法則です。
提唱されたのはなんと95年前!
このAIDMA(アイドマ)の法則は1924年に提唱されており、アメリカのサミュエル・ローランド・ホールが考案しました。
サミュエル・ローランド・ホールは実務書を数多く執筆した人です。
そしてホール氏は『Retail Advertising and Selling』という実務書の中でAIDMAの法則を公表しています。それ以来、この手法は広告、販売の世界で広く取り入れられるようになりました。
「AIDMA(アイドマ)の法則」を構成する5つの要素
先ほどご紹介したAIDMA(アイドマ)の法則を構成する「Attention(注意)」、「Interest(関心)」、「Desire(欲求)」「Memory(記憶)」、「Action(行動)」の5つの要素についてご紹介します。
Attention(注意)
Attention(注意)とは消費者に商品を認知してもらうことを意味しています。
消費者に購入してもらうためには、まず商品の存在を知ってもらう必要があります。そのため、商品のテレビCMや広告などで積極的に宣伝していき認知につなげます。
このAttention(注意)という段階はマーケティングにおいて最も大切な部分です。
具体例
数多くの商品の中から自社の商品を消費者に知ってもらうためにテレビCMや広告など商品をアピールする必要があります。
例えば、バレンタインデーに打ち出されたブラックサンダーのキャッチコピー「一目で義理とわかるチョコ」は消費者に衝撃を与え、多くの人に商品を知ってもらうきっかけになりました。
Interest(興味)
Interest(興味)とは消費者に商品への興味を持ってもらうことを指しています。
Attention(注意)で、商品の存在を消費者に認識させても、興味を持ってもらわなくては購入にはつながりません。そのため、消費者が興味を持つような内容を簡潔にアピールすることが大切になります。
具体例
商品の存在を知って貰ったら、興味を引くセールスコピーが大切です。
例えば、「日本初上陸」や「業界初」、「期間限定」、「コラボ商品」などつい手に取りたくなるようなものを示しています。
Desire(欲求)
Desire(欲求)は消費者に商品を欲しいと思わせることを意味しています。
消費者に興味を持たせたとしても、消費者にその商品を欲しいと感じさせなくては購入にはつながりません。
そのため、購入に至らない理由を把握し、購入しない原因、例えば「興味はあるけど使いどころが分からない」や「値段が高い気がする」などと言った消費者の声を聞き、不安を取り除くマーケティングが必要です。
具体例
購入欲求を刺激するようなメリットを紹介していきます。
例えば、「新商品○○は最軽量で持ち運び楽々の掃除器であり、消費電力も少なく年間○○円節約することが可能です」など具体的にメリットを示します。
Memory(記憶)
Memory(記憶)とは消費者の記憶を呼び覚まし購入へと後押しをすることを意味しています。
日々新しい商品が発売されており、消費者の興味の移り変わりも激しくなっています。そのため、もう一度消費者に商品を思い出させ、欲しいという記憶を呼び覚ますことが重要です。
具体例
商品を記憶に留めるためには強く印象付けることが大切です。
「ビタミン○○mg配合」や「殺菌効果99.9%」など分かりやすく数字にして表現したり、実際に使ったユーザーの声を広告に乗せることで記憶にも残りやすくなります。
Action(行動)
Action(行動)とは消費者が実際に購入することを意味しています。
AIDMA(アイドマ)の最終段階であるAction(行動)は消費者がすでに商品を購入する意思を持っています。そのため、消費者にどこで買うことが出来るのかや販売店舗など、購入する道筋を明確にすることが重要です。
この道筋が明確になっていない場合、今までのマーケティングが無駄になってしまいます。
具体例
購入させる後押しとして、「特別価格で販売中」や「キャンペーン実施中」などこの機会を逃したら損をしてしまうと訴えかけるマーケティング手法です。
AIDMA(アイドマ)からAISAS(アイサス)へ
近年ではインターネットが普及してきたことにより、消費者の購買行動に変化がみられるようになりました。
そのため、登場したのがAISAS(アイサス)の法則です。
このAISAS(アイサス)の法則はAIDMA(アイドマ)の法則と比べ、インターネットを使用する消費者の行動プロセスが入っているのが特徴です。
インターネット時代を象徴する「検索」と「共有」
インターネットの普及に合わせ、AIDMA(アイドマ)の法則にはなかった「検索」と「共有」が存在します。
・Attention(注意)
・Interest(関心)
・Search(検索)
・Action(行動)
・Share(共有)
AIDMA(アイドマ)の法則は一般的な消費行動を示しており、AISAS(アイサス)の法則は、インターネットが普及した後の消費行動を示しています。
特に、AIDMA(アイドマ)の法則と大きく違うSearch(検索)→Action(行動)→Share(共有)の流れは、インターネット上で情報を集めたり、SNS上で商品の情報を共有したりなどの消費者行動を参考に構成されています。
AIDMA(アイドマ)の法則はもう古い?
95年前に誕生したAIDMA(アイドマ)の法則、AIDMA理論ですが社会の変化により、消費者の行動が徐々変わってきています。
そのため、新しい行動分析手法が生まれており、マーケティング方法が変化してきています。
ですが、マーケティングの根底にはAIDMA(アイドマ)の法則があり、AIDMA理論を基本として今でも使われています。
商品のターゲットはどの年代なのかどんな人を対象にしているのかをはっきりさせ、適切なマーケティング方法を選択していきましょう。