「メサイアコンプレックス」とは?救世主妄想と呼ばれる心理の特徴や問題点を紹介

「メサイアコンプレックス」とは?救世主妄想と呼ばれる心理の特徴や問題点を紹介

メサイアコンプレックス(救世主妄想)とは、行っている手助けが困っている人のためではなく自分の感謝されたい欲求を満足するための行動となっている人やその心理を指します。悪意なき偽善者ともいえるメサイアコンプレックスの特徴や問題点について解説します。

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  1. 1メサイアコンプレックス(救世主妄想)とは?
  2. 1.1メサイアコンプレックスに陥る原因
  3. 2メサイアコンプレックスの特徴
  4. 2.1親切の押し売りに対して感謝を求める
  5. 2.2「誰かに必要とされる」ことが生きがいになっている
  6. 2.3相手を選んで助ける
  7. 3メサイアコンプレックスの問題点とは
  8. 3.1表面的には気がつきにくい
  9. 3.2共存関係を構築しようとする
  10. 3.3相手と共倒れになる危険性がある
  11. 4メサイアコンプレックスのまとめ
情熱系社員

情熱系社員

私、新人社員が困っていると手助けせずにはいられないの! 同僚が困っていても見逃すことができないし…。人のために行動するのが私の趣味みたいなものだから仕方がないわよね!!
 

金丸さん

金丸さん

皆から頼られる存在って素晴らしいと思うよ。だけど、その行為の裏で実際は何を期待しているのかな? 皆が感謝を述べなくても、君は手助けし続けるだろうか? 純粋に人助けが好きなのか、感謝の言葉が欲しいのか、そこがメサイアコンプレックスかどうかの見極めのポイントかも…。

メサイアコンプレックス(救世主妄想)とは?

メサイアコンプレックス(救世主妄想)とは?
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「メサイアコンプレックス」とは、世の中の困っている人を助けそれがあたかも自分の使命と思い込んでいる人、周囲から感謝という見返りを期待する人、つまり人助けが自分の満足を満たす目的となっている人やその心理を指します。

メサイアは救世主(メシア)を意味するので、救世主妄想や救世主症候群と呼ばれることもあります。

世の中には、多少なりとも人の力になりたいと考える人は多いものです。人のために行動することが全てメサイアコンプレックスに当たるかというと、そうではありません。人に感謝されて嬉しくない人はいませんし、周囲に気づかれないように人が喜ぶ行動を行える人は尊敬に値する人といえるでしょう。

メサイアコンプレックスに陥った人にとって、周囲に気づかれない善行は行っても意味がありません。その反面、周囲から必要とされていると感じると、自分を犠牲にしてまで困っている人のために尽くそうとします。メサイアコンプレックスは一見良い行いに見えますが、ときには相手を傷つけ自分も犠牲になる場合があるので注意が必要です。

メサイアコンプレックスに陥る原因

メサイアコンプレックスに陥る原因
フリー写真素材ぱくたそ

メサイアコンプレックスに陥りやすい人の性格や特徴を見てみましょう。

  • 強い劣等感がある人…人から感謝されることで社会から受け入れられていると感じます。
  • 幼児期に虐待を受けた経験がある人…人に認められることで自分の存在価値を見出そうとします。
  • 自分の存在意義を人助けに見出している人…自分の価値は人助けにあるとして、自分が犠牲になってまでも人助けをしようとします。
  • 優越願望が強い人…人助けの行為を受ける人に対し上から目線で優越感を感じます。
  • 「慈善活動を行う自分は幸福である」という考えにとらわれている人…不幸な環境に目をつむりひたすら慈善活動にのめり込みます。ときには家族を犠牲にすることもあります。

金丸さん

金丸さん

実は劣等感が大きい人ほど、メサイアコンプレックスになる傾向にあるんだ。。。

メサイアコンプレックスの特徴

メサイアコンプレックスの特徴
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メサイアコンプレックスに陥った人の特徴は、手助けを必要としている人に合わせた行為ではなく「善い行いをしている」という自負を背景に独りよがりの行動をとることです。そこから見えてくるメサイアコンプレックスの心理を見てみましょう。

親切の押し売りに対して感謝を求める

親切の押し売りに対して感謝を求める
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メサイアコンプレックスの人は、手助けをしてあげた相手から感謝されることは当然だと考えます。そのため、手助けをした相手が感謝の気持を言葉や態度に表さない場合は、してあげたことを言葉に出して羅列し感謝の言動を要求することがあります。

メサイアコンプレックスの人は自分の価値観で動くので、必ずしも相手のためになる行動をとるとは限りません。手助けされる人にとってはありがた迷惑の場合もあるのですが、良い行いをしているという考えに揺るぎがないため親切の押し売り行動となることもあります。

「誰かに必要とされる」ことが生きがいになっている

「誰かに必要とされる」ことが生きがいになっている
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メサイアコンプレックスの人は、誰かに必要とされ認められることが生きがいとなっている人が多いです。そのため、人が困っているのを見るとすぐに行動します。そこだけを取り上げると、とても善意の人に見えます。

しかし、手助けをすることがなくなると相手のあら探しをして、困っている認識を持たせようとすることがあります。または、自分から困らせる行動を取りその手助けをかってでたりします。たとえば、告げ口をして仲違いをさせその後自分が仲裁に入るといった具合です。

相手を選んで助ける

相手を選んで助ける
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メサイアコンプレックスの人は、助ける相手を無意識に選びわけている場合があります。自分の善行が相手に受け入れられることが前提なので、人の善意を受け入れやすい人や反発しない人を選んで助ける傾向にあります。

また、プライドが高く時期が来れば自分の元から去っていく人ではなく、自分が常に優位な立場であり続けられる相手に絞って手助けします。表面的には善意の姿勢で近寄るため、手助けを受ける人は心の底に隠れている支配欲を感じにくいでしょう。人によっては欲望が潜在意識の中に隠れており、自分がメサイアコンプレックスであることを気が付かずに行動している場合もあるようです。

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メサイアコンプレックスの問題点とは

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