世界の基本的な意味
22枚の大アルカナには、私たちが人生の中で影響を受けるであろう、さまざまな事柄の象徴が描かれています。
大アルカナ第21番目に位置するカードが世界のカードです。
世界のカード(The World:ワールド)は、「万物が調和した完全無欠の世界」を象徴しており、「自分を貫くことによってもたらされる成功は、何の障害もなく最良の状態で成し遂げられる」ということを意味しています。そして、一つの到達点が次なる高みに向かっていくように、一度完成したものは再び無へと戻り、また始めから創り上げられていくのです。そうして「世界」は繰り返され循環していくことを示しています。
リーディングのキーワード
大アルカナ第21番目の世界のカード(ワールド)は、すべてがバランスよく調和されている様子をイメージさせることから、
- 完成
- 達成
- 実現
- 到達
- 完璧
関連した数字
大アルカナに含まれる世界のカード(ワールド)は数字の「21」で表されます。
数字の21は、「実力と幸運を兼ね備えた数字」あるいは「2+1=3で万物の母、創造」、「3×7=21で完全を表す数字」などの意味があると考えられています。また、旧約聖書の知恵の書の7章では、知恵の特性として21のことがあげています。
これらのことから、21という数字は完結された数字とも見ることができます。
世界の寓意画について
世界のカード(ワールド)の絵には、天空に舞う人物を取り囲むようにリースが描かれています。リースの結び目は無限を意味する記号(∞)になっています。この切れ目のない輪は、完全性や完璧さを象徴しています。
四隅には四大元素を象徴する「ライオン=火・牛=大地・鷲=水・天使=風」が配置され、中心にいる人物を見守るように描かれています。この中心人物は、女性説、男性説、両性具有説とさまざまに解釈されています。
女性説では、タロット発祥とされている中世の時代から現代にいたるまで多くのタロットで採用されており、運命の女神(フォルトゥーナ)であるとも言われています。
男性説では、世界のカードの構図が「キリストの勝利」と題された絵の構図と非常に似ていることから、キリストであるとも言われています。もともとはキリスト=男性であったものが、何らかの形で女性的なモチーフへと変化していったと考えられています。
両性具有説では、世界のカードが完全無欠の世界を表すことから、性別を超えた究極的に完璧な存在である人物と解釈されています。また、リースは子宮を表していると考え、胎児に戻ったかのようにも解釈できます。ある種の最高地点に達した人間は再び元の地点から再スタートし、それを繰り返しながら限りなく終わりに近いゴールを目指して旅を続けていくのです。
これらのことから、世界のカードは宇宙の真理を表しているとも解釈できます。
世界の意味の解釈
ワールドは、一つも欠けたところのない完成された世界が描かれていますが、どんな解釈ができるのでしょうか。正位置と逆位置それぞれを見ていきます。
世界が正位置で出たときの意味
正位置で出たときは、
- 成就
- 完成
- 完全制覇
- パーフェクト
- グッドエンディング
今までの頑張りや努力が実を結び、一つの区切りを迎え満足いく状況になったことを意味しています。周囲からの評価も高まり、祝福を得ることができます。さらなるステップアップを目指すことも可能です。自分の望むハッピーエンドに到達する兆しであることを示しています。
世界が逆位置で出たときの意味
逆位置で出たときは、
- 衰退
- 低迷
- 未完成
- 調和の崩壊
スランプに陥り、変化を恐れ現状から抜け出せない状況を意味しています。思うような結果を得られないことから苛立ちを隠せません。まずは状況を静観し、行動に移すタイミングを見はからい、思い切って変化を起こしてみるのも一案です。物事には波があり、成りゆきに任せることも必要であることを示しています。