
DATSUさん

マイルド君
「裏セレスティア」の時間だな…。
「カラチャイ湖」とは?
「カラチャイ湖」とはロシアのウラル山脈南部に広がる湖でしたが、現在ではコンクリート等で封印された埋立地となっています。
理由は旧ソ連の軍事開発に伴う深刻な放射能汚染であり、放射性物質の濃度が高く被爆した人の数が異常に多いため、チェルノブイリ原発より危険な場所だったと指摘する専門家も少なくありません。
酷い時期には1時間で死に至るほどの大量の放射能が湖を覆っていたというデータもあり、カラチャイ湖は魚などの生物が生息できないだけでなく、人が近づくことすらできない場所でした。
汚染されていく過程やそれに伴う人的被害、そこから湖が埋め立てられるまでの流れを次項以降で詳しく解説していきます。
カラチャイ湖でおきたこと
カラチャイ湖の汚染が本格的に始まったのは第二次大戦後であり、旧ソ連がアメリカに対抗しうる核兵器の開発に着手したことがきっかけでした。廃棄物や汚染水の投棄先として利用された湖はたちまち放射性物質で満たされ、魚などの水中生物はあっという間に死滅してしまいます。人的被害もこの時点で確認されていたものの、核開発を最優先とする情勢だったため取り沙汰されることはありませんでした。
そんな中、1957年のウラル核惨事によって湖周辺の地域に大量の放射性廃棄物が飛散し、都市によっては住民の6割以上が被爆するという大惨事が発生します。その後、1960年代に発生した干ばつに伴い湖底に堆積した放射性物質が飛散したことで被害はさらに拡大し、最終的には50万人以上の人々が放射能被害を受けたようです。
ウラル核惨事とは
ウラル核惨事とは1957年にマヤーク核技術施設で発生した爆発事故であり、放射性廃棄物を貯蔵するタンクが爆発したことで、幅9km・長さ105kmもの地域をあっという間に汚染しました。きっかけは冷却装置の故障であり、タンク内の温度が急上昇したところに火花が生じたことで爆発につながったとされています。
この事故に関しては杜撰な事後処理によって被爆被害が一向に収まらなかったほか、旧ソ連の隠蔽工作によって事故の全容が90年代まで明かされなかったこともあり、ロシアにおける大きな負の歴史の一つとなっています。被害者らへの補償も十分とはいえず、完全な解決への道筋は未だ見えていません。

マイルド君
核関連施設の爆破事故でカラチャイ湖は放射能汚染されたのか…。
「3・11」を体験した日本人にとっては他人事ではないよな。

DATSUさん
恐ろしいのは、この事故がソ連の工作員によって長年隠蔽されていたことだね。
1976年にソ連の工作員が亡命し、科学雑誌にこの事故をリークするまで「ウラル惨事」は世界に知られなかったんだ。

DATSUさん
↑の本の著者がウラル惨事をリークした人だよ。
核事故と隠蔽体質について詳しく知りたい人は読んでみて。
「カラチャイ湖」について検索するとは、君も物好きだね……。
カラチャイ湖は放射能事故で汚染された湖なんだ。