DATSUさん
呪いの拍手「裏拍手」とは?
裏拍手とは逆拍手や逆手拍手とも呼ばれ、普通のものとは逆に手の甲同士を合わせて鳴らす行為です。
普通の手のひらを合わせて鳴らす拍手であれば、相手に対する賛辞やお祝い事を共に喜ぶなどの意味があります。一方、裏拍手の場合は自分にとって憎しみの対象である相手を呪う意味を持つものです。この行為がどれほど恐ろしい意味を持つのかは、次の項で見ていきます。
裏拍手には「死者の手招き」の意味もある
裏拍手(逆拍手)で恐ろしいとされるのは、死者の手招きを指す点です。
古くから死後の世界に関係することは「逆さ事」といい、現世で生きている私たちが行うやり方とは反対のやり方で行われます。逆拍手には不吉なイメージがあり、怖い話や都市伝説にも登場することがあります。
具体的な例を挙げると、ご遺体に死装束を着せるとき、「左前の装束」といい左側が前になるように着せますよね。
なお私たちがおめでたいことの際に着物などを着るときは右前にします。
ほかにも葬儀に先立ってご遺体を清める「湯灌(ゆかん)」も、入浴の場合と異なり足先から頭に向かって洗うのが作法です。一方私たち入浴の際は、一般的に頭側から洗います。
このように逆さ事が行われる死後の世界では、亡くなった方も手の甲を合わせる形で拍手するやり方が一般的です。また、逆拍手は呪いや恨みの意味を持つとされており、死者からのお誘いや水死した人の亡霊の拍手とも言われています。
このため、死者は何かにおいて、生者とは真逆。単なる呪いにとどまらず死者の手招きということで死後の世界に導かれる意味もあります。たとえ冗談であっても、逆拍手は不吉とされている行為のため、やらないようにするべきでしょう。
古くより、あの世はこの世と全てが逆であると考えられているため、一般的には生者に対して縁起の悪いことになります。
裏拍手の3つの意味とは
「死者の拍手」
逆さの作法により死者の行う儀式といわれています。この世と全てが逆であるあの世で死者が困らないように、装束や姿勢などを逆に行うこと。死装束や北枕、逆さ水や逆さ布団などが有名です。
「相手への呪い」
裏拍手を行うと、それは「相手を呪う」という意味になります。
「不吉の象徴」
陰陽道で掌は陽、手の甲は陰を意味しており、陰と陰を打ち合わせることは不吉とされています。
裏拍手にまつわる有名な怖い話
裏拍手に関する話でとりわけ多くの人の間で有名なのが、手相芸人として活躍し、また怪談の語り部としても有名な島田秀平さんがテレビ番組の中で語った話です。彼が話したところによると、あるカップルが夜にデートをした際、身勝手な彼氏の提案で地元でも有名な心霊スポットを回ることになりました。ところが彼女の方が大変な怖がりでした。
しかし彼氏が嫌がる彼女を無理やり連れて心霊スポットを何ヶ所か回っていると、最初は怖がっていた彼女のテンションがスポットを巡るごとに高くなっていきました。そしてしまいには喜びながら裏拍手をしていました。怖がっていた彼女のテンションが高くなり、死者がやる行為をしていたという意味で恐ろしいといえます。
裏拍手をするシーンがでてくる作品
- 映画『オーケストラ!』:クラシック音楽を題材にしたコメディ映画で、主人公のヴァイオリニストがチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を演奏する際に、観客から裏拍手をされるシーンがあります。
- 夢小説『威風堂々【文豪ストレイドッグス】R18』:文豪ストレイドッグスの二次創作で、武装探偵社とポートマフィアのメンバーが恋愛関係になる物語です。中原中也が太宰治に裏拍手をするシーンがあります。
裏拍手は呪いの拍手、死者の拍手として有名なんだ。
裏拍手を行う行為自体が呪いの行いなんだよ。