干支の「巳年」生まれの人はどんな性格?
干支の「巳年(みどし・へびどし)」生まれの人は慎重で粘り強いと言われています。普段に抱く蛇のもつイメージは、なんとなく敬遠したくなるものかもしれませんが、古来より日本では、蛇は神の化身として祀られている、とても神聖な生き物です。
そんな蛇が象徴する「へびどし」に生まれた人たちの持つ性格とは、一体どんな特徴を持つのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
巳年の読み方
「巳年」は「みどし」と読みます。干支の6番目に数えられ、「它年(へびどし)」とも言いいます。「へびどし」というだけあって、「巳」の文字は蛇(もしくは胎児)を表す象形文字です。
また、「巳」は、五行の「火」も意味します。五行とは、古代中国の五行思想と言われている考え方で、万物は「木」「火」「土」「金」「水」の5つの元素から成り立っているというものです。
「巳」は南から東へ30度の方角を表す漢字でもあります。また、「巳の時(巳の刻ともいう)」という昔の時刻の名称でもあり、現在の午前10時頃もしくは午前9時から11時の間の時間帯を指します。
ちなみに「巳の時」には、1日の半ばである「午の刻(うまのこく)」の直前であることから、物の新しいことを指す言い回しとしても使われていたようです。例を挙げますと「未だ巳の時とぞ見えし白星の兜」(盛衰記より)という感じです。
巳年生まれの人の特徴
巳年(みどし)は、先の「巳」の意味でも触れましたが、五行の「火」の意味を持ちます。また、陰陽の陰の気を持つため、その火は激しく燃え盛るような感じではなく、熾火のように静かに、しかし熱く燃焼する炎を表します。巳年の人は、一見クールで落ち着いているように見えますが、その内面には熾火のような熱い炎の性質を内包しているのです。
基本性格
巳年生まれの人は、感受性が鋭く直観力と洞察力に優れています。しかし何かをなすときには、直観に頼るよりもしっかりと考えを練り、周到に段取りを決めて行動します。常に冷静で、常識に従って判断することができます。そして一度決めたことは最後までやり抜く粘り強さを持っています。
さらに、巳年生まれの人はプライドが高く向上心も強いため、自分の目的を達成するために、その粘り強さと頑固さで、遠慮なくことをやり抜いていくので、周囲との軋轢を生むこともあります。
また巳年生まれの人の発言は注意深く、なかなか本音を言わないため、対人関係では周囲と分かり合えるように多少の努力が必要となるでしょう。しかしその優れた観察眼と知性、そしてユーモアのセンスで、他人と険悪になることを避けることができるでしょう。
恋愛傾向
巳年生まれの人は、とても繊細で情熱的です。誰かを一旦好きになると、周りが見えなくなるほど一途でひたむきな恋をします。また嫉妬心と独占欲が強いので、思わぬトラブルを招くことにもなりがちです。
自分の思いのみで突っ走り、度を越した愛情の押し付けをしないように気を付けてください。お相手の気持ちを思いやり、ほどほどの距離感を心掛けつつ、時間をかけて愛を育てていきましょう。
仕事に対する姿勢
巳年生まれの人は野心家で向上心に溢れており、またその豊かな感性と直観力、持ち前の知性といったものを活かして、どんな仕事でも結果を出していけるでしょう。また仕事に取り掛かると、きちんと最後までやり通すため周囲からも信頼され、重宝されることでしょう。
もともと用意周到な性格のため、きちんと段取りを組んで物事を計画的に進めることが出来るので、仕事は効率よくこなしていきます。困難にぶつかったときも生来の粘り強さと洞察力で冷静に対処していくことが出来ます。
巳年の守護本尊
巳年(みどし)の守護本尊は普賢菩薩です。
普賢菩薩はサンスクリット語で「サマンタバトラ(Samantabhadra)」といい、これは「普く賢い者」を表します。菩薩がその世界に普く(あまねく)現れ、仏の慈悲と真如、そしてこれを悟る知恵をもって人々を救う賢者であることを意味しています。
また、普賢菩薩は仏の修行の面を象徴する菩薩でもあります。普賢菩薩が衆生教化のために立てた「十大願」といわれる10の誓願(誓い)が「華厳経(けごんぎょう)」と呼ばれる経典に説かれています。これはすべての菩薩の行願(精進しようとする誓い)の代表格といわれています。
文殊菩薩とともに釈迦如来の脇侍で、六本の牙をもつ白象に乗って釈迦如来の右側に祀られています。釈迦如来の左側には文殊菩薩が祀られます。普賢菩薩は修行を、文殊菩薩は智慧を説きます。普賢菩薩は仏の中で最も賢く慈悲深いとされています。
まとめ
巳年生まれの人は、一見クールでときに冷たく感じることもありますが、その実向上心に溢れ、負けず嫌いなところもあり、一度決めたら最後まで諦めない粘り強さを持っています。洞察力に優れているので周囲の状況をしっかりと把握しています。
恋愛においてはその一途な姿勢が長所であり、危ういところでもあります。恋愛のみならず、人間関係ではその洞察力を活かして周囲への配慮を忘れず歩調を合わせることで、より良い関係を築いていけることでしょう。