箏とは?
「箏」とは奈良時代に中国から伝来した絃楽器の1つです。
「琴」が一般社会から姿を隠していったのとは逆に日本国内に広がり、現代では「おこと」と言えば、「箏」のことを指すほどになります。
弦の数は13本で、板の上に張られた絃の1本1本に箏柱が立てられて調弦する仕組みとなっています。
演奏するときは、右手の親指、人差し指、中指に箏爪をはめて弾きます。
ピンと張られた絃を弾くと、箱状の空洞が共鳴して音が拡大されて響きます。
箏の歴史について
箏の歴史について
「箏」が中国から伝来したのは、飛鳥・奈良時代まで遡ります。西暦でいうところの7~8世紀ごろのことです。
当時は朝廷の意向により朝鮮半島(百済・新羅・高句麗)や中国、さらには現在のベトナムや満州における諸外国の文化が積極的に摂取されて、さまざまな国々の楽舞も伝来しました。
奈良の正倉院には当時の唐の楽舞に使用されたと思われる「箏」、「琴」、「瑟」等の絃楽器が納められています。
「箏」を使った音楽である箏曲は、この後それぞれの時代を経て現代に至っています。
「箏曲」は、大きく分けて3つの種類に分かれます。ただし、これらは時系列的に連続したものではなく、それぞれが別々の社会背景を持って誕生したものです。
したがって、当然歴史や音楽の特徴も異なっています。
それでも、「箏曲」の歴史を語る上で、無視できないものと考えられます。
- 宮廷人の箏曲
- 筑紫箏の箏曲
- 当道座所属の盲人の箏曲
現代の一般的な箏曲もまた当道座の盲人箏曲に端を発していると言えます。
琴と箏に具体的な違いはある?特徴や歴史の違いについて
琴と箏に具体的な違いはある?特徴や歴史の違いについて
琴と箏の違いに具体的な差異があるのかと問われれば、少なくとも中国においてはあったと言えるでしょう。
例えば、「琴」には箏柱がないとか、弦の数が少ないとかといった具体的な違いはありました。
しかし、日本に伝来してからの琴と箏の違いをハッキリと述べるのは難しいです。
なぜなら、元々日本には「こと」という楽器が存在していて、しかもそれを中国から琴や箏を流入させたときに元の「こと」に改良を加えて使いやすくしています。
そして、一絃琴や二絃琴のように「琴」と呼べる楽器は、確かにかつて日本でも使用されたのにいつしか廃れてしまっています。
日本の長い歴史の中で、使いづらい「琴」は淘汰されて、「箏」が生き残り全国に広まったと考えて良いでしょう。
もっとも、宮中に残っている和琴は、この限りにありません。ただ、柱を使わない純粋な「琴」という楽器は現代の日本では使われていないのは事実です。
これが琴と箏の違いの決定的な現実です。
琴と箏の違いと歴史のまとめ
- 琴と箏の違いは、弦の数と柱の有無で判別できます。
- 中国から琴と箏が伝来する以前から日本に「こと」は存在していました。
- 現在、「おこと」と言えば、「箏」のことを指します。
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