サマータイムの意味とは?
サマータイム(夏時間)とは、明るい時間に活動できるように、国や地域全体で取り決めて、夏の間標準時間を1時間早める制度です。サマータイムは、別名デイライト・セービング・タイム(dst)と言います。dstは、直訳すると「日光節約時間」という意味です。
サマータイムは、欧米諸国など夏の日照時間が長い国を中心に広く用いられており、日本では現在制度としては実施されていません。しかし、日本での東京オリンピック・パラリンピックの開催に対し、近年の猛暑対策としてサマータイム導入の声も浮上しています。
サマータイムはいつから?期間は決まっているの?
サマータイムの期間は、サマータイムを導入している国によって違っています。各国時差によって日照時間が違うためですが、アメリカやカナダの北半球とオーストラリアの南半球では夏と冬が反対なので、サマータイムの期間はおよそ半年の開きがあります。
サマータイムの期間は国によって違う!
サマータイムの期間は、国によって違います。また、外国旅行やグローバルな職場では、集合時間や約束の時間の遅れで問題を起こす可能性があるため、旅行先や取引相手がサマータイムを導入している国や地域かどうか、いつから始まるのか確認していきましょう。
サマータイムを実施している主な国や期間は、次の通りです。
- アメリカ合衆国・カナダ(現地時間基準)
11月の第1日曜日午前2時に終了(午前1時59分に時計の針を午前1時に戻します)
- ヨーロッパ諸国(UTC基準)
10月の最終日曜日午前1時に終了
- メキシコ(現地時間基準)
10月の最終日曜日午前2時に終了
- オーストラリア(現地時間基準)
翌年3月の最終日曜日午前3時に終了
- ニュージーランド(現地時間基準)
翌年4月の第1日曜日午前3時に終了
サマータイムを導入している国では、開始日と終了日だけ一日の長さが変わります。開始日には1日が23時間となり短くなりますが、終了日には一日が25時間と長くなります。
また、同じ国であっても完全に統一された制度ではありませんので、州や地域によってサマータイムを導入していないところもあり、注意が必要です。
サマータイムのメリットは?
サマータイムにはさまざまなメリットが考えられます。
具体的にどのようなメリットがあるのか見てみましょう。
照明(電気代)の節約
サマータイムで午後5時ということは、実際の時間は午後4時ということです。夕方の4時の明るさは立地条件や天候にも関係していますので一概にいえませんが、少なくとも夕方の5時よりは明るい確立が高いです。
つまり、サマータイムで1時間早めることは、照明の節約すなわち電気代の節約となり、その効果は環境問題にまで派生します。
経済の活性化
サマータイムで1時間就業時間が早まりますので、その分ビジネスマンの飲食店利用や交通機関利用などの増加が見込め、経済が活性化するといわれています。
一説には、サマータイムの経済効果は年間7000億円とされています。
余暇の充実
夏の時間の有効利用は、余暇の充実に繋がります。サマータイムの導入で早い時間に退社できるので、帰宅までの時間を有効に利用できます。たとえばジムやヨガなど健康増進、パソコン教室や英会話などスキルアップに打ち込むことが出来ます。
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サマータイムのデメリットは?
サマータイムはメリットばかりではありません。夏時間の有効利用に反対する意見もありますので、具体的にどのようなデメリットがあるのか見てみましょう。
時間調整のためのコスト増大
サマータイムの最も大きいデメリットは、時間を調整するのに必要なコストが増大することです。
電子機器や家電製品の時間調整は、膨大な量の作業となります。特にIT系企業ではたくさんの電子機器を使用しているので、時間調整のためのコストや時間の負担は大きいです。
健康への悪影響
サマータイムは、導入することで健康への悪影響があると考えられています。睡眠不足によって心臓発作のリスクが高まったり、注意不足による事故が予想されたりと、サマータイムによる健康被害の可能性が予想されるからです。ヨーロッパではこのような健康被害を考慮して、2019年3月末にサマータイムを廃止する法案が可決されました。今のところ、ヨーロッパ諸国でのサマータイムは2021年から無くなる予定です。
交通事故の増加
比較的明るい時間に仕事を終えることができるので、ドライブや車での移動が増え、交通量の増加と共に交通事故が増加する傾向にあります。急な時間変更による睡眠不足と相まって、交通事故の増加は実際に大きな問題となっています。
サマータイム意味や期間、メリット・デメリットのまとめ
- サマータイムとは、夏の時間を1時間早める制度。
- サマータイムのメリットは、照明の節約や経済の活性化。
- サマータイムのデメリットは、時間調整のためのコスト増大や健康面での悪影響。