「ブーメラン」の意味とは?
ブーメランは「自分の発言が自分に返ってくる」という意味です。悪口や相手に対する文句、非難など批判的な発言を対象に用いられる比喩表現で、元々は2ちゃんねるなどネット上でスラングとして使われていました。SNSでも広く使用されるようになり、最近ではマスコミなどのメディアでも一般的に使われています。安倍首相のブーメラン発言がきっかけで広まった背景もあるようです。
代表的なのは「ブーメラン国会」です。野党が与党を厳しく追及する中、批判する側の議員やその所属する政党・団体が同じような不正を行っていた等の疑惑がある状況を表しています。ブーメランが返ってくると批判するどころか、自らの釈明を行わなければならない立場に陥ります。つまり「お前がいえる立場ではない」という意味です。またブーメラン発言が多い人を皮肉って「ブーメラン職人」と揶揄することもあります。
ブーメランの上の言葉「特大ブーメラン」
ブーメランにはブーメランの上を意味する「特大ブーメラン」があります。「特大ブーメラン」とは相手に指摘した批判がもっとも辛辣で痛烈な内容だったときに使われる言葉です。自分自身に発言が返ってきた際、投げたブーメランを大きく上回る深刻なダメージを受けます。「特大ブーメラン」の大きさが意味する通り致命傷になるダメージが与えられてしまうのです。
ブーメランの類似表現
類似表現 | 意味 |
自縄自縛 | 自分の言動に縛られて苦しむこと |
悪因悪果 | 自分の悪行が悪い結果を生むこと |
因果応報 | 自分の善悪の行動が幸不幸の結果となり返ってくること |
天に向かって唾を吐く | 他人に害をもたらそうとして自分が災いに遭ってしまうこと |
身から出た錆 | 自分の悪行で自分が苦しむこと |
悪事身にとまる | 自分の悪行がそのまま自分に戻ってくること |
ブーメランを四字熟語で表現すると「自縄自縛(じじょうじばく)」「悪因悪果」などが当てはまります。ことわざでは「悪事身にとまる」「天に向かって唾を吐く」などが類語表現です。いずれも自分自身の悪い行いが原因となって、自分の身に不利益が降りかかる状況を指します。簡単に言い表すと「自爆」と表現できそうです。
「ブーメラン」の由来
ブーメランはブーメランという道具そのものに由来した言葉です。ブーメランとはひらがなの「へ」の字型をしたこん棒で、主に狩猟や競技、スポーツに使われています。オーストラリアの先住民であるアボリジニーによって飛び道具として使われていた歴史もあります。鳥や小動物を狩猟する際や、戦闘を行う際の武器としてブーメランが使用されていました。
投げられたブーメランは回転しながら弧を描き飛んでいきます。獲物や外敵などの目標にヒットしなかった場合再び自分の元へと返ってくるのがブーメランの特性です。その様子に例えられてブーメランという表現方法が使われるようになりました。
「ブーメラン」の使い方や用例
ブーメランは会話の中でどのように使われるのか、用例をチェックしていきましょう。非難や批判を受けたタイミングで、発言した相手にも同じ状況が当てはまっている場合に使うことができます。いい意味を持つ発言には使われないのがポイントです。
スケ番
なんでも暴力で解決しようとする態度が気に入らないねぇ。
もっと頭を使ったらどうだい。
ボブ
出たー、きれいなブーメランだね!
自分だっていつも「力こそ正義」って言ってるじゃないか!
ブーメラン返し
ブーメランの派生語に「ブーメラン返し」があります。これは悪口や批判をしてきた相手に対して、自分も同じように批判的な発言を返す意味です。
お母さん
ブーメラン返しばかりしているとただの悪口の言い合いになってしまうわよ!
まとめ
ときには他人の批判をすることもありますが、自分にも当てはまっていないか確認し慎重に発言したほうがよさそうです。「人のふり見てわがふり直せ」というように、批判をいう前に日頃から自分の言動に責任を持つことも大切です。会話のキャッチボールの中で、自分の言葉がそっくりそのまま凶器となって返ってくることのないように気をつけましょう。