「ひとりごちる」の意味とは?
「ひとりごちる」とは、「独り言ちる」と書き、「独り言をいう」という意味の動詞です。独りでブツブツと何かを言ったり、小さな声で話したりすることを指します。
「ひとりごちる」は、「独り言ち」に「る」を付け加えた言葉で、SNSを中心に若者の間で広がりました。そのため、「独り言ちる」で調べても、載っている辞書はほとんどなく、正しい日本語ではありません。
現代小説ではたまに登場しますが、「ひとりごちる」の形で使われることは少なく、「ひとりごちた」や、「ひとりごちて」といった使い方をされることが多い言葉です。
厨二ちゃん
ネットやSNSではよく見るけど、この言葉を話しているのは見ないわね。
「ひとりごちる」の語源
「ひとりごちる」の語源は意外に古く、古語の「独り言つ(ひとりごつ)」です。「枕草子」などを見ると、現代のような使われ方はしておらず、「独り言ち」や「独り言つ」という使い方をされています。
「独り言」という名詞が「独り言を言う」という意味の動詞に変化した言葉で、現代の「ひとりごちる」と同じ意味になります。
ひとりごちる | 独り言つ | |
---|---|---|
未然形 | ひとりごち(ない) | ひとりごた(ず) |
連用形 | ひとりごち(て) | ひとりごち(て) |
終止形 | ひとりごちる | ひとりごつ |
連体形 | ひとりごちる(とき) | ひとりごつ(とき) |
已然形 | ひとりごちれ(ば) | ひとりごて(ば) |
命令形 | ひとりごちれ | ひとりごて |
着物ちゃん
本来の言い方は「ひとりごつ」なんですね
「ひとりごちる」の使い方・用例
「ひとりごちる」は、口語で使うよりもTwitterなどのSNS上で使われることが多い言葉です。文中に入れることもあれば、ハッシュタグを付けて使用されることもあります。
では、どのような使い方をするのか例文をあげて説明します。
厨二くん
腹減った。ラーメン食べたい、とひとりごちる
プロゲーマー君
「負ける気がしない」とひとりごちた
ノワールちゃん
「明日もいい事がありますように」なんて、ひとりごちてみた
オタクくん
握手会のあの子はマジ神#ひとりごちる
猫叉
誰かに何かを伝えたいわけじゃないけど、なんとなく聞いてもらいたい時に使うのかにゃ?人間って面白いにゃぁ
「ひとりごちる」の類語
「ひとりごちる」の類語には、「ぼやく」や「呟く」があげられます。
「ぼやく」は、ただ声を発するというよりネガティブな言葉が出てしまう時に使われます。一方「呟く」は、内容に関わらず、独り言のことを言った時に使われます。
- 次々に仕事が舞い込んで来るので思わず「勘弁してくれよ」とぼやく
- 欲しかったものを手に入れて「超嬉しい」と呟く
また「ささやく」も似てはいますが、これらとは微妙にニュアンスが違います。
「ささやく」は誰かに向けて言葉を発している状態です。「ひとりごちる」「ぼやく」「呟く」とのニュアンスの違いを覚えておき、使い分けると良いでしょう。
- 布団に入った子供に「おやすみ」とささやく
萌え袖ちゃん
誰かに向かってひとりごちる、というのは間違った使い方ということね
ひとりごちるの対義語
「ひとりごちる」の対義語としてあげられるのは「対話」や「会話」です。自分独りで声を発している「ひとりごちる」に対して、「対話」や「会話」は、相手がいる状態での話を指します。
「ひとりごちる」の意味のまとめ
古語の「独り言つ」から進化して生まれた「ひとりごちる」という言葉ですが、あまり一般的には浸透していないようです。もし見かけた時は「独り言を言う」という意味を思い出してみてください。また、語源である「独り言つ」が使われている本を読んで、現代との違いを見てみるのも良いでしょう。