逡巡の意味とは?言葉の語源や使い方を紹介

逡巡の意味とは?言葉の語源や使い方を紹介

「逡巡(しゅんじゅん)」とは、「恐れおののくがゆえに遅々として進まず、最初とさほど変わらない位置にとどまってしまうこと」を意味します。どのようなシーンに登場し、どのように活用すればよいのでしょうか。ここでは逡巡の意味や言葉の由来・間違いやすい類義語などを解説します。

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  1. 1逡巡の読み方や意味は?
  2. 1.1逡巡の基本的な意味
  3. 1.2単位として使われることも
  4. 2逡巡の由来・語源
  5. 3逡巡の使い方・用例
  6. 3.1例文その1
  7. 3.2例文その2
  8. 3.3例文その3
  9. 4逡巡の類語
  10. 4.1躊躇(ちゅうちょ)
  11. 4.2葛藤(かっとう)
  12. 4.3迷走も逡巡の類義語?
  13. 5逡巡の意味のまとめ

逡巡の読み方や意味は?

逡巡の読み方は「しゅんじゅん」です。

日ごろの会話で頻繁に登場する言葉ではないものの、人間の行動を表す場合や単位としての意味も持っています。

ボキャブラリーをひとつ増やすと考えれば知っておいて損はしない言葉ですので、この機会に逡巡の意味や使い方を正しく知っておきましょう。

逡巡の基本的な意味

逡巡の漢字表記を一つひとつ見ていきます

  • (しゅん)=「後退する」。怖気づいてその場から逃れようとすること。
  • (じゅん)=「歩きまわる」。グルグル回って結局は元の場所に戻ってしまうこと。

以上のことから逡巡の意味をまとめると、「恐れおののくがゆえに遅々として進まず、結局は最初とさほど変わらない位置にとどまってしまうこと」となります。

またこのほかに、「決断をためらう」「優柔不断」といった意味でとらえられることもありますが、いずれも恐れをなして意気地のない様子から派生したものです。

単位として使われることも

逡巡は漢字圏で古るくから伝わる「物の単位を表す漢字」のひとつで、「一(いち)」以下を表す場合に用いられます。

漢字で表すと10分の1が割(わり)・100分の1が分(ぶ)となりますが、逡巡は「10の14乗分の1」つまり100兆分の1の単位を表します。

修行僧・雲水

修行僧・雲水

逡巡よりもさらに単位が小さくなると、「刹那(せつな)」や「阿頼耶(あらや)」という仏教用語も出てくるのですよ…!

逡巡の由来・語源

それでは逡巡の由来を知るために、漢字の成り立ちをみていきましょう。

  • 逡=「しんにょう+夋」

しんにょうにはもともと「道を歩く」などの意味があり、夋は「神に恐れをなしてその場に立ちすくす人の様子」を表す漢字となります。
  • 巡=「しんにょう+巛」
「巛」は川を表しているため、しんにょうと組み合わさることで「川を頼りに歩いて進む様子」を表しています。

ちなみに逡巡で示される神は農耕を司る「田の神」を指すとされており、古代の人たちにとっての農耕がいかに重要な位置を占めていたのか推察することもできます。

番長

番長

しかし、怖気づいて後退なんて情けねェ言葉だな…。一体どんな時に使うのか教えて欲しいゼ!

逡巡の使い方・用例

ここからは、逡巡をつかった例文をいくつかご紹介します。

例文その1

厨二くん

厨二くん

私立にすべきか公立にするか、受験する高校選びに逡巡している。

上記では複数の選択肢がある中で答えを出せず、どうすればよいか迷っている状態に「逡巡」を当てています。

例文その2

萌え袖ちゃん

萌え袖ちゃん

突然の告白に逡巡しちゃうわ!

急な出来事に対して、答えどころか返す言葉も見失ってしまう状態にも逡巡は使われます。

例文その3

よしこ

よしこ

お世話になった目上の方に、どんな贈り物をするのがふさわしいか逡巡する。

知識や経験不足からくる焦りを表すのにも逡巡が使われます。上記のように、品物の選択だけでなくどう振舞えばいいのかわからない気持ちを表すのにピッタリの言葉です。

情熱系社員

情熱系社員

逡巡の意味をより分かりやすく、コミカルに描いている動画をご紹介します!

逡巡の類語

逡巡の類義語には次のようなものがあります。いずれも逡巡よりは触れる機会の多い言葉ですが、ここでは逡巡と似て非なる部分にも注目してみましょう。

躊躇(ちゅうちょ)

躊躇は「ためらい」や「決断を先に延ばしてグズグズしている」様子の表現として逡巡と近い位置にある言葉ですが、ニュアンス的に多少違いがあります。

2つの違いは、「当事者の思いや悩む気持ちまでが含まれているか」という点です。

逡巡には「気持ちが前に進まずに行動もとれないという深刻さ」を表わす一方、躊躇は「前に進むという行動そのものをためらっている」だけで、逡巡よりは軽めの迷いだといえます。

葛藤(かっとう)

葛藤は葛(くず)や藤(ふじ)のつたが複雑に絡まり合う様子を由来とした言葉で、人や物など厄介な対立があるために答えを導きだせない状態のことです。

類義語とはいえ、一歩先に進むという目標に対して時間や労力を必要とするのは葛藤の方です。逡巡より悩みが大きく深い場合に適した表現となります。

迷走も逡巡の類義語?

グルグル回って答えにたどり着かないという点では「迷走(めいそう)」も逡巡と似ています。

ただし、答えはわかっているがそのタイミングがつかめず迷っている逡巡に対して、迷走は「物事の方向性そのものが不確か」という点に違いがあります。

逡巡の意味のまとめ

逡巡の意味のまとめ
Photo byijmaki

逡巡という言葉の由来や成り立ちについてみてきました。また、逡巡は「100兆分の1」という単位を表す言葉でもありました。

漢字の成り立ちを紐解くと、より言葉の意味について理解が深まるときがありますので、日本語の面白さに触れてみてくださいね。また、類義語や対義語も合わせて知り、使いこなしてスマートな人を目指しましょう。

  • 逡巡の読みは「しゅんじゅん」
  • 逡巡は先に進むことに恐れをなし、答えをためらう様
  • 逡巡は躊躇・葛藤などと混同されやすい言葉
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