「こないだ」の意味とは?
「こないだ」は、「このあいだ」「ちかごろ」といった意味の話し言葉です。
「こないだ」を辞書でひくと、『 ちかごろ、数日前、先日、さきごろ、このごろ』といった意味と『「このあいだ」の縮約形』であることなどが記載されています。縮約とは略した、あるいは短縮したということで、「けれども」が話し言葉では「けど」に、「~ものだ」が「~もんだ」になるような変化のことです。
では普段、何気なく使っている「こないだ」とは方言なのか、漢字ではどう書くのかなどについて、使い方の例とあわせてご紹介していきます。
「こないだ」の漢字表記
「こないだ」には、「此間」という漢字表記があります。漢字で「此間」と書いてあると読めない人も多いと思いますが、ひと昔前には漢字表記でもよく使われていました。
「こないだ」は方言?
「こないだ(此間)」は辞書にも記載されており、標準語として全国で使われている言葉なので方言とは言えません。
ところが、方言の中に同音の「こないだ」という言葉が使われている地方があります。いくつかその例を紹介します。
甲州弁「こないだ・こねえだ」
「この前」を意味し、標準語の「こないだ」とほぼ同意の言葉です。同じ意味で「こねえだ」という言い方もあります。
広島弁「こないだ・こなーだ」
上京君
「あいつぁー、こなーだ結婚しんさったんじゃと」
(彼は、この前結婚したんだって)
広島弁には「こないだ・こなーだ」があります。「この前」を意味し、標準語と同じような使い方をします。
和歌山弁「こないだ・こねえだ」
オタクくん
「こねえだ、高野山に行っただがな……しんどかったぁ」
和歌山弁でも「このあいだ」の意味で「こないだ」や「こねえだ」が使われています。上の例文は「この間、高野山に行ったんだけど……疲れたよ」という意味です。
女神さま
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「こないだ」と「この間」の違いは?
発音では「こないだ」と言いますが、「この間」をイメージして使っている方も多いことと思います。
実際、『「こないだ」は「このあいだ(この間)」の略である』と記載されている辞書もあります。言葉としての「こないだ」と「この間」には違いがなく、同じ言葉だと言えます。漢字で「このあいだ」の表記は「此の間」と書きます。
話し言葉としての「こないだ」は、辞書に載っている表現ですから誤りではないのですが、略語になるのでメールや手紙などで使うと、無礼な印象に受け取られる場合があります。書き言葉として使うときは略していない「この間」を使った方が良いでしょう。
「こないだ」の使い方・用例
「こないだ」の話し言葉での使い方を、実際の会話例をご紹介しながら解説していきます。
萌え袖ちゃん
こないだ借りたゲームを返すよ。
(先日、借りたゲームを返すよ。)
この言い方では、「 数日前・つい先日」という意味で「こないだ」を使っています。「こないだ行ったレストラン美味しかったね」のようにも使います。
ボブ
こないだは、全く姿を見かけませんね。
(ちかごろは、全く姿を見かけませんね。)
これは「ちかごろ・このごろ」の意味での使い方をしています。
「こないだ」と同じように使うことができる言葉もあります。「こないだ」の類語にはどんなものがあるのでしょうか。
「こないだ」の類語
「こないだ」の類語には、「先日、さきごろ、このごろ、ちかごろ、この前、このじゅう(此の中)」などがあります。どの言葉も「こないだ」とほぼ同じニュアンスになり、入れ替えて使うことができます。
書き言葉で使う場合も「こないだ」のように注意しなくていいので、メールや手紙で使う際に迷ったらこれらの類語を代用しても良いでしょう。
「こないだ」の意味のまとめ
「こないだ」は、「数日前」や「このごろ」という意味で、全国的に使われている話し言葉です。明日からは、意味や使い方を意識して「こないだ」を使ってみましょう。