閾値の読み方や意味は?
「閾値」の意味は「物事が変化する境目の値」です。簡単に言い換えると、ほんの少しの差で物事が変わってしまう値のことを指します。もともとは生理学で使われていましたが、今では広い範囲で使用されています。
フロイト先生
分野によって多少意味の違いはあるが基本の部分は同じだよ。ちなみに読み方も少し変わるんだ。生理学や心理学などの分野では「いきち」。ITや物理学なんかだと「しきいち」と読むよ。
生理学や心理学で使われる場合の意味
生理学・心理学で使われる「閾値(いきち)」の意味は体に起こる何らかの反応、心や感情の変化などを起こさせる一番小さな刺激または一番大きい刺激のことを示します。
例えば手荒れにより指の皮が裂けていることに初めて気づいたきっかけとなった刺激や、暑い・寒いなどの変化に初めて気づいたときの気温なども閾値の範囲になります。
フロイト先生
ここでいう閾値の場合、常に同じ数値とは限らないんだ。なぜなら生き物には慣れというものがあるからね。加えてその日の体調、精神状態、様々な要因が重なるわけだ。
情熱系社員
ずーっと臭い部屋にいると、臭いと感じなくなりますからね! それと同じってことですか。
IT関係で使われる場合の意味
IT関係では「閾値(しきいち)」はプログラムの動作や意味が変わる上限、または下限の値を示します。
特にプログラミングの条件分岐で使用され、人が決めた境界値を意味することもあります。
フロイト先生
ITの閾値はコンピューターの使い方や使用者の好み、動作環境でかなり変わるような複雑なプログラムのパラメーターに使われることが多いぞ。
情熱系社員
バッテリー容量や、警告の表示の設定に使われることもありますよ! 画像処理の減色処理でも使われてます。
閾値の語源
「閾値」の語源は「敷居」にあります。敷居とは、外と中を分ける門や戸の開口部、ふすまや障子を滑らせて開ける下の横木のことを指します。この、中と外を分ける境界線の役割を持つ敷居の意味が転じて、「閾」という字は物事の境を意味するようになりました。
情熱系社員
しきいち、という読み方は敷居からきていたんですね!
フロイト先生
と、思うだろう? けれど敷居、という言葉になる前は「閾」だったんだ。言葉としては「閾」が先なんだよ。古語辞典を見てもらえればわかるんだけど、奈良時代はそう呼んでいたんだよ。
情熱系社員
衝撃の事実!
フロイト先生
これまでの説明でわかったと思うけれど「閾」という言葉自体に境界、という意味がある。つまり「閾値」というのは境界の数字という意味だね。だから学術用語には「刺激閾」とか「弁別閾(べんべついき)」なんて言葉もあるよ。
閾値の使い方・用例
「閾値」という言葉は前述したように境界の値を意味することから様々な分野で、学術用語として使われています。分野によって細かい意味が変わる「閾値」はどのような使い方をするのか、生理学・心理学とITの分野に限定して詳しくご紹介します。
生理学や心理学の場合
生理学・心理学での「閾値」は主に、ある物事を引き起こすのに必要な刺激の最小値または最大値を意味します。
- 神経科学の分野・・・動物に特定の行動や体の変化を起こさせる感覚の刺激の強さを示す値として扱う
- 心理学の分野・・・痛い、寒い、暑いなどの感覚をギリギリ感じられる値を表す
情熱系社員
神経細胞への刺激が閾値に達し、ほかの細胞へ情報が伝達される。
フロイト先生
ストレスが閾値に達してしまい、うつ病を発症した。
IT関係の場合
ITにおける「閾値」は、その値を境にプログラムの意味や条件、判定が異なる値のことを言います。主にプログラムの条件分岐や電子回路の電圧の区別、エラー表示や画像処理などで使用します。
用例としては次の通りです。
情熱系社員
閾値以上ならスタート、閾値以下なら停止になるよう条件分岐してください。
フロイト先生
閾値以下になるとエラーが表示される。