続柄の意味とは?
続柄とは、公的な届け出や税金関係の書類で目にする機会が多い言葉で、婚姻関係などの血の繋がりや親戚関係を意味します。家庭における「父」や「母」、「子」といった親族としてのつながり具合を表記するときに使われます。
ところが、書類を提出する際に続柄の記入が求められ、改めて考えると対象者がどの続柄にあたるのか混乱することも珍しくありません。書類を作成する場合は本人から見たそれぞれの立場や関係を表しますが、戸籍と住民票では書き方が異なります。戸籍では筆頭者※を基準にし、住民票では世帯主を基準にしてそこからみた続柄が記載されているのです。
(※筆頭者とは戸籍の最初に記載された人のことで、結婚して夫婦で戸籍を作ったときに夫の姓(氏)を選べば夫が筆頭者、妻の姓なら妻が筆頭者となります。世帯主とは世帯の中で主に生計を担っている人で、世帯の代表者として選び届け出ることで住民票に記載されます。)
お母さん
戸籍では「子」だけじゃなくて「長男」「長女」と書くのよ。次男・次女は「二男」「二女」など数字表記になっているのも注意が必要ね。
子供
住民票の世帯主もお父さんだとは限らないんだよね。
なんだかややこしいなぁ。
お母さん
夫婦でも住民票を見たら続柄が夫や妻じゃなく、ただの同居人になってたなんてトラブルも多いのよ! 内容をちゃんと確認しておきましょうね!
続柄の読み方
続柄は「ぞくがら」と読まれることが多いのですが、正式には「つづきがら」と読みます。「ぞくがら」は世間一般に認知され使われてきたことで国語辞典にも表記されるようになったのです。
正しい読み方は「つづきがら」ですが、「ぞくがら」も慣用的に普及しており、現在では間違いとは言えないでしょう。
一般的な続柄一覧と書き方
ここで一般的な続柄一覧と書き方をみていきます。注意したいのは本人の立場から見た続柄の名称であるということです。一般的な例として【夫・妻・子・夫の両親】の5人家族の夫を世帯主とした表で確認していきます。まず自分がどの立場にあたるのかをしっかり理解した上で「本人」を基準に考えていきましょう。
世帯主(夫) | 母 | 子 | |
父 | 本人 | 夫 | 父 |
母 | 妻 | 本人 | 母 |
子 | 子 | 子 | 本人 |
祖父 | 父 | 義父 | 祖父 |
祖母 | 母 | 義母 | 祖母 |
夫が本人の場合
まずは本人が夫の立場である場合の続柄です。表の世帯主(夫)の縦の列をみてください。本人(夫)の配偶者は「妻」で、子の祖父・祖母にあたるのは自分の「父」と「母」、つまり実の両親です。(ここでいう「子」とは息子や娘、兄弟姉妹関係なくすべて「子」と表記しています。)
猫叉
ちなみに住民票では、同居の婿は「子の夫」、嫁は「子の妻」、孫は「子の子」と記載されるんだ。初孫でも外孫でも、男女ともに関係なく孫は「子の子」。
妻が本人の場合
本人の立場が妻であるときは、表では「母」の列が該当します。本人(妻)の配偶者は「夫」で、夫の父は「義父」、夫の母は「義母」です。
猫叉
住民票では「夫の父」や「夫の母」といった直接的な言い方がされるよ!
子供が本人の場合
最後に子供が本人だった場合ですが、これは表の左端に書かれた続柄がそのまま適用されます。兄弟、姉妹がいる場合は自分を基準としてその続柄を表します。
子供
もし僕に姉妹がいるとして、僕が長男だから長女は姉か妹になるってことだね。
血縁関係がない場合の続柄の書き方
内縁の関係や養子など、血縁関係を持っていない場合の続柄はどうなるのでしょうか。これらの場合は続柄の起点となるいくつかのポイントがあるようです。
内縁関係の場合
婚姻届けを提出していない事実婚を示す内縁関係の場合、住民票ではそれぞれ「夫(未届)」「妻(未届)」と表記されます。
お母さん
内縁関係が成立していれば財産分与の権利も認められるのよ。
彼氏、彼女の場合
住民票では、彼氏や彼女など恋人関係を続柄として表記するには、生活と生計を共にしていることが前提条件です。彼氏、彼女と同棲していれば「同居人」という続柄になります。つまり同棲していなければ、ただの他人ということです。
また彼氏や彼女のような恋人同士でなく、友人や知人、まったく知らない赤の他人でも同居していれば、住民票に「同居人」と記載することができます。
子供
お互いに自分たちの関係を夫婦と認識している意思があるのかが内縁関係と同棲の違いなんだって。
養子の場合
養子は続柄の中でも表記が異なる存在です。戸籍ではそのまま「養子」と書きますが、住民票では実子であるかは区別せずに「子」と表記します。また養子縁組をせずに事実上の養子となっているケースでは「縁故者」と表されます。
猫叉
配偶者に子供がいる連れ子のケースでは、住民票では「夫の子」や「妻の子」という続柄だよ! けれど連れ子と養子縁組すれば「子」と同じ記載になるんだ。
続柄の意味のまとめ
続柄は血の繋がりやそれぞれの関係を示す言葉でした。続柄を記入する際は自分がどの立場にあるのかを基準として考えてみるといいでしょう。当たり前のように一緒に暮らしている家族でも続柄を意識することで改めてその繋がりを強く感じることもできそうです。