杜撰の読み方・意味とその由来
杜撰とは、いい加減や残材という意味で使われることの多いことわざです。
ここでは、杜撰の読み方や意味、由来について詳しく解説していきます。
読み方
杜撰の読み方は「ずさん」です。
漢字 | 読み方 |
---|---|
杜 | ず、と、もり、やまなし |
撰 | せん、さん |
意味
杜撰には2つの意味があります。
1つは、書かれている詩や文章の内容が、基になるデータや正確さ、根拠のない状態で書くことをいい、その書かれた詩や文章そのものを指して杜撰といいます。
もう1つは、物事が正確でなく間違いが多いという意味で杜撰が用いられます。
由来
杜撰という言葉は、中国の有名な詩人である杜黙(ともく)という人の名前と詩を作るという行為に由来します。
杜撰の「杜」は、宗の時代の詩人、杜黙を表わしています。そして、「撰」という文字には詩を作成するという意味があります。
杜黙が作る詩は、その当時の詩の作り方とは書き方が異なり、一般的に書かれている詩とは逸脱しているものばかりでした。そのため、杜黙が作成した詩は他の詩人が作った詩からずいぶんかけ離れていたという意味で、「杜黙が作る詩は変わっている」、「間違っている」といった評価がされていました。
そして、この杜黙が作った詩のように、変わっている、異なっているというニュアンスが変化して、間違いが多くていい加減な作品のことを「杜撰」となったとされています。
杜撰の使い方と例文
それではここで、杜撰を使った例文をいくつかご紹介します。
例文①
上京君
杜撰な案内図だったため、時間までに目的地に到着することが出来なかった。
案内図に書かれていた地図が正確ではなかったため、道に迷ったり時間がかかりすぎてしまったということを表わしています。
例文②
番長
そんな杜撰な考えで上手くいくはずがない。
適当で行き当たりばったりな考えをしていたら、いつまでたっても物事をきちんとやり終えることが出来ないという意味です。
例文③
課長
杜撰な管理をしていたから大事な資料を紛失したのだ。
管理がいい加減だったために、大切に保管しておかなければならない書類をなくしてしまったということを表わしています。
杜撰の類義語と対義語
次に杜撰の類義語と対義語を紹介します。
類義語 | 意味 |
---|---|
粗雑(そざつ) | いいかげんでやることが大まかすぎること。 |
ぞんざい | 乱暴で投げやり。物事をいいかげんに行うさま。細かいところにまで気が回らない様子。 |
粗漏、疎漏(そろう) | 手抜かりや手落ちがある様子。おおざっぱ。 |
対義語 | 意味 |
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丁寧(ていねい) | 事細かくしっかりと気を抜かずに行うこと。 |
入念(にゅうねん) | 細かい所まで気を配ったり行き届いたりしている様子のこと。 |
緻密(ちみつ) | 細部にまで注意が行き届いていること。手落ちがなく手抜きをしていない様子。 |
杜撰の意味や読み方、使い方のまとめ
- 杜撰とは、詩や文章の内容が根拠がなく正確性にかけるという意味
- 杜撰の読み方は「ずさん」
- 杜撰は、中国にいた杜黙という詩人が書いた詩に由来する