残滓の読み方や意味とは?
「残滓」は「ざんし」と読みます。普段聞き慣れない言葉なのですが、
- 残り物・残りカス
- 後に残った役に立たないもの
着物ちゃん
日本人にとって馴染みの深い日本茶。湯飲みに付いた茶渋も「お茶の残滓」と言えます。
チャーリー
じゃあ、コーヒーや紅茶を飲んだ後でカップに残る汚れも「残滓」だね。
「ざんさい」は慣用句
「残滓」の正しい読み方は「ざんし」ですが、「ざんさい」と読まれることがあります。
これは誤った読み方なのですが、一般的に「ざんさい」と読まれることが多くなり、慣用句として定着しました。辞書にも、慣用句として載っていることが多い読み方です。
着物ちゃん
読み方が違うだけで、意味は変わりません。
残滓の語源
「残滓」は「残」と「滓」という漢字で成り立っています。それぞれの漢字の意味はこちらです。
残(のこす・ザン) | 残り・余り・残す |
滓(かす・おり・シ・サイ) | かす・よごれ・けがれ |
「滓」が「残」っているということから、「残滓」という言葉が生まれたと思われます。
残滓の使い方・用例
それでは残滓の用例をみていきましょう。
物理的な意味の「残滓」の使い方
日常生活では、残りカスと言うことが多く、「残滓」という言葉はなかなか出てきませんが、覚えておくと人から一目置かれるかもしれません。
お母さん
ちょっと!食べた後にはちゃんと残滓を片付けておいてよね!
占い師
トルコには、コーヒーの残滓がどのように残ったかを見て占う、コーヒー占いという文化があるのよ。
古い物・事を比喩(または揶揄)する使い方
「残滓」は、過去から残っている記憶・思い出などを表している場合もあります。また、時代遅れなどの皮肉を込めて揶揄する時にも使われます。
よしこ
あの人との思い出の残滓が消えなくて切ない。
クワ
今は何でも機械がやってくれる時代だもんな…。僕なんか大昔の残滓なのかな…。
議員
令和となった今、古い残滓は一掃して、新しい政策に取り組んでいこうではありませんか!
残滓の類語
「残滓」の類語には次のようなものがあります。
残留物(ざんりゅうぶつ) | 残って留まっている物 |
残余(ざんよ) | 何かを取り除いた後に残っている物 |
名残(なごり) | ある事が過ぎた後に残る影響・余韻 |
着物ちゃん
「残留物」や「残余」は、物質を表す時に使われるわね。「名残」は、物ではなく人の気持ちを表していることが多いわね。
萌え袖ちゃん
「名残惜しい(なごりおしい)」っていう言葉は私もよく使うわ。
残滓と残渣の違い
この「残滓」と似ている言葉として「残渣(ざんさ)」という言葉があります。漢字も似ていて読み方も似ているのですが、微妙に違いがあります。
残滓と残渣の違い
- 「残滓」は、濾過した後に残っている物・カス
- 「残渣」は、溶かして濾過した後で溶けずに残っている物
コーヒーを例に挙げて説明します。
コーヒーを飲み終わった後、カップの内側に残ったカスは「残滓」です。(フィルターで濾過した後に残った)。
一方、フィルターの中に残っている豆のカスは「残渣」です。(お湯で溶かして濾過した後でも、溶けずに残っている)。
両者の大きな違いは、溶かしているか・溶かしていないか、です。これは人体にも当てはまり、胃で消化されずに残った物を「残渣物」と言います。
萌え袖ちゃん
ドラマのセリフで聞いたことがあるわ。「残渣物」から、いろいろな謎を解いていたわ。
「残滓」と違って「残渣」は、溶かすという化学的な要素を含むため、物質的な残り物を示す時にしか使われません。
残滓の意味のまとめ
日常生活ではあまりというかほぼ触れることのない「残滓」という言葉ですが、意味を知ると以外に身近な言葉であることが分かります。会話で使う機会は少なくても、本を読んでいる時や、何かを調べている時には目にするときもあると思います。
同じ表記で違うニュアンスで使われる場合もあるので、意味を間違えないように注意しましょう。