示唆の読み方や意味は?
示唆の意味は「婉曲的に知らせる」「暗に方向性を示す」「遠まわしに教える」ことで、読み方は「しさ」です。
相手に直接伝えると人間関係に支障をきたす場合や立ち入った内容である場合に、波風を立てずにほのめかす事で相手に知らせる行為を指します。
ビジネスシーンや上下関係の中で、示唆が行われている場面もよく見受けられます。また、公共的なメディアやニュースの中でもときどき使用されています。事を荒立てず和気あいあいの精神を良しとする日本人的な意味を持つ言葉といえるでしょう。
示唆の使い方を、用例を用いてご紹介していきます。
示唆の使い方・用例
職場などで比較的よく登場する言葉で、「示唆する」という動詞や「示唆に富む」など名詞として使用されます。示唆は社会人として意味や使い方を知っておきたい言葉の一つです。
示唆する・示唆される
はっきりと明言しないものの、それとなしに言いたいことのニュアンスを相手に伝えることを「示唆する」と表現します。大まかな内容の後に「~を」や「~が」の助詞を伴なって「示唆する」や「示唆される」の言葉がくることが多いです。
課長さん
会議での部長の発言は、今後の会社の方向性を示唆するものだった。
お母さん
今まで身体に良いと思って食べていたけど、学会で発表された論文には健康への悪影響が示唆されていたんですって。
示唆に富む
「示唆に富む」と用いられる時は、遠まわしに教える内容が豊富にあり、教わることが多いことを表します。このことから「暗に気づかせてくれる」や「教えられてためになる」という意味合いになります。愛情を感じるポジティブな言葉です。
若手社員
出世した先輩の経験談は示唆に富む話だった。聞く前と今では、仕事に対するモチベーションが変わってきた。
示唆を得る
示唆は直接的な回答ではなく回答に準じた考えや意見を示すことなので、この場合はヒントと捉えることが的確でしょう。「示唆を得る」とは「それとなしにヒントをもらう」という意味と考えることができます。
よしこ
悩んだときは、経験豊富な人に聞いてみるのが一番ね。子育てを卒業されたお母さんたちから良い示唆を得たわ。
示唆を受ける
「示唆を受ける」は「示唆を得る」と同じような意味を持つ言葉で、それとなく気づかされ「良い影響を受ける」、「自分に利益になる情報を受け取る」などの意味があります。
マイルド君
上司から示唆を受けて悩んでいた問題が解決したよ。一歩前進だ。
示唆的
「示唆的」は行動や言動といった言葉が後について、「示唆的な言動」や「示唆的な行動」といった表現で使われます。相手にそれとなしに「指示する」や「提案する」の意味が含まれ、場合によっては相手に注意したり相手を否定したりする時に使われます。
hasumiさん
お向かいさんゴミ出しルール守らないから困るのよね。これまで示唆的な言動をとってみたけど何も変わらないわ。やはりはっきりと注意した方がよいかしら?
示唆の類語や言い換え表現
示唆の意味に良く似た言葉はたくさんあります。それぞれに微妙なニュアンスの違いがあるので、状況に応じて使い分けるとよいでしょう。
- 暗示…直接ではなく手がかりによって無意識に方向が変化する現象。暗に知らせること。
- ほのめかす…知らせたい内容を間接的に述べること。
- 伏線を張る…事前に関連する内容を示すこと。
- 糸口…物事を始めるときの手がかりとなったもの。
- におわす…物事の存在をチラつかせること。
示唆の意味のまとめ
示唆とは直接的に知らせるのではなく関節的に知らせることです。暗示も同じような意味で使われますが、両者にはニュアンス的な違いがあります。示唆は相手に知って欲しいという意識が含まれますが、暗示は漠然としたした知らせで伝えようという意識はあまり感じられません。
示唆は伝えたいことを「におわす」行為ともいえ、ビジネスでの駆け引きや事を荒立てない大人の対応の一つともいえるでしょう。