「quid pro quo」とは？ビジネスシーンでの意味や語源・使い方を解説！

「quid pro quo」は、トランプ大統領のウクライナ疑惑でよく耳にするようになった言葉です。

トランプ大統領の「quid pro quo」は「見返り」という意味で使用されています。

ウクライナ疑惑とは「トランプ大統領がウクライナ大統領に電話で伝えた内容について、政治的動機による調査の開始を他国に迫る異例かつ不適切な試みだったのでは」というものです。

トランプ大統領がウクライナ大統領に伝えたとされる異例かつ不適切な試みとは以下の2つです。

この2つの依頼はそれぞれ、2016年大統領選でトランプ氏が勝利したのはロシアの手助けのおかげという疑いを晴らすことと、2020年の大統領選でライバルとなるバイデン前副大統領と息子のハンター・バイデンを蹴落とす目的があるようです。

この2つの異例かつ不適切な試みの見返りとしてトランプ大統領は、約430億円の軍事援助の凍結解除やウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領のホワイトハウス公式訪問を提示したことが疑惑の大まかな内容です。

ウクライナ疑惑では「quid pro quo」を見返りという意味で使用していましたが、「quid pro quo」にはその他にもいくつかの意味があります。

「quid pro quo」には「見返り」や「対価」という意味があります。

先ほどご紹介したウクライナ疑惑と同じ使い方で、最も一般的な「quid pro quo」の意味です。また、「quid pro quo for …」 で「～の見返りとして」や「～の対価として」となります。

「quid pro quo」には「しっぺ返し」や「報復」という意味もあります。

しっぺ返し・・・即座にしかえすこと。
報復・・・自分に害を与えた相手に対して、それに見合う害を返すこと。

相手からされたことに対して返すという意味は同じです。しかし、先ほどご紹介した見返りや対価とは違い、相手に被害や危害を加えるような悪の印象が強く、仕返しを連想させる「quid pro quo」となっています。

「quid pro quo」はビジネスシーンでは「物々交換」のような意味合いで使われることもあります。

例文のように、「今度、君の会社で○○を発注しようと思うんだけど、その代わりにうちの会社の××を買ってくれない？」などお互いプラスになるような持ちつ持たれつの関係性を表現するときに「quid pro quo」を使うことがあります。

しかし、ビジネスの場面での物々交換はバーター取引という言葉を使うことが多いです。

「quid pro quo」の語源は英語ではなくラテン語です。

「quid pro quo」は下記の3つに分解することができます。

quid・・・何か
pro・・・～のために、～による
quo・・・何かに（から）

つまり、ラテン語で「quid pro quo」は「何かのための何か」という意味です。起源は1530年代だと言われており、当時「quid pro quo」は、何かの代わりになったことを意味する言葉でした。

しかし、その後、徐々に同等の交換を意味する「見返り」や「対価」に変化したそうです。

「quid pro quo」はラテン語が語源の「見返り」や「対価」、「しっぺ返し」、「報復」などの意味を持つ言葉です。

「quid pro quo」は場面によっては、お互いに利益となる物や情報の交換を意味しますが、時には仕返しなど不利益の応酬を暗示することもあります。