桃娘(タオニャン)とは?
桃娘(タオニャン)(トウニャン)(たおにゃん)とは中国の伝説上に存在する少女であり、幼少期より桃以外の食べ物を与えられずに育ったことからこの名前がつけられています。
そのため身体どころか排泄物まで桃の香りがするといわれており、主に権力者の男性に好まれることから売買目的で育てられていたようです。
桃と水だけを与えられて育てられた少女のことで、その体液や肉体が不老長寿の妙薬とされていました。桃娘は秦の時代から存在したと言われていますが、歴史的文献には記録されていないため、実在したかどうかは不明です。
桃娘に関する文献は、正確な歴史的記録はないとされていますが、都市伝説や創作物としていくつか存在しています。例えば、以下のようなものがあります。
- 「桃娘って実在したの?中国都市伝説で語られる彼女達の生涯とその歴史とは?」という記事は、桃娘の由来や扱われ方、寿命などについて詳しく解説しています。
- 「桃娘 - Wikipedia」 というページは、岡山県のキャンペーンガールについて紹介していますが、中国にあったとされる食用人間についても言及しています。
- 「「桃の節句」の話」 というコラムは、桃の節句の起源や意味について説明していますが、桃娘の伝説も触れています。
これらの文献は、桃娘に関する情報を提供してくれますが、真偽や信憑性には注意が必要です。
桃娘は実在したかどうかは不明であり、都市伝説や創作物として扱われることが多いからです。
また桃娘という名前は「娘」の方にも意味があり、これは桃娘と呼ばれる人物が全員子供であることを表しています。理由としては桃だけ食べる生活を送っているために、栄養失調や糖尿病などに陥りやすく短命であったことが挙げられます。
中国の桃とは、どんな存在?
桃は中国の原産で、古くから中国の文化や神話に深く関わってきました。
桃は仙果と呼ばれ、不老不死や魔除けの力があると信じられていました。
桃の木は仙木と呼ばれ、桃源郷という理想郷の象徴とされました。
桃は中国から西に伝播し、ペルシアやヨーロッパ、アメリカにも広まりました。
桃の品種は多様で、水蜜種、ネクタリン種、蟠桃種、花桃系などがあります。
桃の漢字は「木」と「兆」からなり、「二つに割れる木の実」という意味です。
桃の読み仮名の「モモ」は「燃実」や「百」や「毛毛」や「真実」などの語源説があります。
人によって桃についての記録が残されているのは、紀元前2,000年頃から。桃が登場する最古の記録は、中国最古の農事暦『夏小正』である、中国最古の詩篇『詩経』であるなどと言われています。
唐の時代になると桃の栽培技術は更に確立され、広く栽培も行われていたと考えられています。
古代中国で、桃は邪気を祓い不老長寿を与える神聖な植物と信じられ、宗教的・象徴的意味合いでも重要視されていました。
桃の果物は食べた人々に長寿もしくは不死を与える、桃の木で作った弓は邪気を払う、日本で言うところの“破魔矢”のような効果。桃の果実そのものも、長寿などの意味を持っています。
中国における都市伝説と桃の精霊「桃仙子」
太古の中国では奴隷制や人身売買が存在したことに加え、町村規模でも纏足(てんそく)など非人道的な慣習が横行していたといわれています。中国の都市伝説には桃娘のようなおぞましい逸話が数多く残されていますが、同国の歴史背景を考えるとあながちデタラメとも言い切れないでしょう。
「桃娘」とは、中国の古典小説「西遊記」に登場するキャラクターの一人で、桃の精霊(桃仙子)です。彼女は桃の木の中から生まれ、桃の木の精霊たちと一緒に暮らしていました。
桃娘は、孫悟空との出会いがきっかけで主人公たちの仲間に加わります。
彼女は孫悟空や猪八戒、沙悟浄などとともに、西天取経の旅に参加し、多くの冒険を経験します。
桃娘は、美しく優しい性格で、仲間たちの中でも特に気配りができる存在です。
また、彼女は桃の木の精霊であるため、桃の実を使った様々な魔法や、桃の木を呼び出すことができます。
桃だけ食べる桃娘の歴史
桃娘は中国が秦(しん)という国名だった頃から存在したといわれており、このことから桃娘は紀元前より2000年以上も語り継がれてきた伝説であることが分かります。
また桃自体も2500年ほど前に中国で栽培が始まった果物であり、桃娘の発祥期と大体一致することも伝説の信憑性を高めているのです。
古くから桃には不老長寿や退魔といった神秘の力があると信じられていました。
桃を食べ続けた少女達には、不老長寿や退魔などの強力な力が宿ると信じられ、少女達は桃娘と呼ばれたのです。
桃娘(タオニャン)に関する悲しい逸話
桃娘という都市伝説は知れば知るほど悲しくなる逸話として有名ですが、その理由は桃娘となる少女らが大人たちから家畜同然に扱われていたことにあります。
というのも桃娘の身体や体液は不老長寿の妙薬とされており、当時の貴族は性交渉などを通じてこれを摂取していたというのです。
更に恐るべきは身体そのものにも効能があるとの考えから、桃娘を殺害し肉体そのものを摂取する人物もいたという点です。汗や尿を飲み、肉は食べられたと言われています。
古代の中国においてカニバリズムは食文化として根付いていたこともあり、歴史背景的に有り得ることがこの話の恐ろしさを倍増させています。
桃娘を育てる目的
りはびり楽描き
— トキメキさん (@55Tokimeki3) March 26, 2020
「うつくしまふく島の桃娘」 pic.twitter.com/VXDSlHOTMR
桃娘は性奴隷や不老長寿の薬として当時の貴族に大変重宝されていたとのことであり、そのため桃娘の親らは、最初からお金持ちへ高値で売り払うために自分の子供を育てていたといわれています。
当時の貧民らは容姿の整った女の子が生まれれば、離乳の段階から桃娘として育て始めていたようです。
中国では今でも貧困層を中心に子供を出稼ぎに行かせるケースが多く、子供を商品とする人身売買も完全にはなくなっていません。
桃娘の用途はともかく、「子供を売買目的で育てる親がいた」こと自体は十分に真実味のある話といえます。
桃だけ食べる桃娘は本当に実在したのか?
当時の歴史や文化など「桃娘が誕生する条件」は整っているものの、現実には桃娘は都市伝説上の存在に留まっています。その一番の理由は桃娘が実在したことを示す文献が一切ないことであり、結局は言い伝えの域を出ないことから現状では架空の話とみなされているようです。
しかし桃娘が実在したとすればあまりに酷い歴史なので、国が情報を秘匿している可能性もゼロではありません。