桃娘(タオニャン)とは?
桃娘(タオニャン)とは中国の伝説上に存在する少女であり、幼少期より桃以外の食べ物を与えられずに育ったことからこの名前がつけられています。そのため身体どころか排泄物まで桃の香りがするといわれており、主に権力者の男性に好まれることから売買目的で育てられていたようです。
また桃娘という名前は「娘」の方にも意味があり、これは桃娘と呼ばれる人物が全員子供であることを表しています。理由としては桃だけ食べる生活を送っているために、栄養失調や糖尿病などに陥りやすく短命であったことが挙げられます。
中国における都市伝説
太古の中国では奴隷制や人身売買が存在したことに加え、町村規模でも纏足(てんそく)など非人道的な慣習が横行していたといわれています。中国の都市伝説には桃娘のようなおぞましい逸話が数多く残されていますが、同国の歴史背景を考えるとあながちデタラメとも言い切れないでしょう。
桃娘の歴史
桃娘は中国が秦(しん)という国名だった頃から存在したといわれており、このことから桃娘は紀元前より2000年以上も語り継がれてきた伝説であることが分かります。また桃自体も2500年ほど前に中国で栽培が始まった果物であり、桃娘の発祥期と大体一致することも伝説の信憑性を高めているのです。
桃娘に関する悲しい逸話
桃娘という都市伝説は知れば知るほど悲しくなる逸話として有名ですが、その理由は桃娘となる少女らが大人たちから家畜同然に扱われていたことにあります。というのも桃娘の身体や体液は不老長寿の妙薬とされており、当時の貴族は性交渉などを通じてこれを摂取していたというのです。
更に恐るべきは身体そのものにも効能があるとの考えから、桃娘を殺害し肉体そのものを摂取する人物もいたという点です。古代の中国においてカニバリズムは食文化として根付いていたこともあり、歴史背景的に有り得ることがこの話の恐ろしさを倍増させています。
桃娘を育てる目的
りはびり楽描き
— トキメキさん (@55Tokimeki3) March 26, 2020
「うつくしまふく島の桃娘」 pic.twitter.com/VXDSlHOTMR
桃娘は性奴隷や不老長寿の薬として当時の貴族に大変重宝されていたとのことであり、そのため桃娘の親らは、最初からお金持ちへ高値で売り払うために自分の子供を育てていたといわれています。当時の貧民らは容姿の整った女の子が生まれれば、離乳の段階から桃娘として育て始めていたようです。
中国では今でも貧困層を中心に子供を出稼ぎに行かせるケースが多く、子供を商品とする人身売買も完全にはなくなっていません。よって桃娘の用途はともかく、「子供を売買目的で育てる親がいた」こと自体は十分に真実味のある話といえます。