発明家「二コラ・テスラ」とはどんな人物?
ニコラ・テスラは19世紀中期から20世紀中期の電気技師、発明家です。持って生まれた天才的な頭脳と革新的なアイディアによって数々の発明品を残し、それらは現代における私たちの生活にも多大な影響を与えています。
テスラは交流電流を発明し、当時直流電流を普及させようとしていたトーマス・エジソンのライバルでした。また、自身が発明したテスラ・コイルを応用して地球の磁場からフリーエネルギーを生成し、すべての電子機器にワイヤレスで送電する「世界システム」を提唱しました。このことから、磁束密度の単位「テスラ」にその名を残しています。
ニコラ・テスラは当時としてはあまりに革新的な考えの持ち主であったために、周囲からの理解を得られずマッド・サイエンティストとして扱われていました。また、宇宙や霊界との交流を試みていたことから、現代でもオカルト的な発明家として見られることが多い人物です。
二コラ・テスラの来歴
1856年7月9日の深夜、ニコラ・テスラは現在のクロアチア西部で生まれました。幼少期から電気に興味を持ち、宇宙や自然のエネルギーに着目して、これらを活用して人類のために役立てたいと考えるようになります。
28歳の時、アメリカへ移住したテスラは、あのトーマス・エジソンのもとで働くことになります。当時世の中の主流はエジソンが提案した直流電流でしたが、テスラは交流電流の優位性を唱えます。結局2人の意見は合わず、テスラはエジソンとの確執を抱えたまま1年ほどで会社を去りました。
その後、エジソンの直流送電システムとテスラの交流送電システムは真っ向から対立し、最終的にコスト面と安全面から、テスラの発明した交流送電システムが勝利しました。これが有名な「電流戦争」です。
テスラはその後も研究を重ね、後世に様々な発明品を残しました。
現代にも影響を与える二コラ・テスラの発明
ニコラ・テスラが残した300個以上の発明品の中には、現代における私たちの生活を支えている重要なものが数多く存在します。その代表的なものを紹介しましょう。
- 交流電流
- ラジオ
- 蛍光灯
- 遠隔操作(リモートコントローラー)
- X線(レントゲン)
- 電動モーター
- ヘリコプター
また、ニコラ・テスラは「環境に配慮した技術こそが優れている」と主張していました。今でこそ環境保全は当然のこととされていますが、テスラは当時から誰よりも早く自然の尊さを訴えていたのです。このことからも、彼がいかに革新的な考えを持っていた人物かがわかります。
二コラ・テスラは霊界や宇宙から情報を得ていた?
ニコラ・テスラは自身の革新的なアイディアについて、「アイディアは内側から湧き上がるものではなく、宇宙にある知識の源からもたらされるものである」と語っていました。宇宙に存在する知識の源に自分の波長を合わせると、アイディアが3Dのように浮かび上がってくると言うのです。
晩年は霊界と通信する装置の研究に没頭し、よりスピリチュアルな一面が強まりました。
二コラ・テスラの名言にも痕跡がある?
ニコラ・テスラは多くの名言を残しましたが、その中でも霊界や宇宙から情報を得ていたのではないかと思われる名言を1つご紹介します。
If you want to find the secrets of the universe, think in terms of energy, frequency and vibration.
宇宙の秘密を知りたいのなら、エネルギー、周波数、波動という観点から考えなさい。
この名言から、テスラが宇宙にはエネルギーが存在する、波動を合わせることで宇宙からの恩恵を受けられる、とスピリチュアル的な考えを持っていたことがわかります。今では浸透しつつあるスピリチュアルという概念ですが、この当時はまったく理解を得られませんでした。
このような発言や、実際に宇宙人と交信しようとしていたことなどからテスラは「狂気の科学者」というレッテルを貼られ、現代の日本でもオカルト的な人物として認識されています。
二コラ・テスラが人生を捧げた「世界システム」とは?
テスラは、地球が電気と一定の周波数のエネルギーを発していることを証明し、このエネルギーを活用して、あらゆる電化製品をワイヤレスで動かすことができるのではないかと考えていました。この地球のエネルギーから電力を取り出すことを「フリーエネルギー」といいます。
1901年、テスラは出資者であるJPモルガンの援助を受けて、ニューヨーク州ロングアイランドのショアハムに高さ57メートルもの電波塔「ウォーデンクリフタワー」を建設し、地球全体にワイヤレスで電気を送る「世界システム」の計画を実行しようとしました。しかし、1904年にJPモルガンからの出資が打ち切られ、テスラの世界システムの研究は途絶えることとなってしまいます。
世界システムのカギを握るテスラ・コイル
ニコラ・テスラは高周波・高電圧を発生させる共振変圧器「テスラ・コイル」を開発しました。このテスラ・コイルを応用し、地球の磁場を利用して電気振動と共鳴させることで、フリーエネルギーを無限に得られる仕組みを発明しようとしたのです。
この装置はウォーデンクリフタワーの内部にも設置されており、実際に40km先にある200個もの電灯を点灯させることに成功しました。
世界システムは陰謀によって消された?
ニコラ・テスラが抱いた世界システムの夢は資金に恵まれず消えてしまいましたが、その裏には陰謀が隠されていたのではないかという説があります。
1つ目は、出資者であるJPモルガンが銅を扱う会社を持っており、テスラの世界システムが確立すると銅線が売れなくなると判断したために、出資を打ち切ったのではないかという説です。また、テスラがJPモルガンの娘と恋愛関係になったことから、モルガンとの関係が悪化し、出資が打ち切られたとも言われています。
2つ目に、テスラは世界システムで生成したフリーエネルギーを利用してすべての電力を無償で提供しようとしたため、危機感を抱いた電力会社がテスラの研究を阻止したという説があります。
3つ目は、テスラが研究していた人工地震発生装置「HAARP」や、地球を半分に割ってみせるといった言動が危険視され、暗殺されたのではないかという説です。テスラがホテルの一室で亡くなった際、部屋に置いてあった大量の論文や研究データが何者かによって盗まれていました。一説によると、この件にはFBIかCIAが関与しているのではないかと言われています。
世界システム確立への道が途絶えた後もテスラは様々な研究を続けていましたが、資金や機会に恵まれず87歳でその生涯を終えました。世界システムは惜しくも実現されませんでしたが、彼の研究が成功していれば現代の私たちの生活は大きく変わっていたことでしょう。
二コラ・テスラのまとめ
- ニコラ・テスラは交流電流を発明し、直流電流を普及させようとしていたトーマス・エジソンとライバル関係にあった
- テスラ・コイルを応用してフリーエネルギーを生成し、地球上の電力をすべて無線で供給する「世界システム」を提唱した
- 霊界や宇宙と波長を合わせることでインスピレーションを得るなど、スピリチュアルな一面があった