ツバメの巣ができると縁起が良い理由は?
ツバメの巣作りは、初夏(5月)を迎える頃になると日本のあちらこちらで見かけるようになりますね。ツバメは渡り鳥で、冬は台湾やフィリピンなど暖かい国で暮らし、暖かくなり始めた頃に長い距離を飛んで日本に渡ってきます。
「毎年同じツバメが巣作りに戻ってくるの?」と不思議に思うほどに、毎年同じ家の軒下にツバメの巣を見かけませんか?
しかも、人が行き交う道路に面した家の軒下だったり電柱だったりと、人目につきやすいところに巣作りをするのも特徴です。
このようなツバメの巣について日本では、昔からツバメの巣が家に作られると縁起が良いという言い伝えがあります。ここから、なぜ縁起が良いとされているのか詳しく説明していきます。
ツバメが巣を作る家は環境が良い
小さな生き物は外敵に弱く、本能的により安全な場所に巣作りをし子育てします。ツバメもしかりで、人通りが多い軒下などに巣を作るのは、外敵である蛇や鷲、カラスなどから身を守るためとされています。また、ツバメは雛を丈夫に育てるため居心地の良い場所を捜し求めて、湿度や温度が最適で風通しの良い場所に巣作りする習性があります。
つまり、ツバメが巣を作る家というのは、人にとっても環境の良い明るく快適に過ごせる家ということになります。また、その家の住人が人との交流が盛んで、心身ともに活発で健康であることの証明とも言えるでしょう。
ツバメが巣を作る家は風水的にも吉!
海外と日本の長い距離を、方角を間違わず行ったり来たり移動するツバメは、風や空気、気の流れを敏感に感じ取る能力が優れていると言われています。空気や気の流れは風水に通じるところがあり、ツバメは本能で鬼門に当たる場所には巣作りをしないようです。
風水では、鬼門に玄関や水周りを作ることを良しとしません。玄関の周囲にツバメが巣作りをすることは、玄関の方角が鬼門でないことを意味し、風水的に吉で縁起の良い家と言えるでしょう。
ツバメの巣はどんな幸運をもたらすといわれているの?
ツバメが家に巣を作り子育てを始めると、昔からスピリチュアル的な要素も含め「幸せを呼ぶ家」と言い伝えられてきました。中には、宝くじ当たったという話もあります。
では、ツバメの巣と共にどのような幸せが訪れるのでしょうか?昔から言い伝えられている幸せに、どのようなものがあるか具体的に見てみましょう。
1:家が繫栄する
「ツバメが巣を作る家は繁盛する」という考えは、全国各地でみられます。繫栄している家は、知人友人が多く人の出入りも多いものです。ツバメは人の気配を近くに感じ居心地の良い家に巣を作る傾向がありますので、ツバメが軒下に巣を作り始めたら、さらなる家の繫栄に期待が持てます。
また繁盛している店舗は人の出入りが多いものです。ツバメは人が多く行き交うところに巣を作るので、ツバメの巣を店舗で見かけると縁起が良いとされています。
2:豊作をもたらす
ツバメの巣作りを多く見かける年は、豊作をもたらすと言われています。
ツバメの雛というと、巣の中で口を大きくあけて両親のツバメから餌を貰っている姿が目に浮かびますが、ツバメの餌は稲作の天敵である害虫です。つまり、ツバメの多い年はツバメが害虫を食べるので、害虫が少なくなり稲が良く育つというわけですね。
3:子宝に恵まれる
「ツバメが家に巣を作ると子宝に恵まれる」と言われています。
ツバメは穏やかな空気が漂う場所に巣を作るので、ツバメの巣がある家は家庭円満の家族が想像できますね。また、ツバメは通常一度に5~6個の卵を産むので、子沢山のイメージがあります。このことからスピリチュアルな意味合いで、ツバメと子宝に恵まれることが結びついたようです。
4:火事がでない
「ツバメが巣を作った家は火事にならない」と言われています。
しかし、ツバメの巣作りで家が火事にならない根拠は、何もありません。ツバメが求める居心地の良さが、家屋の手入れが行き届いている住居につながり、その家の住人は火の不始末など不注意な行動はしない、という前提の話のようです。
5:金運が上昇する
「ツバメが家に巣を作ると金運が上昇する」と言われています。
前述したようにツバメは害虫を食べてくれますので、稲作農家は豊作となり収入が増えると考えられます。また、ツバメは人の出入りが多い場所に巣を作りますので、商店では商売繁盛に繋がり収入が増えるでしょう。このことから、ツバメは金運上昇のシンボルとして考えられています。
ツバメの巣が落ちると縁起は悪いの?
ツバメの巣が地上に落下しても、縁起が悪いという話はありません。
ツバメの巣は泥やわら、植物、ツバメの唾液などを材料とし、少しずつ運び乾かしながら時間をかけて完成させます。ツバメの唾液は強力な粘着力があるので、ツバメの巣はもともと落下しにくいものです。しかし、巣作りが不安定な場所であったり天候不順であったりの理由で、中にはツバメの巣が落ちることがあります。また、卵や雛を狙ってツバメの巣を壊すカラスのような外敵もいます。
このようにツバメの巣が落下にはさまざまな理由があり、珍しいことではありません。ツバメの巣の落下は可愛そうではありますが、気に留めないようにしましょう。
ツバメの巣を撤去しても大丈夫?
結論から言うと、ツバメの巣を意識的に撤去したら縁起が悪いという話はありません。幸運を運ぶとされるツバメですが、糞が落下して環境美化を損ねたり衛生面での心配事が出てきたりと、弊害を伴うのも事実です。ツバメの巣作りが玄関前の軒下であったり、赤ちゃんや小さな子供がいたりする家庭では、問題は深刻ですね。リスクの方が大きい場合は、ツバメの巣を早めに撤去しましょう。
ツバメの巣を撤去するときの注意点
ツバメの巣を撤去する場合は、ツバメが産卵する前に行いましょう。鳥であってもすでに宿っている命を壊すのに気が引けますし、法的にも違反行為となります。
日本では、産卵後の巣を意識的に壊すと鳥獣保護法違反となり、違反者には100万円以下の罰金か一年以下の懲役が科せられる可能性があります。
そのため、ツバメの巣作りを歓迎しない場合は、ツバメが巣を作り始めたらその都度巣を撤去し、ツバメに巣作りを歓迎しない意思を伝えましょう。
ツバメの巣が幸運とされる意味や巣の撤去のまとめ
- ツバメが巣を作る家は、環境がよく風水も吉
- ツバメの巣は、豊作をもたらし金運上昇
- ツバメの巣の撤去は、ツバメが産卵する前に