「ゼロ磁場」とは?
まずはゼロ磁場の概要と大まかな場所、そして期待されている効能を解説します。
ゼロ磁場は「+と-の力が拮抗した状態」
ゼロ磁場とは、名前の通り磁場が生じていない場所のことです。本来地球は北極にS極、南極にN極を持っており、地球上の磁気をプラス・マイナスに応じてそれぞれの極に引き寄せます。
しかしごく稀にこのプラス・マイナスの力が拮抗し、どちらの極にも傾かず磁力の流れが止まっている場所もあります。N極・S極の性質を利用した方位磁石も、こうした環境下ではまともに方角を示せません。
詳しい仕組みは未だ解明されていないものの、こうしたゼロ磁場は日本にも何箇所か存在することが分かっており、訪れた人の身に起こった不思議な出来事からパワースポットとして認知されています。
ゼロ磁場の「働きと効果」
ゼロ磁場は磁力の流れが止まっている場所であるため、疲れが取れたり体が軽くなったりと、ある種の「ふわっとした感覚」を味わえたという人が多いようです。なかには腰痛などの持病や心の病気が改善されたケースもあり、極端な例では「ガンが治った」という驚きの逸話もあります。
これらの効能はあながちオカルトとも言い切れず、医療の現場で数々の磁気治療器が用いられるなど、磁力が身体に良い影響を与えることには確かな科学的根拠があるのです。パワースポットという言葉に胡散臭さを感じるかもしれませんが、心身に不調を抱えている人はぜひ一度足を運んでみるといいでしょう。
ゼロ磁場はパワースポット「寺社仏閣」「水のある所」など
ゼロ磁場は大地の動きに沿っている場所、すなわち活断層の上に多く存在します。渓谷や滝の上など、地形を分断している水場がゼロ磁場になりやすく、場所だけでなく水そのものにも健康面での効果が期待できます。
また世界最大級の活断層である「中央構造線」の上には、伊勢神宮や高野山など多くの有名な寺社仏閣が軒を連ねており、昔の人はゼロ磁場のパワーを感じ取ったうえで、神社やお寺の建造場所を選んでいたのかもしれません。
ゼロ磁場で有名なスポット「分杭峠」と「諏訪大社」
本項では代表的なゼロ磁場である、「分杭峠」と「諏訪大社」について解説します。どちらも長野県のパワースポットであり距離はそれほど離れていないので、時間があれば両方訪れるのがおすすめです。
長野県の「分杭峠」は大断層・中央構造線の真上
分杭峠とは長野県の伊那市と大鹿村を隔てる標高1424mの峠で、中央構造線の断層谷を利用した秋葉街道の一部でもあります。
パワースポットと呼ばれるようになったきっかけは1995年に中国の有名な気功師・張志祥さんが伊那市を訪れた際、中国の一大パワースポット「蓮花山」に匹敵するエネルギーを分杭峠で感知したことです。以降、分杭峠はゼロ磁場として徐々に知られるようになり、今では全国各地から人が訪れる一大観光地となりました。
ふもとの駐車場からシャトルバスが運行しており、秘境でありながらアクセスが良いのも魅力です。波動水と呼ばれる沢の水を自由に汲めるほか、写真を取ると白いモヤが映るなど楽しめる要素がたくさんあるので、来訪の際はぜひお試しください。
「諏訪大社」は中央構造線のスグ近く
諏訪大社は長野県の諏訪湖周辺に4宮を構える神社で、中でも上社本宮が断層の真上に位置しています。創建年は分かっていないものの日本最古の神社の一つと言われており、6年毎に行われている御柱祭では、御神木の力にあやかろうと毎回多くの見物客が訪れます。
諏訪湖や富士山など様々な自然のエネルギーを収束させたような立地、そしてゼロ磁場や七不思議の伝説など多くのスピリチュアルな要素を併せ持っており、数あるパワースポットの中でもひときわ神秘的な場所といえるでしょう。御柱祭は6年毎ですが、御柱自体はいつでも拝むことができるので、観光ついでに手を合わせておくといいでしょう。
その他日本の「ゼロ磁場」はどこ?
分杭峠や諏訪大社以外にも数多くある日本のゼロ磁場から、いくつかの有名どころを関東・関西に分けて紹介します。
関東「東京・愛知・神奈川」
東京「等々力渓谷」「高尾山」
等々力渓谷は東京23区内にある唯一の渓谷で、都心部とは思えない穏やかな自然を楽しむことができます。不動の滝や弁天堂明王台などゼロ磁場の恩恵にあやかれるスポットが複数あるので、首都圏在住であまり遠出したくない人におすすめです。
また首都圏内のゼロ磁場といえば、東京都八王子市にある高尾山も外せません。登山初心者のハイキングコースとして人気のスポットですが、ゼロ磁場と分かって訪れている人は多くありません。高尾山は古来より修験道の霊山であり、また天狗伝説が言い伝えられている場所でもあります。信心を込めながら山道を歩くことで、健康面でのご利益に期待が持てます。
愛知「百間滝」
百間滝は愛知県新城市にある全長120mの滝で、中央構造線上に位置するれっきとしたゼロ磁場です。ここで発生するエネルギーは長野県の分杭峠を上回るとも言われており、湧き水を汲んだり、滝の水しぶきを浴びたりすることでよりいっそう心身を浄化することができます。
滝の上が最もパワーが強いとされていますが、万が一のこともあるので川のそばに近づきすぎないよう注意が必要です。滝つぼへ向かう道中に展望所も2箇所あるので、ゼロ磁場を安全に味わいたい人はこちらを利用するといいでしょう。
神奈川の「七沢」
七沢荘は神奈川県厚木市にある温泉宿で、庭には金運の湯や七福神神社、フロントには巨大な三波石が鎮座するパワースポットの宝庫です。波動風呂と名のつく温泉は美容や健康に効果があり、ゼロ磁場と温泉のダブルパワーで心身を浄化できます。
また七沢荘が有名な理由は、単にパワースポットが豊富だからというだけではありません。というのも旅館の近くにある自家源泉を、七沢荘の創業者である中村重男さんが親友とともに「ゼロ磁場」と名付けており、七沢荘はゼロ磁場という言葉の発祥地でもあるのです。
関西「三重」
伊勢神宮の「瀧原宮」
伊勢神宮は多くの人が知る日本三大神宮の1つですが、ゼロ磁場といわれている瀧原宮は伊勢神宮の「別宮」であり、参拝客が主に訪れる「正宮」からは車で1時間ほどかかります。そのため伊勢神宮の名を冠していながら参拝客は少なく、静寂な雰囲気が漂う穴場スポットとなっています。
瀧原宮は知名度の低さとは裏腹に、天照大神を祀っており起源は2000年以上前まで遡るなど、歴史的にも宗教的にも非常に格の高い神社です。パワースポットにふさわしい静けさもさることながら、幹の表面がねじれた杉の木などを通して、ゼロ磁場であることを分かりやすく実感できるのも魅力です。