春分の日の意味とは?
長く寒さの厳しい冬も終わりに近づき、春が始まろうとする3月下旬に迎えるのが春分の日です。ちょうど学校などで卒業式を行うタイミングで迎えますが、春分の日にはどのような意味があるのでしょうか?
自然にまつわる意味を持つ
国民の祝日に関する法律である祝日法によれば、春分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ」趣旨があると明記されています。一見すると近年の環境意識の高まりを反映しているようにも見えますが、豊かな日本の自然を守っていく決意の表れといって良いでしょう。
春分の日の由来とは?
春分の日の由来は、明治時代の1879年から行われていた春季皇霊祭です。春季皇霊祭は、毎年春分を迎える時期に歴代の天皇や皇族の霊を祭るための儀式として執り行われていました。
当時の日本は天皇を頂点とする国家であったこともあり、春季皇霊祭に合わせて国定の休日とされていましたが、敗戦後にGHQ(連合国軍総司令部)の指導のもと、休日としての春季皇霊祭は廃止になりました。
そして、1948年に祝日法の施行によって現在の春分の日が誕生することになります。なお儀式としての春季皇霊祭自体は今でも皇室や全国の神社で行われています。
今年2020年の春分の日はいつ?
2020年の春分の日は3月20日の金曜日です。年によって日付が異なることもありますが、基本的には20日か21日が春分の日になります。
これは春分の日が毎年国立天文台の行う太陽の運行や地球の公転の観測結果に基づいて決められるためです。春分、つまり昼と夜の長さが同じくらいになる瞬間は毎年分単位で決まるうえ、年を経るごとに少しずつずれていきます。具体的な決め方は以下で見ていきましょう。
いつなのかを特定する計算方法
そもそも春分の日は、天文学上で「春分日」とされる日を指すとされています。春分日とは、春分点といわれる点を太陽が通過する日です。
詳しく説明すると長くなってしまいますので詳細は省略しますが、簡単に言ってしまうと、春分の日を特定するためには太陽が春分点を通過する日を計算すれば良いと言うことです。
太陽が春分点を通過して再度通過するまでにかかる日数は、「365.242194日」で、これを本来は1年としています。私たちが知るカレンダーでは、1年は365日として表示されているので、実際には端数部分(0.242194日=約6時間)だけ毎年遅れが生じる計算です。
そのため、本来であれば4年ごとに春分の日が1日ずつずれていきますが、うるう年に1年を366日とすることで、このずれを修正することになります。
マイルド君
ちなみに、春分点は「黄道」と「天の赤道」が交わる点のひとつを指しています。黄道と天の赤道を簡単に説明すると下記のイメージです。
・黄道
地球から見た太陽の見かけ上のルート(実際動いているのは地球)
・天の赤道
地球の赤道を宇宙まで延ばした線
法律上の決め方
春分の日は天文台の計算では以上のような決め方をしますが、春分の日は国民の祝日であるため計算結果に基づき、国が法律にそって日付を決める必要があります。国による決め方とはどのようなものなのでしょうか?
具体的には毎年2月までに天文台の計算結果が「暦象年表」にまとめて政府に提出され、時の内閣が毎年2月最初の閣議で最終決定するのです。そして決定された日付が官報で公表され、それに基づいてカレンダーにも反映される形で私たちが翌年の春分の日を知ることになります。