「ばくる」の意味とは
ばくるとは「物を交換する」という意味がある北海道弁です。名前の由来は、博労(ばくろう)と呼ばれる家畜の仲人から来ています。職業で使われていた言葉が方言になったもので、物を交換するときに使われます。
しかし、全ての物を交換する時に使われる言葉ではないのです。例えば、タイヤの交換の時などに「ばくる」という言葉を使うことはありません。基本には相手と何らかの物を交換する時に使う言葉で、知人や友達同士で物を交換する時にはよく使われる言葉です。
北海道弁として日常的に使われますが、大人になってからも使う人はそれほど多くありません。そのため、ばくるという言葉は子供から多く聞かれ、特に小学生ではよく使われます。お年を召した人の中には方言として好んで使う人もいます。
「ばくる」は北海道の方言
ばくるは、北海道ではほぼ全域で使われている方言の一つです。日常的に使われる言葉ではありますが、大人になるとあまり使いません。ただし全域で使われているので方言自体の普及率はとても高く、普段は使わない若者世代でも「ばくる」の意味を知っている人はとても多いです。
ばくるは、「ばくって」や「ばくろう」などといったように使われます。あくまで、相手が持っているものが欲しいと思ったときに、自分の物と交換して欲しい気持ちを表す方言と言えます。一説では青森の一部でも使っている人がいるそうです。
「ばくる」の使い方の例
ここでは「ばくる」を使った例文をいくつかご紹介します。日常生活の中で「ばくる」という方言がどのように使われるのか、シチュエーションを会話形式で解説します。
「もしよかったらさ、コレとソレばくりっこしない?」
この例文を標準語で言いかえますと、「もしよかったら、これとそれを交換しない?」という意味になります。シチュエーションとしては、相手が好きなキャラクターの人形を持っていたときで、かつ自分の持っている人形が相手の好みに合っている場合などに、相手と物を交換したい時に使います。
相手と交換できるような物がないときには使われず、等価交換の意味合いとして使われる方言です。
厨二くん
「今日さ、女子に人気の人形が手に入ったさ。思わず買っちゃったんだわ。」
厨二ちゃん
「もしよかったらさ、コレとソレばくりっこしない?」
(よければ、これとそれを交換しない?)
「野菜苦手だからあの人のおかずとばくってもらおうかな。」
この例文を標準語に言いかえますと、「野菜苦手だから、あの人のおかずと交換してもらおうかな。」という意味になります。
シチュエーションとしては、給食のおかずに自分の嫌いなおかずが入っていたけれど、相手がそのおかずを好きな場合で相手と交換したいときに使います。これはあくまでも相手が好きなおかずを自分が持っていることが前提です。ばくるという方言は、相手と取引が成立しない場合にはあまり使われることはありません。
ボブ
「野菜苦手だからあの人のおかずとばくってもらおうかな。」
(野菜が苦手だから、あの人のおかずと交換してもらいたいな。)
チャーリー
「苦手なら、僕のとばくっても良いよ。」
(苦手なら、僕のと交換してあげるよ。)
- ばくるの意味は「物を交換する」ことで等価交換の意味合いが強い
- 交換相手がいない場合や、タイヤ交換・電池交換などでは使わない
- 北海道の方言で子供が使うことが多いがまれに大人も使う
- 北海道全域で使われているので普及率はとても高い