「おしょうしな」とは?山形の方言の意味や使い方を知ろう
「おしょうしな」は山形県の方言で「ありがとう」という感謝の意を持った言葉です。
「おしょうしな」のさらに丁寧な表現には「おしょうしなし」という方言があり、親しい間柄では「おしょうしおしょうし」など早口で2回続けて使うこともあるようです。
「おしょうしな」は山形の方言
「おしょうしな」は山形県の方言であり、主に米沢市で使われる山形弁の一つです。また、「おしょうしな」は「おしょうし」の丁寧語であり、「御笑止な事」の略です。
「おしょうし」とは「笑止」が転意した言葉と言われています。そのため、「おしょうし」を漢字で書くと「御笑止」になります。「おしょうし」は現在と意味が異なり、本来の意味は「かたはらいたいこと」や「恥ずかしい」という意味でした。
現在、山形県の方言として使われている「ありがとう」という意味になったのは、相手から褒められた時のくすぐったい気持ちや気恥ずかしい気持ちを「笑止」と表現するようになったからだと言われています。「笑止」に「御」がつき、「御笑止」となったのは婦人用語として使われていた名残であり、現在は男女関係なく使われるようになっています。
また、「おしょうしな」は「御賞詞名」と書くときもありますが、「ありがとう」という意味が確立されてから無理矢理つけた当て字ではないかという見方が非常に強くなっています。
「おしょうしな」の使い方の例
山形弁「おしょうしな」の使い方の例をいくつかご紹介します。柔らかい印象で感謝の気持ちを伝えることが出来る「おしょうしな」を使った例文を見ていきましょう。
「こんな事までしてもらって、おしょうしな~。」
この例文を標準語に置き換えると「こんな事までしてもらって、ありがとう」という心からの感謝が込められた文になります。手厚いもてなしを受けて少し気恥ずかしく、恐縮した意味を持った「おしょうしな」の使い方です。
「助かる!おしょうしな。」
マイルド君
先に席取っておいたよ!
上京君
助かる!おしょうしな。
標準語に置き換えると「これは助かる!ありがとう」という意味になります。先ほどご紹介した「おしょうしな」に比べ、フランクな使われ方をしています。
「おしょしおしょし!またね。」
「おしょしおしょし」は先ほどご紹介したように「おしょうし」を2回使った言葉です。極めて親しい間柄で使われる、とてもフランクな「ありがとう」の表現です。世間話をしていた近所の人が「ありがとう、ありがとう!またね」と何度もお礼を言いながら帰る姿がイメージできます。
その他の地域の「ありがとう」
その他の地域では「ありがとう」をどう表現しているのでしょうか。
多くは語尾が変化したものが多く、山梨県の「ありがとうごいす」や岩手県の「ありがとうがんす」などがあります。
そして大阪府や京都府、奈良県などの関西圏では「おおきに」という言葉を使うことが多いようです。
しかし、初めてでは「ありがとう」という意味だと分からないような言葉もいくつかあります。例えば、福井県の「きのどくな」や鳥取県の「だんだん」、沖縄県の「にへーでーびる」などが挙げられます。
その土地ならではの「ありがとう」の表現について調べてみるのも面白いでしょう。
- おしょうしなの意味は「ありがとう」
- 「おしょうしなし」はおしょうしなの丁寧語
- 「おしょしおしょし」はおしょうしなを2回使った言葉