「いちゃりばちょーでー」の意味とは
「いちゃりばちょーでー」の意味は「行逢りば、兄弟」で、すなわち「一度会えば兄弟みたいなもの」という意味です。類似する意味の言葉としては、「袖すりあうも他生の縁」「一期一会」などが挙げられます。
「いちゃりばちょーでー」は沖縄の方言
「いちゃりばちょーでー」は沖縄弁です。使われている地域としては、沖縄全域となります。
一度逢えばみな兄弟みたいなものだという考えは、沖縄の歴史の悲惨な経験や過酷な体験を経て助け合いの精神が生まれ、根付いたものであると言われています。
「いちゃりばちょーでー」の例文として有名なものは、沖縄民謡の『兄弟小節(ちょうでぇぐゎぶし)』の一節で「行逢りば兄弟 何隔てぬあが 語れ遊ば(いちゃりばちょーでー ぬーふぃだてぃぬ あが かたれー あしば)」という歌詞です。
この意味は「出会えば兄弟 何の隔たりもないよ 酒を飲んで語らい、歌い、踊ろう」というものです。
沖縄の人は大らかで明るく、人と人との出会いを大切にする県民性で人懐っこい暖かい笑顔を惜しみなく振りまき、外から来た者を受け入れてくれます。
「いちゃりばちょーでー」の使い方の例
人との出会いを大切にして「一度会えば兄弟みたいなもの。仲良く付き合っていきましょう」と考える沖縄県の人々はどのようなとき、どんなシチュエーションで「いちゃりばちょーでー」と言っているのでしょうか?
沖縄弁の「いちゃりばちょーでー」の例文をご紹介します。
「気にしないで。いちゃりばちょーでーさぁね。」
ボブ
○○ホテルに行きたいのですが、道が分からないので教えてくれませんか?
萌え袖ちゃん
そんなら、わーぬ(私の)車に乗っていけばいいさぁ。
気にしないで。いちゃりばちょーでーさぁね。
「いちゃりばちょーでーの気持ちでしたらいいさ。」
上京君
沖縄に移住して介護の仕事に就きたいと考えているんだけど、島の人たちとうまくやっていけるか不安だなぁ。
女神さま
なんくるないさぁ。いちゃりばちょーでーの気持ちでしたらいいさ。
その他の沖縄弁
有名な沖縄弁に「なんくるないさぁ」があります。現在は「なんとかなるさ」というニュアンスで日常的に使われていることが多いのですが、実はもっと深い意味があるのだそうです。
「なんくるないさぁ」は本来、「まくとぅそーけー なんくるないさ」と言って「正しいことを挫けずに努力していれば、いつか良い日がやってくる」という意味の言葉でした。そして、「なんとかなるさ」という意味の沖縄弁は「ちゅーにかいさ」と言います。つまり「なんくるないさぁ」と言う言葉は、もともとは楽観的な意味では使われていなかったのです。
他にも「ぬちどぅたから」は「命こそ宝」という意味で、「ゆいまーる」は「困ったときはお互い様だから、困っている人がいたら助けてあげよう。いつかそれが自分に返ってくるから」という意味です。
今回ご紹介した沖縄弁は、時代に翻弄されてきた沖縄の歴史や、助け合わねば生きていけない過酷な環境の中から生まれた言葉なのです。
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