「ぼっけぇ」の意味とは
「ぼっけぇ」は「とても・すごく・非常に」という意味の岡山の方言で、「ぼっけえ」「ぼっけー」とも書きます。例文を挙げると「ぼっけぇ疲れた。(とても疲れた)」「ぼっけぇ雨だった。(すごい雨だった)」といった使い方をします。また「とても」を表すだけではなく、「ぼっけぇのう(大変だね)」など同情を表す時にも使われる言葉です。
岩井志麻子さんの著作で『ぼっけえ、きょうてえ』というホラー小説があります。この書名は岡山弁で、「ぼっけえ、きょうてえ」を標準語にすると「とても怖い」という意味になります。「ぼっけぇ」は他の地域ではなかなか耳にすることのない言葉ですが、岡山県では日常的に使われる方言の一つと言えます。
「ぼっけぇ」は岡山の方言
「ぼっけぇ」は岡山の方言です。岡山弁は広島県の一部でも使われていますが、逆に方言ネタで知られるお笑い芸人・千鳥の二人は岡山県(井原市、笠岡市)出身でも、福山弁(広島県)に近い岡山弁を話すそうです。
岡山県には独特の方言が多く、「とても・すごく」といった意味を表す「ぼっけぇ」に似た言葉は「でぇれぇ」「もんげぇ」「ぼれぇ」などたくさんあります。中でも「もんげぇ」は、人気アニメ『妖怪ウォッチ』で狛犬の妖怪兄弟がよく使う言葉なので、ご存じの人が多いかもしれません。
「ぼっけぇ」の由来は知られていませんが、でぇれぇは「どえらい→でーらい→でぇれぇ」、もんげぇは「ものすごい→ものすげぇ→もんげぇ」と変化していったと言われています。岡山県の方言は語尾を「~ぇ」とする言葉が多いため、「ぼっけぇ」も同様に何らかの言葉が変化したと推測されます。
岡山弁の中でも「とても・すごく」を一番強く表す言葉が「ぼっけぇ」です。現在、岡山県では「ぼっけぇ」以外の「とても・すごく」といった意味を持つ方言はあまり使われなくなってしまったそうです。
「ぼっけぇ」の使い方の例
「とても・すごく=Very」を表す方言である「ぼっけぇ」は、どんなシチュエーションの時に使う言葉なのでしょうか。ここでは、いくつか例文を挙げて「ぼっけぇ」の使い方を紹介していきます。日常生活の中でもよく使われる方言なので、覚えておけば岡山県出身の人と話す時や岡山を旅する時にきっと役立ちます。
「じゃあおとんに頼んでみるわ。でもおとんは毎回ぼっけぇ荒い仕事じゃけぇ。」
チャーリー
「おめぇのお父さん大工じゃろ? 玄関の扉がめげてしもうたんじゃ。直してほしいんじゃー。」
(君のお父さん大工だよね? 玄関の扉が壊れてしまったんだ。直してほしいんだ。)
ボブ
「じゃあ、おとんに頼んでみるわ。でもおとんは毎回ぼっけぇ荒い仕事じゃけぇ。」
(じゃあ、お父さんに頼んでみるよ。でもお父さんは毎回とても荒い仕事だから。)
「新しい車だよ。前とがってぼっけかろう。」
プロゲーマー君
「新しい車だよ。前とがってぼっけかろう。」
(新しい車だよ。前がとがっていてすごいだろ。)
チャーリー
「うわー。けなりぃ。ぼっけぇかっこいい車じゃのう。」
(うわー。うらやましい。すごくかっこいい車だね。)
- ぼっけぇの意味は「とても」「すごく」「非常に」
- 「ぼっけぇ」は、岡山で使われている方言