年越しそばの歴史と起源について
そば自体の歴史は古く、縄文時代には栽培が始まっていたと言われています。
その頃は、そば粉を練って作る「そばがき」や「そばもち」として食べられていました。今の細長いそばの形になったのは16世紀頃で「そば切り」と言います。
年越しそばを食べるようになったのは、江戸時代の中期だと考えられています。商人の家では、毎月末日にそばを食べる習慣があり、それを「三十日(みそか)そば」と言っていました。その習慣が転じて、各家庭で大晦日に食べる「年越しそば」になったのです。
江戸中期から後期にかけて、そばに小麦粉を混ぜるようになり「二八そば」が誕生しました。そばが安価で食べられるようになったこと、醤油やみりんが安く手に入るようになったことも、年越しそばが急激に広まった大きなきっかけと考えられています。
着物ちゃん
年越しそばは地域によって、大年そば・晦(つごもり)そば・運そば・大晦日そば・年取りそば・年切りそば・縁切りそば・寿命そば・福そば…様々な呼び方がございます。
年越しそばはいつ食べる?時間帯について
12月31日に食べるそばを一般的に年越しそばと言います。
年を跨いで食べるのは縁起が悪いといわれますが、「何時に食べる」という明確な正解はありません。大晦日であれば、年越し前の夜食、夕食、昼食や朝食として食べるのも「年越しそば」になります。
大晦日以外にそばを食べる地域もあります。新潟県では、元旦に食べたり、小正月の前に「十四日そば」として食べ、福島県会津の一部地域では、「元日そば・二日餅・三日とろろ」という風習があります。
年越しそば食べ方は?具材や温冷について
年越しそばの食べ方には決まり事がありませんので、好きな具材を乗せて「かけそば」や「盛りそば」など、自由に食べることができます。
ここで縁起が良いとして年越しそばによく使われる具材を挙げます。
具材 | 理由 |
海老 | ヒゲが長く丸くなっている姿を老人に見立てて 腰が曲がるまで長生きするように願います |
ネギ | ネギと「労う」を掛けて1年を労う意味を込めて食べます 体を温める・疲労回復の効果があります |
ニシン | 「二親」と掛けて、子宝に恵まれることを願います |
卵 | 黄身の黄色を黄金として、金運アップを願います |
油揚げ | 商売繁盛の神様で知られるお稲荷さんの象徴ですので 金運・仕事運のアップを願います |
年越しそばは地域によっての特徴もあります。
萌え袖ちゃん
私の育った関東では、鰹ダシ・濃い口醤油・海老天という年越しそばが一般的よ。
マイルド君
関西では、昆布だし・薄口醤油・ニシンの年越しそばを食べるんや。
関東と関西ではこのような違いですが、沖縄では郷土料理の「沖縄そば」を食べる年越しが主流です。
また、香川県では「年越しうどん」が存在しますが、年越しそばを食べる人の方が多いようです。四国学院大学の調査では、年越しそば43%、年越しうどん22%という結果が発表されています。
萌え袖ちゃん
こちらは、おいしいそばの茹で方の動画です。
年越しそば まとめ
日本では古くから食べ物一つ一つに様々な願いを込めますが、年越しそばも、健康長寿や繁栄、幸せという願いが込められています。
1年を無事に過ごせたことへの感謝とともに、新しい1年も幸多き年になるように願いながらそれぞれの年越しそばを食べ、日本の伝統を継承していきましょう。
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