旧正月とは?
旧暦である太陰暦(太陰太陽暦)の正月を旧正月と言います。
月の満ち欠けを基準にした太陰暦では、1ヶ月が平均29.5日、1年が約354日です。3年で生じる約1ヶ月のズレを、3年に一度閏月を設けることで調整していました。
日本では1872年(明治5年)政府が太陰暦を廃止し、太陽の動きをもとに作られた太陽暦(グレゴリオ暦)の採用を決定しました。
太陰暦と太陽暦では日にちにズレがありますので、旧正月は太陽暦の1月21日頃から2月20日の間で毎年変動します。
アジアには今でも旧正月を正式な新年として盛大に祝う国が多くあります。
中国圏で旧正月は春節(しゅんせつ)と言い、1年の中で最も大切な祝日です。干支が変わるのも春節からになります。
旧暦の正月を「旧正月」と言うのは日本だけで、英語では「Chinese New Year」が一般的です。
2020年の旧正月はいつからいつまで?
中国では毎年、春節の前日から一週間の祝日になります。2020年は旧正月が1月25日なので、1月24日から1月30日までという予想です。いつからいつまでという正式な日にちは、前年の12月に発表されます。
2020年の干支はねずみ
干支は、中国も日本も同じになるので2020年は子(ねずみ年)です。
女神さま
ちなみに、十二支の最後は日本では「亥」ですが、中国では「豚」なんですよ。
中国における旧正月
中国でも地方ごとに旧暦の正月の過ごし方には差がありますが、一般的な過ごし方を解説します。
お墓参り
中国では、春節に備えてご先祖をお墓まで迎えに行き自宅へ連れ帰るという風習があります。
除夕(じょせき)という春節の前日、午前中にお墓参りを済ませることが一般的です。
年画(ねんが)
年画(ねんが)という、新年を寿ぐ色彩の鮮やかな版画を昼間のうちに、玄関に飾ります。桃や鯉など吉祥の象徴や、日常生活、思想など、様々なものが表現されています。
春聯(しゅんれん)
春聯(しゅんれん)とは、「迎喜迎春迎富貴」「接財接福接平安」など、縁起の良い文字が書かれた赤い紙のことです。
門や玄関のなどの入り口に貼りますが、左右で一対と決まっています。
女神さま
「迎春迎喜迎富貴」は、「春を迎え、喜びを迎え、富貴を迎える」
「接財接福接平安」は、「財を受け、福を受け、平安を受ける」という意味です。
このように、2つの句は意味が対になるように考えます。
倒福(とうふく)
中国には、倒福(とうふく)といって赤い紙に書かれた福の字を逆さまにして貼る習慣があります。
年画や春聯と一緒に玄関などに飾ることで、福が訪れるとされています。
金柑の木
中国語で「金桔」と書き、財と吉を意味する文字なので、金柑は富を呼ぶ縁起が良い木とされています。実がたくさん付いてる金柑の木を、玄関やベランダなどに飾ります。
女神さま
春節の一週間ほどまえから、町には金柑の木がたくさん見られるようになります。
大きな音で悪を払う
春節の代名詞とも言える爆竹や花火は近年厳しく規制されていて、この伝統は薄れつつあります。その代わりに風船を割る音で悪を払おうとする人たちが増えているようです。
験担ぎとタブー
中国において新年の重要な験担ぎに、赤いものを身につける習慣があります。
赤い洋服、靴下、下着などで魔除け・招福を願うのが、よくある験担ぎです。
タブーはお金の貸し借りやハサミを使うこと、そして子どもの泣き声です。
子どもが泣くことはコントロールが難しいので、家族一丸となって子どもの面倒をよくみて、悪運を呼び込まないようにします。
元宵節(げんしょうせつ)
旧暦の正月を祝う最終日は満月で、元宵節(げんしょうせつ)と言います。
家庭や町の至るところで火を灯した赤い提灯や燈籠が飾られます。
「元宵」という満月のような丸い団子に、一家団欒や家庭円満という願いを込めて食べています。
女神さま
また各地で、燈籠祭や獅子舞などの行事も催されます。