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「ファラリスの雄牛」とは?史上最も悲惨な拷問・処刑法について解説
「ファラリスの雄牛」とは、古代ギリシャで作られた拷問や処刑のための器具です。別名「叫びの雄牛」「灼熱の雄牛」とも呼ばれています。本記事では、最も残酷で史上最悪といわれる「ファラリスの雄牛」の構造や逸話、使用方法に加え世界のさまざまな拷問器具について解説します。
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堕天使・リリス
「ファラリスの雄牛」とは?
世界最古にして、もっとも残酷といわれる拷問・処刑のための器具。それが、「ファラリスの雄牛」です。
紀元前6世紀、古代ギリシャ。シチリア島のアグリジェントという都市の僭主ファラリスは、何か斬新な処刑方法はないかと考えていました。
そこで、アテネの芸術家にして真鍮鋳物師のペリロスに設計・製作させたのが、この「ファラリスの雄牛」です。
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徳永大輔
漫画原作者
「ファラリスの雄牛」の構造とその残酷さ
ファラリスの雄牛は、その名の通り雄牛をかたどった真鍮の像です(青銅製という説もあります)。内部は空洞になっており、胴体には人を入れるための扉がついています。
犠牲者は狭く暗い雄牛の中に閉じ込められ、下から火で炙られました。その熱は雄牛全体に伝わり、真鍮が黄金色になるころには中が400度を超える灼熱地獄になったといわれています。
しかし、この器具の悪辣さはそれだけではありませんでした。
この金属の雄牛は、生きているような唸り声をあげたのです。
雄牛の頭部には、管楽器のような構造の管が組み込まれていました。その管によって、犠牲者の断末魔の叫びが猛牛の唸り声のように変換される仕組みになっていたのです。
ファラリスは、宴会でもこの器具を用いました。人肉の焼けるにおいをハーブでごまかし、そのにおいと音……いや、悲鳴を楽しんだと伝えられています。
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犠牲者の骨は、照りのある宝石のようだったとか。その骨でブレスレットが作られたというエピソードまであるの。
ファラリスの雄牛に関するファラリスとペリロスの逸話
完成品を前にして、僭主ファラリスはペリロスに自ら実演して音を聴かせるよう命じました。しかし、ペリロスが雄牛に入るやいなや、ファラリスは扉の鍵をかけて火を焚かせてしまったのです。(※上の画像参照)
皮肉なことに、ペリロスは自分が考案した器具の最初の犠牲者となりました。
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できあがったものがあまりにも残忍だったから、「こんなことを思いつく悪党は生かしておけない」と思って殺したという説もあるわ。そんなファラリスも、最後は僭主の座を奪われて、自分が葬ってきた人々と同じようにこの器具で焼き殺されたそうよ。
人が心の奥に隠し持っている残酷さを極限まで凝縮するとこんな恐ろしいものができるのね……。人間に潜む心の闇を、ちょっとだけ一緒に覗いてみましょう。