「ファラリスの雄牛」とは?史上最も悲惨な拷問・処刑法について解説
「ファラリスの雄牛」とは、古代ギリシャで作られた拷問や処刑のための器具です。別名「叫びの雄牛」「灼熱の雄牛」とも呼ばれています。本記事では、最も残酷で史上最悪といわれる「ファラリスの雄牛」の構造や逸話、使用方法に加え世界のさまざまな拷問器具について解説します。
この記事に登場する専門家
ファラリスの雄牛以外にも!残酷な世界の拷問器具5選
ファラリスの雄牛に限らず、過去には世界中でさまざまな拷問器具が考案されました。どれだけ長時間苦しみを与え続けることができるか考え抜かれていて、その残忍さには異常な執念を感じさせられます。
鉄の処女
聖母マリアをかたどったといわれる、棺型の人形で、ご存知の方もいるかもしれません。扉には内側に向かって長い釘が植えられていて、内部の空洞に閉じ込めた囚人の全身を突き刺すという構造になっています。
この器具の複製品は、東京・御茶ノ水駅近くにある明治大学博物館で見ることができます。この博物館の刑事部門は、日本の江戸時代の捕者具から国内外の拷問・処刑具まで人権抑圧の歴史を伝える実物資料を展示しています。
ブレスト・リッパー
直訳すると、乳房切断機。中世ドイツで、女性を拷問するために開発されました。
先端に鋭い鉤爪がついたトングのような形状で、熱した鉤爪で乳房を強く掴み、回したり引っ張ったり引きちぎったりします。後に、爪を増やし、吊り上げるためのフックも付いた凶悪な改良版も作られました。
拷問椅子
ヨーロッパで魔女狩りの際などに使用されました。座面・背もたれ・足置き・肘かけ、すべてにびっしり針が敷き詰められています。座るだけでなく、重りを乗せられたり、下から火で炙られたりたりしました。ドイツでは19世紀まで使われていたといいます。
また、中国バージョンの拷問椅子は針の代わりに刃物が並んでいました。
鉛のスプリンクラー
穴がいくつも開いた球に、持ち手がついた器具です。球の部分に煮えたぎる油や溶かした金属(鉛、銀など)を入れ、その熱い熱い液体を人間の目や口の中に直接流し込んで苦しめました。
中でも、溶かした銀を目に垂らされるのが最も悲惨だったといわれています。
樽
専用の器具を開発しなくても、工夫次第でどんなものでも拷問が行えるという一例を紹介します。
犠牲者は大きな樽に頭だけ出して座らされ、頭部に牛乳と蜂蜜が塗りつけられます。顔も頭も、寄ってきたハエに卵を産み付けられ、孵化したウジムシに食われて皮膚はボロボロに。さらに、樽から出ることは許されないので、当然中は排泄物が溜まっていきます。そこにも、もちろんウジムシが涌き……囚人は生きたまま腐って死んでいきました。
堕天使・リリス
「簡単には死なせてやるものか」という執念!?
こんなにも惨たらしい人のいたぶり方を思いつくことができるなんて……。
闇の存在「XXX」
やぁ!
闇の存在「XXX」
ディズニーの作った『インモータルズ~神々の戦い』という映画の中で、「ファラリスの雄牛」による拷問シーンがあるんだよ。
ただ、これはかなり強烈なので、苦手な人はスルーしてね。
堕天使・リリス
ゲェェ。。。
まとめ
古代ギリシャの拷問と処刑のための器具、「ファラリスの雄牛」について解説しました。
現在、国際連合の拷問等禁止条約によって、拷問は世界的に禁止されています。(ただし、中国、北朝鮮、イラクなど、一部の国では未だに執り行われています)
私たちが不当な拷問を受けずにすむ時代と国に生まれたことは、幸運といえるかもしれません。
- 「ファラリスの雄牛」とは、古代ギリシャで用いられたとされる拷問・処刑のための器具。
- 真鍮(または青銅)製の雄牛像で、内部の空洞に人間を閉じ込めて腹部を下から火で炙る。内部の温度は400度を超えたといわれている。
- 頭部の内側に管が仕込まれており、それによって苦悶の叫びが猛る雄牛の唸り声のように聴こえる仕組みになっている。
堕天使・リリス
ここまで読んでくれてありがとう。
「ファラリスの雄牛」による拷問が、いかに残酷で人権を踏みにじる悪魔の行いだったかわかったわね。こんな狂気の器具を創り出す人間の怖さも……。
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徳永大輔
漫画原作者