蓋然性の読み方と意味とは?
「蓋然性(がいぜんせい)」とは物事が実際に起こる度合いや将来的に実現する見込みの意味です。蓋然性が使われる前提は物事の根拠がはっきりしていることで、現在の状況を判断できる材料として正確な裏付けが不可欠です。ただ見込みがあるというよりは、客観的に見ても可能性が大いにあると判断された場合に当てはまります。
つまり蓋然性は、確かな根拠やきちんとした裏付けがある「可能性」を指すのです。
蓋然性に適していないのは将来的に物事がどうなっていくのか予測がつかない場合、そして必ずしもそうなる必然性を持っている場合です。
蓋然性の由来
蓋然性は元々中国語でした。「蓋」という漢字を日本語読みすると「けだし」となり、「恐らく」「多分」といった推測する意味を持ちます。続いて「然」は「しかり」で、「当然」「もっとも」と当たり前のように肯定する意味合いがあります。これをまとめると「恐らく当然に推測される見込み」となり、蓋然性の意味に紐づきます。
蓋然性が日本に広まったのは哲学や数学の分野で使われるようになってからです。数学や統計学のように確かなデータに基づいて判断が裏付けされていると考えるとわかりやすいかもしれません。
闇の存在「XXX」
「蓋」の訓読みである「フタ」には馴染みがありますよね。
天地を示す「蓋壌(がいじょう)」、貯蔵した穀物を示す「蓋蔵(がいぞう)」という古い言葉がありました。
物事を覆うという意味で表現されていたんですね。
蓋を開けないと中身が不確かなことから、推測の意味で捉えられたのでしょう。
蓋然性の使い方と用例
それでは蓋然性をどのように使うのか、実際に例文を用いて確認していきましょう。重要なポイントになるのは蓋然性の表現方法です。
番長
この最新システムを導入すれば、大幅に効率が上がる蓋然性は高い!
よし、これで完璧だ!
チャーリー
そ、そうだね!がんばろう!
(そもそも彼がシステムを使いこなせる蓋然性は低そうだ...。)
例文のように蓋然性はこれから起こる出来事の動向を推測する場面で使われる言葉です。
蓋然性は見込みや度合い、すなわち割合を示すので確率の数値のように高い、低いと表現します。
蓋然性の類語
蓋然性の類語は「確率」、「公算」、「確実性」そして「可能性」があります。
- 「確率」・・・物事が実際に起こる度合いと、それを表した数値のことです。具体的なデータを基に導かれることもあれば、まったく根拠のないときにも使われます。蓋然性の意味する見込みや度合いを数値として示すことができれば「確率」と呼べるのです。
- 「公算」・・・物事が起こる見込みや度合いそのものを指します。「確率」と同じ意味で、主にビジネスで使われています。「公算」は大きい、小さいで言い表します。
- 「確実性」・・・確かなこと、確からしさを示します。確信がある状況で使われる言葉です。
- 「可能性」・・・物事が実際に起こる見込みのことです。蓋然性の意味とよく間違われる言葉でもあります。「可能性」は主観的で根拠や見込みがない場合にも当てはまるので、蓋然性より幅広く一般的に認識されています。
蓋然性を英語で何と言う?
蓋然性の英語表現は「probability」です。「probability」は確立、公算という意味を持ち、カタカナ読みの「プロバビリティー」という言葉がそのまま蓋然性と置き換えて使われる場合もあります。ビジネスシーンでは耳にする単語でもあるので覚えておいて損はないでしょう。
プロゲーマー君
君のプランはプロバビリティーが低いよ、もっと具体的に考える必要がありそうだね。
蓋然性は客観的に裏付けがあるときに使う言葉
蓋然性とは客観的かつ一定以上の見込みがあり、根拠がはっきりしているときに使える言葉でした。正しい裏付けに基づいて蓋然性を使うことができれば、相手の信頼を得る近道にもなりそうです。普段から意識的に蓋然性が高い言葉を使えるように、言葉の意味をしっかり捉えるようにしましょう。