「ボトルネック」の意味とは?
ボトルネックが示すのは一部分の原因や弱点です。例え大きな流れの中では小さな要因だったとしても、結果的にそれが原因となって物事全体を滞らせてしまいます。他の要素をいくら改善させたとしてもボトルネックそのものを解消しなければ制約された状態は続きます。
語源
ボトルネックは英単語の「bottoleneck」が語源です。直訳すると「瓶の首」を指し、英語をそのままカタカナ読みしています。瓶の首は細く設計されており、グラスに液体を注ぐ際に水量を調整する仕組みになっています。いくら瓶が大きくても瓶自体の容量が多くても、瓶の口から流れるのは首の細さに見合った一定量のみです。
ボトルネックは細くなった首の部分を通ることでいままでの勢いが失速し、流れが滞ってしまう様子に例えて使われるようになりました。英語の「bottoleneck」も日本語のボトルネックと同じ意味です。ボトルネックを略して「ネックになる」ともいいます。
類語
ボトルネックの類語には遅延要因、律速があります。
遅延要因とは物事が遅れる原因のことです。律速は速度を律する、つまり速度が制限されている様子を表します。物事全体の流れを一部的な要因で滞らせてしまうのが共通点です。端的にいうと障害や支障、難局や難関とも言い換えることができます。
また英語の「bottoleneck」は隘路(あいろ)とも訳すことができ、狭くて進むのが困難な道を示します。逆に「bottoleneck」そのものを日本語訳した瓶首(へいしゅ)もボトルネックと同じ意味で使われる言葉です。
「ボトルネック」の例文をみて使い方を知ろう
ではボトルネックの使い方を例文を元にチェックしていきましょう。ボトルネックはビジネスを中心にさまざまな場面で使われています。いずれも物事がスムーズに進まない要因や弱点を言い表す際に使われているのがポイントです。
ビジネスシーンでの「ボトルネック」
課長さん
プロゲーマー君はビジネススキルは高いが、生まれつきの体力のなさがボトルネックとなって、係長への昇進は難しいだろう。
一般的に使われるビジネスシーンでのボトルネックの用例です。個人の能力に対して評価をする際に使われていることがわかります。高いスキルを持っていても体力不足で係長への昇進が阻まれてしまう事例です。生産過程や仕事の流れやシステムにおいて全体を滞らせる要因を指して使われるのも一般的です。
IT系の人が「ボトルネック」というとき
プロゲーマー君
昔開発した独自のWEBサービスだが、いろいろな機能をつけすぎた結果サーバーの負担が大きくなりすぎ、運営し続けるのが困難となった。
いいサービスだったが、サーバーの運用コストがボトルネックとなった苦い経験だよ。
これはIT用語としてボトルネックが使われている例文です。ITの分野においては発生した問題点やエラーなどネットワーク上の性能を阻む原因を言い表すのに使用されています。
その他、「ボトルネック」の具体的な用例
厨二くん
小型拳銃ワルサーP38は、携帯性を重視し軽量化しすぎことがボトルネックとなり、銃口が小さくなり殺傷力が低下している。
この例文では武器の性能について評価する中でボトルネックが使用されています。一般的な物や道具を品定めして感想を述べる際にも使うことができます。
議員
あの踏切は生活に重要な主要道路のボトルネックになっている!
速やかに立体交差化を進めるべきだ!
交通事情を言い表す際にもボトルネックが使われています。ボトルネックには瓶の首のように途中から幅が狭くなる形状自体を表す意味もあるので、道路でいつも決まって渋滞する箇所を示すこともあります。具体的に該当するのは大幅に車線が減少する場所や開かずの踏切などです。国土交通省では一定の交通遮断量を基準としてボトルネック踏切が定められています。
まとめ
ボトルネックという言葉は語源となる「瓶の首」をイメージすると会話の中でも適切に使うことができそうです。細くなった瓶の首自体をかえなければいつまでたっても状況は好転しません。さまざまなシーンにおいて全体の流れを把握する際に、なにがボトルネックになっているのか冷静に分析することも問題解決の要になるでしょう。