「僭越ながら」の意味と読み方とは?
「僭越ながら」の読み方は「せんえつながら」です。「身の程をわきまえずに、でしゃばる」、「出過ぎたことをする」という意味があり、結婚式のスピーチなどのかしこまった場面での定型句として、良く使われることが知られています。
目上の人に対し、へりくだって言うのが目的です。逆に自分と同等や地位が低い人に対して使うと、嫌味にとらえられてしまう事がありますので、注意しましょう。
「僭越ながら」の使い方や用例
「僭越ながら」は、一体どのように使うのでしょうか。状況別の使い方を、例文とともにご紹介します。
目上の人との会話やメールで
「僭越ながら」は、目上の人に対して意見を言う際に、謙遜していることを表すために使います。また目上の人が読む可能性があるビジネスメールでも、私見を述べる状況で良く使われています。
チャーリー
僭越ながら、私の意見を申し上げます
また少し言い回しを変えて、下記のように使うこともあります。
ボブ
僭越ではございますが、お断りする所存です
結婚式等の挨拶で
結婚式や会社の式典などのスピーチにおいて、「僭越ながら」は良く使われます。老略男女誰でも参加するような公の場では、自分より年上の人など、立場が上の人がいることを想定して使っておくべき言葉です。
プロゲーマー君
僭越ながら私が、友人代表としてご挨拶させていただきます
乾杯の挨拶で
会社の忘年会等の飲み会では、挨拶と同時に乾杯の音頭をとる場面があり、その際にも「僭越ながら」を使う事があります。
一般的に最初と最後は、参加者のトップ2が挨拶するため、必然的に乾杯の挨拶は、3番目の地位の人がするのが筋です。この場合は、地位が上の人がいるので使っておきたい場面です。
ボブ
僭越ながら、この私が乾杯の音頭をとらせていただきます
「僭越ながら」の類語
「僭越ながら」と同じ意味を持つ言葉が他にもいくつかありますので、下記にまとめてています。
類語 | 意味 |
微力ながら | 少しの力で足しにもならないけど |
憚りながら(はばかりながら) | 遠慮すべきところだろうが、許して欲しい |
及ばずながら | 十分な力は無いが |
お言葉ですが | あなたのせっかくの言葉ではありますが |
「僭越ながら」と「恐縮ですが」の違い
「僭越ながら」と似た言葉に「恐縮ですが」があります。日常的に良く使う「恐縮ですが」のほうをつい使ってしまいがちですが、この2つの言い回しには、若干ニュアンスの違いがあります。
「僭越ながら」は立場が上の人を差し置いてでしゃばるというニュアンスがありますが、「恐縮ですが」は目上の人に限らず、受けた厚意が恐れ多く、心苦しいことを表します。
このように、言う相手や表す心情によって意味が全く違ってきますので、注意して使い分けましょう。
言葉 | 意味 |
僭越ながら | 自分の立場を超えて、申し訳ないのですが |
恐縮ですが | 厚意を受けて、恐れ多いのですが |
僭越ながらは正しく使うと謙虚な姿勢を示すことができる
スピーチで良く使われる言葉「僭越ながら」は、目上の人に対し「立場をわきまえずに、でしゃばりますが」という意味で使われます。
他の国ではあまり聞かず、日本人独特のニュアンスを持った言い回しであり、意味を知らなければ使いどころを間違ってしまいがちな言葉です。
しかし他の類語との微妙なニュアンスの違いを知り、正しく使う事さえ出来れば、「僭越ながら」は謙虚な姿勢を表すことができる便利な言葉です。ぜひ使い方をマスターし、状況に応じて使ってみてはいかがでしょうか。
「僭越ながら」まとめ
- 「僭越ながら」は「せんえつながら」と読み、目上の人に対し「立場をわきまえず、でしゃばりますが」という意味で使う
- 「僭越ながら」は自分と同等の立場や目下の人相手に使うと嫌味になることもある
- 正しく使えば「僭越ながら」は謙虚な姿勢を表す、便利な言葉
女神さま
マナーについてもっと知りたい方はこちらの関連記事がおすすめよ!