若手社員
課長
ばか者!! 課の打ち上げとはいえ、部長からいただいたご厚意を寸志と言うなぁ!
寸志の読み方や意味は?
寸志は「すんし」と読み、お世話になった方へ感謝の気持ちを伝える際に渡す金銭や品物の事です。大袈裟にするものではなく「ほんの気持ち」の意味を込めた贈り物になります。
寸(すん)は長さの単位で「短い」や「ほんのちょっと」という意味合いの漢字です。一寸は約3.03㎝で一寸法師のサイズです。また、志(こころざし)は厚意や親切心を表しますので、相手に気持ちを表して物(金品)を贈ることの意味になります。
寸志の基本的なマナー
着物ちゃん
友だちA子の結婚式で受付のお手伝いしたら、A子のお母さんから「寸志」て書いたポチ袋を貰ったんだよね。5,000円入ってて嬉しかったけど、友達として当然のことをしたのにちょっと申し訳ないなぁ…。もちろんA子母にはその場でお礼を言ったよ。……確か寸志のお礼はそれで良かったはず!
基本的に渡す側は目上の人
寸志をもらった際には言葉で「ありがとうございます」と相手にお礼を伝えれば十分でしょう。それだけでは気持ちが収まらないという場合にはお礼状を送っても問題ありません。基本的にはあまり大袈裟にせず、お返しなど必要ないのが寸志です。
通常、「寸志」は目上の人から目下の人への心づけに用います。上の着物ちゃんのようにプライベートな結婚式などでは、新郎新婦側から「お世話になったお礼の気持ち」として係を引き受けてくれた友人などに手渡しますが、ビジネスシーンでは上司から部下へという場合が多くなります。祝儀袋を用意するなら水引や寸志という表書きが印刷されたごく簡易なものでも構いませんし、急な場合は白い封筒などでも代用できます。
自分の上司や目上の人が出席する歓送迎会で渡す際には「寸志」と書きません。表書きには「ほんの気持ち」という意味合いの「謝辞、御礼、松の葉」といった言葉を用います。また、取引先の忘年会などに出席する場合は御礼が一般的で、仕事を請け負っている側なら薄謝、謝辞が相応しいとされています。
受け取る側は言葉遣いに注意
目上の方からいただいた寸志に関しては寸志と言わないのが礼儀になります。歓送迎会や忘年会などに招いた上司や取引先などの方から寸志をいただいたらお心遣い、ご厚志など呼び名を変えて会の冒頭でいただいたことを紹介しましょう。
それでは寸志をどのように扱ったらよいか、実践を交えて見ていきましょう。
フロイト先生
今日は送別会を開いてくれてありがとう。これは私からの気持ちです(寸志と書かれた封筒を渡す)。
情熱系社員
ありがとうございます。さぁ先生、立ち話もなんですからお席までご案内しますね。(この後すぐに寸志をいただいていることを幹事・進行役に伝える)
金丸さん
皆さん、これからお世話になったフロイト先生の送別会を開催させてもらいます。本日幹事を務める金丸です。先生から先ほどご厚志をを承っておりますのでここに紹介させていただきます。
寸志はどのような場面で使われる?
宴会などの催しでは上司から部下(幹事)へ寸志と書かれた封筒に入れて渡します。この寸志は会費の足しに使用されるので、上司へのお礼は最初の挨拶等で出席者に伝えるのがエチケットです。
冠婚葬祭ではお手伝いをしてくれた人(受付・挨拶など)にお礼として渡します。この場合はお世話になった頻度で金額を決めれば良いでしょう。ただし、こうしたシーンでは目上からというのではなく、結婚式なら新郎新婦側から、お葬式では喪主側から心付けやお礼として寸志を渡すことになります。
寸志は旅行中などでも渡されることがあり、お世話になる仲居さんや貸し切りバス・タクシーの運転手さんへも心付けとして手渡しします。ただこのケースは一昔前は一般的でしたが、徐々に薄れる傾向にあります。昭和の頃は旅館で心付け(チップ)を渡す風習もありましたが、宿がホテルやペンションと多様化している現在では予めサービス料の有無がネット予約時にうたわれている場合もあります。
寸志には少しばかりのちょっとした贈り物という趣旨があるので、基本的には贈り主がへりくだった形で使うことになります。これは日本の古い習慣であり心付け同様、お世話になった人へ感謝の気持ちを少額のお金や品物で表しています。
お母さん
昔、おじいちゃん・おばあちゃんが旅館に泊まる時は寸志(心付け)としてポチ袋や紙に包んだお金を仲居さんに渡していたんだよ。部屋には担当の仲居さんがいて、着いたらお茶を入れてくれたり、部屋食を運んでくれたり、お布団も敷いてくれたからね。
萌え袖ちゃん
そうなの~? ちょっと面倒。私はホテルで邪魔をされずにゆっくり過ごしたいけどね。寸志を渡す代金でカフェに行けるじゃない!
不敵くん
昔の人は家事の量が多かったから上げ膳据え膳は憧れなんだよ! 特別な待遇をしてくれる旅館の仲居さんには感謝の気持ちで寸志を渡していたんだろう。
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参考価格: 418円
寸志と賞与(ボーナス)の違い
ちょっとした金品ということで贈られる寸志ですが、ボーナスとして渡されるケースもあります。普段ボーナスは賞与と呼ばれ、会社が社員に月々の給料とは別に支給します。多くの会社が夏・冬2回の支給となっているでしょう。
それに対し寸志は心ばかりの贈り物ということになるので、ボーナスに比べ少額になるケースがほとんどです。入社間もなくてボーナスは出せない場合などに、会社から寸志として渡されたりすることもあります。寸志であっても会社が社員に渡す(支払う)金銭になるので経理上はボーナスとして扱われ税金の対象になります。
来月には小金が入る。世間では賞与、ボーナスと呼ばれているがワシらは「寸志」である。その寸志を宛にして配偶者が卵を落としても割れない謎のクッションを注文。そんな寸志で謎を買うなよと意見。。しかし、その数分後「進撃の巨人全巻買おう」と呟き白い目でみられた。貧民家庭の攻防(涙)
— ムラサメ (@naganaga199) November 12, 2019
寸志の意味のまとめ
寸志は目上の人が自分より目下の人に使用する言葉でありちょっとした心遣いです。宴会などで上司や先生、先輩から寸志をいただいた際にはご厚志、お心遣いと言い方を変えて参加者に伝えるのがマナーとなります。元々寸志はちょっとした感謝を伝える金品なので、大袈裟な対応は必要ありませんが、いただいたその場できちんと相手にお礼の気持ちを伝えましょう。
- 寸志とは、ちょっとした心遣いや心ばかりの贈り物のこと
- 目上の人が目下の人に渡すのが一般的
- 目上の人からいただいた寸志は「ご厚意」や「お心遣い」と言い換える
若手社員
最後まで読んでくれてありがとう。あなたも「寸志」についてバッチリ理解できたはず。次の宴会はお任せ‼
部長から寸志いただきましたー!! みんな盛り上がろうぜぃ!