「えーころはちべー」の意味とは
「えーころはちべー」の意味は山口県の方言で「いい加減」、「いい加減な人」です。
「えーころはちべー」を分解し、それぞれの単語の意味を紐解いていくと「えーころ」には「いい加減」という意味があり、「はちべー」には「人」という意味が存在します。
「はちべー」という言葉は「人」という解釈がされていますが、標準語に直すときに「はちべー」を「人」と訳さず、「いい加減」とだけ表現する場合もあります。「えーころ」だけの場合は「良い加減」や「いい塩梅」など良い意味を持った方言として使用されますが、「はちべー」がつくと良くない意味で使われるという特徴があります。
「えーころはちべー」は山口で使われている方言
「えーころはちべー」は主に山口県で使われている山口弁の1つです。「えーころはちべー」が誕生した由来は何なのかを調査しましたが、はっきりとした由来は見つかりませんでした。しかし、「ええ」という言葉は主に西日本で「良い」という意味で使われており、「ころ」は「頃合い」、「はちべー」は「一般庶民」や「田舎者」のことを意味していると考えられます。
また、似たような方言に「ええころかげん」という方言があります。この方言は愛知県の一部で使われており、意味は「えーころはちべー」と同じく「いい加減」という意味です。この「ええころかげん」という方言が誕生した由来は「ええ頃」=「適当」=「いい加減」と解釈されたからと言われています。
そのため、地域は離れていますが同じ意味を持っている「えーころはちべー」も「ええころかげん」と同じ由来で誕生したと言えるでしょう。
「えーころはちべー」の使い方の例
山口県で使われている山口弁「えーころはちべー」の使い方を例文と共にいくつかご紹介します。
「えーころはちべー、そんな遊びやめなよ。」
お母さん
えーころはちべー、そんな遊びやめなさいよ。
(いい加減、そんな遊びやめなさいよ。)
子供
しろしいっちゃ・・・
(うるさいよ・・・)
この例文のように、いつまでも子供じみた遊びをしている相手に対して「いい加減、そんな遊びはやめなさい」と注意をする際や諭す際にも「えーころはちべー」という方言が使われることがあります。
「あんな口だけのえーころはちべーになっちゃダメよ。」
お母さん
あんな口だけのえーころはちべーになっちゃダメよ。
(あんな口だけのいい加減な人になっちゃダメよ。)
子供
せわぁないよ。
(心配ないよ。)
先ほどの例文と同様に相手に注意や忠告の意味で「えーころはちべー」という方言を使っていますが、こちらの例文では「えーころはちべー」が「いい加減な人」という良くない意味で使われています。
「えーころはちべー帰って来なさい。」
お母さん
えーころはちべー帰って来なさい。
(いい加減帰って来なさい。)
子供
あーね、わかったよ。
(そうだね、わかったよ。)
この例文は、子供が遅くまで遊んでいたり何時まで経っても家に帰ってこない時に使う場合の「えーころはちべー」です。
相手に注意や忠告をするだけでなく、「いい加減帰らなくても大丈夫?」など相手を心配する際にも使用します。
- 「えーころはちべー」の意味は「いい加減」、「いい加減な人」
- 山口県で使われている方言
- 似た方言に愛知県で使われている「ええころかげん」がある